日本獣医師会雑誌
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42 巻, 7 号
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  • 梁川 良
    1989 年 42 巻 7 号 p. 455-461
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 深瀬 徹, 板垣 博
    1989 年 42 巻 7 号 p. 463-467
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    カルバメート系殺虫薬であるプロポクスルについて, 猫に奇生する不コノミに対する殺虫・駆除効果を検討した. 円形濾紙を敷いた直径9cmの腰高シャーレに, 10μg, 50μg, 100μg, 200μg, 400μgのプロポクスルを溶解したメタノールを滴下し, メタノールの蒸発後, ネコノミを5個体ずつ投入してノックダウン試験を実施した. 実験を4回行った結果, 供試ノミの由来によりノックダウン個体数に相違がみられたが, いずれの実験においても用量-反応関係が成立し, プロポクスルの良好な殺虫効果が確認された. 次いで, 1%(W/W) 散剤, 0.1%(W/W) シャンプー製剤, 9.4%(W/W) 首輪型製剤をそれぞれ5頭のネコノミ感染猫に対して使用したところ, いずれの製剤の場合にもノミは完全に駆除された. ただし, 製剤によって駆除効果の特徴が異なり, 散剤とシャンプー製剤は, 非常に即効的であったが, 残効性は認められなかった. いっぽう, 首輪型製剤は, 装着の直後にノミを完全に駆除することはできなかったが, 1カ月の実験期間中, ノミの寄生を予防することが可能であった. また, いずれの製剤の使用例でも, 本薬物による副作用はみられなかった. 以上の成績から, プロポスクルは猫に寄生するネコノミに対して優れた殺虫効果を有し, その駆除のためには, 散剤, シャンプー製剤, 首輪型製剤から選択して使用できると考えられた.
  • 原田 秀夫
    1989 年 42 巻 7 号 p. 469-475
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    正常卵巣のものおよび卵巣機能障害の乳牛について, 子宮頸管粘液の結晶像を中心とした実験を行った。
    正常性周期を繰り返している牛の頸管粘液塗抹標本には, 卵巣周期に応じてほぼ一定のパターンで結晶像が出現した。これはエストロジェン (E) とプロジェステロン (P) の比率によるものと考えられるが, 卵巣機能障害牛では正常牛のような一定のパターンは認められなかった。しかし, 正常牛の性周期中においてEとPの比率が変る時期には, 結晶像が微妙に変化し, その像はEとPが無統制に分泌されている卵巣機能障害牛に多くみられる像と類似していた。
    これらのことから, 頸管粘液の結晶像を7つの型に分類して, 野外材料の結晶像を解析したところ, 卵巣の機能面を推察するのに役立っ成績が得られた。
  • 角田 修男, 秋田 博章, 田上 正明, 尾形 重和, 大崎 和栄, 池田 充, 原 啓二, 佐藤 邦忠, 川口 擁, 岩間 克美
    1989 年 42 巻 7 号 p. 477-479
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    雌馬に性腺刺激ホルモン放出ホルモン類縁物質 (ブセレリン) を, 繁殖季節である3月から5月の期間に投与し, 発情持続時間・排卵・受胎成績などについて調べた.
    サラブレット種ならびに中半血種合計89頭にブセレリン0, 10, 20, ないしは40μgを発情開始後に投与した.
    発情徴候は試情により, 排卵は直腸検査によって確認し, 妊娠診断は超音波画像診断を併用した.
    1) 中半血種25頭に, ブセレリン10~40μgを投与し, 発情持続時間・排卵までの日数・交配回数を検討したが処置量間に有意差は認められなかった (P<0.05).
    2) サラブレット種56頭について, ブセレリン20μg投与から排卵までの日数 (平均値2.7日: 3.3日, 投与群: 対照群以下同じように記す), と交配回数 (1.0回: 1.2回) の改善に投与効果が認められた (P<0.05).
    3) 持続性発情馬に, ブセレリン20μ9を投与した結果4日以内に全例排卵し, うち3頭が1回交配で受胎した.
    以上のことから, 発情徴候発現後にブセレリン20μg投与により, 繁殖成績の向上が期待できると考える.
  • 平原 正, 安原 寿雄, 松井 修, 児玉 和夫, 中井 正久, 佐々木 文存
    1989 年 42 巻 7 号 p. 481-484
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1976年から1987年の12年間に, 日本各地の20道府県より集めた約1, 300例の豚血清について, 豚レオウイルスに対する中和抗体を測定した.
    その結果, 1型に対する陽性率は1カ月齢の60.2%から2ヵ月齢には15.4%へ低下したが, 3カ月齢には65.3%へ再び上昇し, 4ヵ月齢以後85%以上の高い陽性率を示した. 2型と3型に対する陽性率は概して低い値ながら1型と同一傾向で推移した. このことから, 豚群においては移行抗体の低下する2ヵ月齢頃レオウイルスが自然感染すると推察される. 年度別に見た陽性率は1型で64.3~98.9%(平均89.3%), 2型では15.0~72.7%(平均44%), 3型では20.0~70.6%(平均50.3%) で, 共に年度によりやや開きが見られた. 地域別の陽性率は, 1型で75.8~98.0%と最も高く, 地域による大差はなかった. しかし, 2型では30.3~54.8%, 3型では37.5~68.9%と低値で, 地域により, やや格差が見られた.
    以上の成績により, 日本の豚群にはレオウイルスが広く伝播し, 3血清型の中では1型に感染する率が高いことが明らかにされた.
  • 大谷 新太郎, 菅野 一敏, 石澤 成彦
    1989 年 42 巻 7 号 p. 485-489
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    暑熱環境が繁殖成績におよぼす影響を調べるために, ホルスタイン種乳牛延べ513頭について, 分娩月と毛色とが空胎日数に影響しているか統計的に検討した.
    7月に分娩した牛は, 4月に分娩した牛に比べ, 受胎までに要した授精回数が多かった. 8月に分娩した牛は, 4月・5月に分娩した牛に比べ, 空胎日数が長かった. 7月に分娩した牛において, 白い牛は黒い牛に比べ, 空胎日数が短かった. すなわち, 暑熱環境下では空胎日数が延長する可能性があり, 黒い牛でその傾向が強い.
  • 藤永 徹, 諏訪 隆彦, 成清 美智代, 奥村 正裕, 井上 久美子, 滝口 満喜, 村上 正晃, 田島 誉士, 水野 信哉, 大友 勘十郎
    1989 年 42 巻 7 号 p. 491-494
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    8歳の雄コリー犬の右肩前に発生した巨大な被包化血管肉腫について報告した. 本症例は剖検の約15カ月前から患部が軽度に腫脹し, 約2カ月前より腫脹が著明となり, 2週間前より一般症状が急速に悪化した. 腫瘍は肩甲骨前縁部の鎖骨筋下に小児頭大として認められ, 全体を棘上・棘下筋に密着した厚い被膜に覆われていた. 腫瘍は広範な壊死と多発した血栓・出血を伴う血管肉腫であったが, 他の臓器・組織に転移は認あられなかった.
  • 菅野 紘行, 余戸 庄作, 深瀬 徹, 茅根 士郎, 板垣 博
    1989 年 42 巻 7 号 p. 495-498
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1975年から1978年に愛媛県上浮穴郡において, 発咳を主症状とする犬4頭から肺吸虫卵を検出した. 虫卵は, 卵円形あるいは楕円形を呈し, 長径約75μm, 短径約45μmで, 短径の最大幅は虫卵の中央部付近に認められるものが多かった. 卵蓋の縦径は約4μm, 横径は約20μmであった. また, 卵殻の厚さは約1μmであり, 卵蓋反対側の卵殻に肥厚や小突起は認められなかった. 以上の形態学的特徴から, 本吸虫卵は宮崎肺吸虫卵と考えられ, この地方の犬における宮崎肺吸虫の蔓延が示唆された. 各症例犬に対してビオチノールを1日あたり50mg/kgずつ, 1日1回あるいは朝夕25mg/kgの2分服として5日間連続経口投与した結果, 全例において虫卵の排出が陰転し, 臨床症状の改善が認められた. また, 駆虫薬投与6年後に発死した1頭を剖検したが, 肺に肉眼的病変は観察されなかった.
  • 石津 協蔵, 渡辺 一博, 大石 弘司, 横山 亮一, 伊藤 英雄, 向井 寿輔, 滑川 祐司, 田林 宏一, 海治 修二郎, 青木 稔, ...
    1989 年 42 巻 7 号 p. 499-507
    発行日: 1989/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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