牛におけるビタミン (以下vit) Eの適正な投与法を検討するため, ホルスタイン種の子牛と乳牛にvit AD
3Eプレミックス経口投与後の血清と赤血球のトコフェロール (以下Toc) 値の変化を観察した. さらにvit Eによるvit Aの吸収促進効果を知るために血清vit A (レチノールとレチニルパルミテート) 値についても同時に測定した.
子牛へのvit Eの投与では, 1,000IUでは血清Toc値の増加はごくわずかであり, 2,000IUおよび2, 500IUで投与8~48時間後にわたり増加が持続した. いっぽう, 2, 500, 00IUのvit Aを投与することにより, 血清vit A値は投与2~48時間後にわたり有意な増加を示した.
乳牛へのvit E投与では, 3,000IUでは血清Tocと赤血球Toc値のどちらも増加がみられず, 6,000IUおよび7, 500IUで投与24~72時間後にわたり両Toc値の増加が認められた. また, 7, 500,000IUのvit Aを投与することにより, 血清vit A値は投与2~48時間後にわたり高値が持続した.
以上の所見から, 血中濃度の増加による生体への利用が十分に期待できるvit Eの牛への経口投与量は子牛で約25IU/kg, 乳牛では約12IU/kgであると考えられた.
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