日本獣医師会雑誌
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42 巻, 5 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 小野寺 節, 百溪 英一, 吉野 知男
    1989 年 42 巻 5 号 p. 303-305
    発行日: 1989/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 扇 勉, 前田 善夫, 伊東 季春, 梶野 清二, 岸 昊司, 松田 信二, 安里 章, 臼井 章
    1989 年 42 巻 5 号 p. 306-311
    発行日: 1989/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    北海道において乳牛群の代謝プロファイルテストを実施するため, 最初に1, 247頭の乳牛から血液成分の標準値を作成するとともに, 乳期, 年齢, 地域および泌乳能力の違いによる変動を検討した.分析項目は, PCV, Albumin, BUN, Glucose, FFA, Ca, Pi, Mg, K, GOT, Cholestcrolとした. 血液成分の変動は乳期によるFFA, Cholesterol, 地域によるBUNが大きかった.
    次に, テストを26農家で延べ70回実施した結果, 生産病の多い農家では血液成分 (各乳期の平均値) が標準値±1.3SDを越える項目が多くみられた. 項目別にはBUNは短期間の蛋白摂取を反映し, PCVとAlbuminの低下は長期間の蛋白不足を表わしていた. GlucoseとFFAはともにエネルギー摂取状態を反映していたが, FFAの方がより鋭敏であった. PiとMgの低下は起立不能症, 繁殖障害に関与していた. しかし, GOTとCholesterolは生産病との関係はみられなかった.
  • 阿久沢 正夫, 高橋 隆之, 中村 康男, 竹之下 浩和, 原 由香, 森園 充, 坂本 紘, 岡本 嘉六, 出口 栄三郎
    1989 年 42 巻 5 号 p. 313-317
    発行日: 1989/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    鹿児島県内を管轄する4ヵ所の畜犬管理センターに集められた犬について, レプトスピラ (8種類の血清型autumnalis, hebdomadis, australis, icterohaemorrhagiae, canicola, pyrogenes, hardjo, pomona) に対する抗体調査を1984年5月から1987年3月に行った. 性別による陽性率は雄26.2%, 雌18.8%で雄の方が高く, また推定年齢別の比較では, 加齢とともに陽性率は増加する傾向を示した. 県全体では, 806頭中190頭 (23.5%) が1種類以上の血清型に対して陽性であった. 地域別では, 加世田が204頭中57頭 (27.9%) で最も陽性率が高く, ついで宮之城が197頭中53頭 (26.9%), 国分は198頭中44頭 (22.2%), 鹿児島市が最も低く207頭中36頭 (17.4%) であった. 各地域の月別の陽性率は, 季節に関連する変動は認められなかった. 県内4ヵ所での各血清型抗体の検出数および検出率で, 各地域とも最も多いのはicterohaemorrhagiaeであった. 次に多く検出されたのは鹿児島市と国分ではcanicolaで, 加世田と宮之城ではhebdomadisであった. 今回の調査において, 1972年から1979年の南九州における調査では検出されなかったaustralis, pyrogenes, pomonaおよびhardjoに対する陽性反応が認められた. 検査した犬はすべて臨床的には健常であり, 同時に行った血液検査でも, BUNの値が正常範囲内ではあるが抗体陽性の犬は陰性の犬よりも有意に高い値 (P<0.05) を示したにすぎなかった.
  • 須賀 幸司, 西野 豊, 中島 一郎, 御村 宗人, 佐藤 俊策, 後藤 清次, 松岡 俊和, 鴻巣 泰, 鉢須 桂一, 飯島 雄二, 成田 ...
    1989 年 42 巻 5 号 p. 319-323
    発行日: 1989/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1987年7月から8月にかけて, 肉用牛400頭規模の肥育農場で, 導入直後の牛約30頭に呼吸器症状と発熱を主徴とする疾病が発生し, 3頭が死亡, 4頭が廃用となった.
    死亡牛1頭, 発症牛10頭について病性鑑定の結果, 病理学的検査では著明な線維素性肺炎像がみられ, 肺の酵素抗体法 (ABC法) でPasteurella haemolytica抗原が特異的に検出された. 細菌学的検査では, 死亡牛の肺, 気管等から純培養状に, また発症牛鼻腔ぬぐい液10例中7例から優勢にP. haemolyticaが分離され, いずれも生物型A, 血清型1に属した.P. haemolyticcaに対する抗体検査では, 死亡牛, 発症牛とも高い抗体価を保有していた.
    以上の諸成績から, 本症例はP. haemolytica感染症と診断された.
    本症発生の要因としてに, 導入に伴った種々のストレスにより抗病性が低下し, 本菌の増殖をゆるし, さらに不適切な飼養管理が病勢を増悪させ, 集団的発生にいたったものと考えられた.
    この農場に対し, 発生要因をもとにストレスの除去, 衛生管理, 病原体対策を指導した結果, 以後の発生は認められなかった.
  • ウイルス持続感染牛の疫学調査と分離ウイルスの血清学的性状
    斎野 仁, 渡辺 卓俊, 青木 仁久, 三上 祐二, 山口 勲, 松田 敬司
    1989 年 42 巻 5 号 p. 324-328
    発行日: 1989/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛ウイルス性下痢粘膜病ウイルスの持続感染牛を中心として, 野外における病性と疫学について調査を実施した. 下痢, 呼吸器病を呈した14頭について, 8頭に非細胞病原生BVD・MDウイルス血症を認め, うち5例が持続感染牛と判明した. これら8症例は, うち2例が急性, 6例が慢性経過を示し, 9から27ヵ月齢で死亡した. その他に, 石狩管内の健康乳幼児育成牛224頭を調べたところ, 1頭に非細胞病原生BVD・MDウイルスの持続感染牛を確認した.
    持続感染牛が確認された1農家の過去5年間の疫学調査で, 流産-持続感染-粘膜病-流産-持続感染と繰り返し疾病が発生し, 流産の多発時期と持続感染牛の胎児期の早期と一致した. 分離株は, ウサギ免疫血清 (抗No.12, 抗Nose, 抗十勝) と持続感染牛が確認された2農家の飼養牛血清の中和試験により, 既知のウイルス株と血清学的に異なることが示唆された.
  • 武辺 千秋, 山口 真誉, 太田 耕治, 菅原 恒彦, 附田 彰二, 松本 敦, 吉田 繁, 相馬 寛生
    1989 年 42 巻 5 号 p. 331-337
    発行日: 1989/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    昭和61年から62年の2年間にわたり, むつ管内を中心として青森県のヌカカ調査を実施してきたが, その結果, 本県で採集されたヌカカの種類は, 同定種16種, 未同定種4種が確認された. とくに, むつ管内では14~20種と県内でも種類の多い地域であった. 本県のヌカカ相は, ヨーロッパ, シベリアなどと共通する旧北区系の種類が多く認められたが, しかし, 同一県内にもかかわらずヌカカの種類や採集数は調査場所により異っていた. ヌカカの優占種を大きく地域的にわけると, 津軽・三八地方 (青森, 弘前, 木造, 八戸管内) はシナノヌカカ, ナミヌカカ, ミヤマヌカカに, 下北地方 (むつ管内) はホシヌカカ, エゾヌカカに区分され, 上十三地方はこれらの両者の中間的区分と考えられる.
    また, 2年間継続調査した東通村と大間町の成績をまとめて, むつ管内のヌカカ数と気温の相関を求めた結果, ホシヌカカなど6種類のヌカカに1あるいは5%の危険率で正の相関性に有意差を認め, 出現時の気温を推定することができた. すなわち, 当該地域ではおよそ平均気温16~17℃, 最高気温19~20℃, 最低気温13~14℃ で出現すると予測される. また, 出現気温から出現期間を推定すると, ホシヌカカが最も長く6月中・下旬から9月下旬から10月上旬, その他は6月中旬から9月中・下旬頃と推定され, 実際ヌカカ採集状況とほぼ一致するものであった.
  • 義澤 克彦, 御領 政信, 梅村 孝司, 林 隆敏
    1989 年 42 巻 5 号 p. 339-342
    発行日: 1989/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    4歳, 雄のジャーマン・シェパード犬が歩様蹌踉および腰部知覚過敏を示し, 予後不良として剖検された.
    剖検では, 左右上腕, 前腕および大腿骨の骨体部に主座した内・外骨膜性過剰骨増殖が認められた. 組織学的には, 密度さまざまの海綿状類骨ないし幼若骨が多中心性融合性に増殖し, 破骨細胞による骨吸収も共存した. 他臓器では, 上皮小体主細胞と甲状腺C細胞の腫大, および慢性フィラリア症による内臓および大脳病変が認められた.
    以上の所見から, 本症例は遅発性の汎骨炎と診断された.
  • 高野 徳孝, 千葉 達成, 佐藤 剛, 宇根 ユミ, 野村 靖夫
    1989 年 42 巻 5 号 p. 343-346
    発行日: 1989/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    呼吸困難を呈する5歳齢, 雄の雑種犬に遭遇し, 咽喉頭部と左頸部の腫瘤による気道狭窄を認めたので, この腫瘤を切除した. その後, 呼吸状態は改善されたが, 手術後7ヵ月目に再発, 11ヵ月後に再々発し, 呼吸不全により発死した.
    摘出腫瘤の病理組織学的検査により, 淡明類円形核と弱好酸性の細胞質をもつ腫瘍細胞が不規則胞巣状に増殖していること, 核分裂像も認められること, グリメリウス染色陽性細胞が見い出されることから, 悪性ケモデクトーマと診断された. なお, 頸部腫瘤はリンパ節への転移であった.
    本例は, 左頸動脈小体もしくは頸静脈小体が腫瘍化し, 咽喉頭部へ浸潤性あるいは転移性に増殖, 口腔内を占拠し, 呼吸および嚥下運動を著しく障害したものと考えられた.
  • 平 詔亨, 西川 洋昭, タサニー C
    1989 年 42 巻 5 号 p. 351-360
    発行日: 1989/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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