日本獣医師会雑誌
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42 巻, 3 号
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  • 大永 博資
    1989 年 42 巻 3 号 p. 145-152
    発行日: 1989/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 土屋 亮, 渡辺 美佐紀, 小林 好作
    1989 年 42 巻 3 号 p. 155-160
    発行日: 1989/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    レフロトロンは乾燥試薬式の血液分析システムである. これを用いた犬・猫のBUN・グルコース・GOT・GPTおよび牛のBUN・グルコース・GOT・γ-GTPの測定成績が, これら動物の疾病0診断に役立つかどうか検討した.
    レフロトロンによる測定値は, いずれの項目においても, 液状試薬式の分析システムRaBA-Σによるそれよりも高かったが, 両者の成績の間には非常に高い相関関係があった.
    同時再現性試験による変動係数は全項目全動物種を通じて, 最小1.1, 最大7.5%で, 平均すると2. 78%であった.
    それぞれの項目について, 高い値の血清を同種動物の血清および牛アルブミン液で希釈して測定したところ, いずれにおいてもその希釈濃度と測定値にはほぼ直線関係が認められた.
    レフロトロンは測定操作が簡単で, しかも信頼できる結果が1項目あたり3分以内に得られる.
    動物の一般臨床検査を行いながら血液生化学的検査を進められるので, 獣医臨床診断に非常に役立つと思われる.
  • 村上 由紀, 一条 茂, 納 敏, 更科 孝夫
    1989 年 42 巻 3 号 p. 161-165
    発行日: 1989/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛におけるビタミン (以下vit) Eの適正な投与法を検討するため, ホルスタイン種の子牛と乳牛にvit AD3Eプレミックス経口投与後の血清と赤血球のトコフェロール (以下Toc) 値の変化を観察した. さらにvit Eによるvit Aの吸収促進効果を知るために血清vit A (レチノールとレチニルパルミテート) 値についても同時に測定した.
    子牛へのvit Eの投与では, 1,000IUでは血清Toc値の増加はごくわずかであり, 2,000IUおよび2, 500IUで投与8~48時間後にわたり増加が持続した. いっぽう, 2, 500, 00IUのvit Aを投与することにより, 血清vit A値は投与2~48時間後にわたり有意な増加を示した.
    乳牛へのvit E投与では, 3,000IUでは血清Tocと赤血球Toc値のどちらも増加がみられず, 6,000IUおよび7, 500IUで投与24~72時間後にわたり両Toc値の増加が認められた. また, 7, 500,000IUのvit Aを投与することにより, 血清vit A値は投与2~48時間後にわたり高値が持続した.
    以上の所見から, 血中濃度の増加による生体への利用が十分に期待できるvit Eの牛への経口投与量は子牛で約25IU/kg, 乳牛では約12IU/kgであると考えられた.
  • 永野 博明, 向原 要一, 前田 隆道, 筒井 泰司, 高本 一義, 佐々木 正憲
    1989 年 42 巻 3 号 p. 166-170
    発行日: 1989/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1987年3月に, 長崎県下の黒毛和種肥育農家において, 県内から導入された45頭全頭が, 導入後5日目から発熱, 咳, 鼻汁, 呼吸困難を呈し, このうち5頭が死亡した.
    発症牛7頭中6頭 (85.7%) の鼻汁からP. haemolytica, 2頭 (28.6%) の鼻汁からMycoplasma. sp. がそれぞれ分離された.さらに, 白赤球数の減少の著明であった2頭 (28.6%) の鼻汁からMDBK細胞に細胞変性効果を示す2株のウイルスを分離した.
    分離ウイルスは核酸がRNA型で, 理化学的性状, 電子顕微鏡による観察結果および牛ライノウイルス1型.(Sd・1株) の免疫血清で完全に中和されたことから牛ライノウイルス1型と同定された.
    発症牛から採材したペア血清において, RS, エンテロ, アデノー7型の各ウイルスに対する有意の抗体の動きは認められなかったが, 分離ウイルスに対する抗体価は回復期血清において顕著に上昇していた・牛ヘルペスウイルス1型, パラインフルェンザウイルス3型, 牛ウイルス性下痢・粘膜病ウイルスに対しても若干の抗体価の上昇があっが, これは導入時の3種混合ワクチン接種によるものと思われる.
  • 森友 靖生, 石橋 武彦, 芦沢 広三, 芝田 猛
    1989 年 42 巻 3 号 p. 173-177
    発行日: 1989/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1983年9月より1988年2月までに, 熊本県下で褐毛和種21例に四肢短小, 発育不良, 異常歩行を主徴とする軟骨異形成性矮小体躯症の発生がみられた. 病変は四肢長骨に限局しており, それらは長骨の長さの成長点である骨端板の軟骨異形成に起因する長骨の短小化と骨端部の変形が顕著であった. 本症例は現在までに報告されている矮小体躯症と異なる表現型を有しているものであった. 発生状況や, 系統調査などから, 本症の原因は劣性遺伝の可能性が非常に高い.
  • 天野 弘, 梶尾 規一, 柴田 昌利, 土屋 守, 大村 康治, 坂野 文俊, 長谷川 昌俊, 堀 渉, 森 健
    1989 年 42 巻 3 号 p. 179-183
    発行日: 1989/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    静岡県下におけるActinobacillus pleuropneumoniae (A. pleuropneumoniae) の浸潤状況および農場内での感染様式を知る目的で, と畜場出荷豚および養豚農家飼育健康豚の鼻腔から菌分離を行うとともに, 補体結合 (CF) 抗体の保育状況を調べた. また, 分離菌株の血清型ならびに薬剤感受性を検査し, 以下の成績を得た.
    1) 13農場, 計196頭のと畜場出荷豚の鼻腔内におけるA. pleuropneumoniae保菌率は43%で, CF抗体陽性率は65%であった. また, 肺病変保有率は68%であった.
    2) 9農場飼育健康豚の鼻腔内保菌率は, 全農場において各日齢 (3O日齢未満, 50, 8O, 120, 150日齢) とも高く (68~87%), 種豚においても35%を示した. CF抗体保有豚は一部の農場を除いて80日齢以降にみうけられ, 15O日齢ではほとんどの農場において高い抗体保有率を示した.
    3) 分離菌1O1株の血清型は, 93株 (92が) 2型で, ほかの8株 (8%) は5型であった. また, 21菌株の薬剤感受性試験では, 14株が薬剤耐性を示した.
  • 野村 紘一, 越智 一彦, 島田 保昭
    1989 年 42 巻 3 号 p. 185-188
    発行日: 1989/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    最近, われわれは犬の腟蓄膿の2例に遭遇した. これらはいずれも外陰部から膿の持続排出を主訴に来院したものである. 症例1は6歳のヨークシャーテリアで分娩歴を有し, 症例2は前歴不明の雑種であった.
    これらの子宮・卵巣はまったく正常であったが, 腟の拡張が著明で蓄膿がみられた. 膿からはStreptococcusやStaphylococcusなどの細菌が検出された.
    症例1は原因不明で, 腟の閉鎖や狭窄などは見あたらなかったが, 症例2では腔内に変質者のいたずらによると思われる異物が挿入されており, これによる腟の拡張と感染が原因であろうと考えられた. なお, 症例1では分娩歴を有しており, 他に流産歴を有するものの発生例が報告されているところから, あるいは分娩や流産に起因する腟の退縮不全などが誘因となっていることも考えられる.
  • 宇根 ユミ, 野村 靖夫
    1989 年 42 巻 3 号 p. 191-193
    発行日: 1989/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    頸部に心拍動と連動する血管瘤をもつ23日齢の雄子牛を剖検し, 両頸動脈と前大静脈間に短絡を認めた. 短絡部には, 内面に大小のヒダをもつ7.3×5.5×4.8cmの血管瘤の形成があった. この血管瘤の壁は非常に薄く, 中の血液を透視できた. 心臓は両心室ともに著しく拡張し, 直径4mmの卵円孔開存と小さな動脈管開存がみられたが, 心臓内奇形は認められなかった.
  • 久保 正法, 児玉 吉正
    1989 年 42 巻 3 号 p. 194-196
    発行日: 1989/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    60日齢前後のシャモのヒストモナス感染症の肝臓と盲腸を電顕的に観察した. 原虫は盲腸と肝臓とに多数寄生・増殖していた・盲腸では, invasivestageとvegetative stageの2型の原虫がみられ, 前者は主として細胞間に, 後者は細胞内に観察された. 肝臓ではVegetative Stageの原虫が細胞内に寄生・増殖していた.
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