日本獣医師会雑誌
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44 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 深瀬 徹, 板垣 博
    1991 年44 巻1 号 p. 1-6
    発行日: 1991/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    種々の系統のイエバエ成虫に対する合成ピレスロイド系薬物シフルトリンの殺虫効果について検討した。供試イエバエは, 標準的な薬物感受性を有する高槻系, ピレスロイドおよび有機リン抵抗性の九州系と駒ケ根系, 有機リン抵抗性の夢の島87系の4系統である.各系統の3~5日齢の雌成虫を10個の台形六面体の網カゴ (上面ステンレス網部分: 30cm×30cm, 下面底部: 19cm×19cm, 深さ8cm) に30個体ずつ収容した.これらのうちの1個を無処置対照とし, 他の1個には水道水50ml/m2を噴霧した.また, 4個にはシフルトリン5%(w/w) 乳剤の125倍, 250倍, 500倍, 1000倍稀釈液を, 残りの4個にはシフルトリン5%乳剤と共力剤であるピペロニルブトキシドの1: 5 (有効成分量換算) の混合液の100倍, 200倍, 400倍, 800倍 (シフルトリン5%乳剤としては125倍, 250倍, 500倍, 1000倍) 稀釈液を, それぞれ50ml/m2ずつ噴霧した.その結果, 高槻系と夢の島87系に対しては, シフルトリンは単味とピペロニルブトキシド配合のいずれの場合にも即効的に作用し, ほぼ100%の殺虫効果を発揮した.いっぽう, ピレスロイド抵抗性の九州系と駒ヶ根系に対しては, シフルトリン単味での効果は低かつたが, ピペロニルブトキシドを配合することにより, イエバエのノックダウン率が上昇し, 蘇生数が減少することが認められた。
  • 新沼 伸吾, 池田 逸夫, 北島 克好, 中根 淑夫, 南 哲郎
    1991 年44 巻1 号 p. 7-10
    発行日: 1991/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    野外発症牛から新しく分離された小型ピロプラズマ原虫 (高原株) を入工感染させた牛の病態を摘脾牛 (2頭) と非摘脾牛 (1頭) を用いて臨床病理学的に検討した.
    摘脾牛では, 原虫寄生率が26.3および31.3%に達し, それに伴い重度の貧血症状と肝機能および腎機能障害が認められ, 貧血極期に1頭が死亡した.死亡牛では, 臨床病理学的性状のうち, とくに, 平均赤血球血色素濃度の低下と白血球数の著増およびGOT, GPT, LDHの著増と血糖値の激減が観察された.
    また, 非摘脾牛においても原虫寄生率は12.6%に達し, 摘脾牛と同様の貧血症状が観察された.貧血期においては生化学的性状にとくに変化は認められなかったが, シゾゴニー期にはGOTおよびLDHの増加が観察された.
    以上のことから, 今回分離された野外株原虫は, 摘脾牛のみならず非摘脾牛においても高度に増殖し, それによって感染牛は重度の貧血と肝機能および腎機能障害に陥ることが確認された.とくに, 死亡牛の病態として著しい肝機能の低下と白血球増多症および大球性低色素性貧血が確認された.また, 肝機能障害は急性貧血期のみでなくシゾゴニー期にも発現している可能性が示唆された.
  • 福安 嗣昭, THAVAJCHAI SAKPUARAM, 斎藤 慶子, 芦田 淨美
    1991 年44 巻1 号 p. 11-16
    発行日: 1991/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    と畜場搬入豚25頭および胸膜肺炎発症豚97頭の肺炎病巣からそれぞれ分離したActinobacillus(Haemophilus) pleuropneumoniae 104菌株および276菌株の血清型と薬剤感受性について検討した.
    と畜場豚25頭からの分離菌の血清型は, 2型21頭(84%), 1型2頭 (8%), 8型2頭 (8%)および9型1頭 (4%)であり, このうち1頭からは2型および8型菌が同時に分離された.また, 胸膜肺炎発症豚97頭由来菌株における血清型は2型が64頭(66.0%), 1型12頭(12.4%), 5型10頭 (10.3%), 7型7頭(7.2%), 3型3頭 (3.1%), 12型1頭(1.0%)であった.
    いっぽう, と畜場豚由来104菌株は供試した19薬剤に対して全て1峰性の最小発育阻止濃度 (MIC) 分布を示した. しかし, 胸膜肺炎由来株276株はそれの61.2%(169菌株)が供試薬剤のいずれかに対して耐性を示し, 血清型別では1型菌72.7%(40菌株/55菌株), 2型菌65.8%(121菌株/184菌株), 7型菌および12型菌では全菌株 (7菌株および1菌株) ともいずれかの薬剤に耐性であった. しかし, 3型菌および5型菌 (3菌株および26菌株) は全て1峰性のMIC分布を示した.血清型別に薬剤耐性型をみると, 1型菌からはSM・SAs耐性(40.0%)およびSM・SAs・TP・CP耐性 (22.5%) が, 2型菌ではSM・SAs耐性(83.5%), 7型菌ではSM・SAs・PCG・ABPC耐性 (85.7%), 12型菌ではSM・SAs・TP・CP耐性 (100%) といった多剤耐性菌が比較的高率に検出された.
  • 福冨 豊子, 大内 紀章, 奥田 宏健, 丸野 史郎, 田林 宏一
    1991 年44 巻1 号 p. 17-19
    発行日: 1991/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    アイノウイルスは, 1964年に長崎県でコガタアカイエカから初めて分離されたブニアウイルス属のシンブ血清群に属するアルボウイルスである.
    1974年にMIURAらが鹿児島・宮崎両県で発生した関節弯曲症・大脳欠損症 (AH症) を呈した異常子牛20例中2例にアイノウイルスの抗体保有を報告し, 1975年には, KUROGIらも同様に岡山および千葉県下でAH症の子牛を分娩した母牛にアイノウイルスの抗体を認めている.それ以来, 国内におけるアイノウイルスによると思われる異常産は, 沖縄県, 長崎県, 宮崎県 (篠原ら, 私信), 佐賀県, 山口県で8例報告されている.
    1989年3月末に, 著者らは岡山県においてアイノウイルス感染によると思われる異常産の初発生例に遭遇したことから, 本ウイルスの疫学的調査を実施した.
  • 吐山 豊秋
    1991 年44 巻1 号 p. 20-23
    発行日: 1991/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    産業動物に使用する動物用医薬品・飼料添加物の適正使用と薬剤残留防止の目的で情報提供システムを開発した.中心となる動薬ファイルでは各医薬品についてその名称, 物理・化学的性格, 薬力学, 家畜における体内動態製剤とその用法用量・効能・使用上の注意などの概括的情報が検索できるようにした.また化学構造をスクリーン上に提示できるようにした.
    使用規制などの関連情報については参照ファイルとして別途にデータベース化した.
  • 竹橋 史雄, 越前 欣久, 横井 宏禎, 西村 宣昭, 柵木 利昭, 川合 朗
    1991 年44 巻1 号 p. 30-34
    発行日: 1991/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肝臓に巨大な血管肉腫を認めた12歳の雌の雑種犬について, 肝葉切除術により腫瘍を摘出し, 術後長期間臨床経過を観察した.術前のX線検査, 超音波検査および吸引生検の検査成積から肝臓の悪性腫瘍を疑い, 手術実施の適否を判断した.術後の経過は良好であったが, 220日目に脾臓への転移を示唆する検査所見が認められ, 250日目に死亡した.
  • 青木 敦子, 徳丸 雅一, 板屋 民子, 斎藤 章暢
    1991 年44 巻1 号 p. 49-52
    発行日: 1991/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    埼玉県大宮と畜場でと殺された県内産の健康豚およびその枝肉から分離したYersinia enterocolitica血清型03 (生物型3および4) 131株, 05 (生物型1) 2株, 08 (生物型1) 2株, Y. intermedia 2株, Y. frederiksenii2株, およびY. kristensenii 1株の計140株について, フ.ラスミドの検出, カルシウム依存性, 自己凝集性, ピラジナミデース活性の各試験を実施し, 病原性の評価を行った.
    Y. enterocolitica 03は, 131株のうち111株 (84.7%) が, 病原プラスミドの保有, カルシウム依存性, 自己凝集性の3性状がすべて陽性の同一性状を示した.ピラジナミデース活性は, 128株 (97.7%) が陰性であった.
    Y. enterocolitica 03以外の9株では, Y. frederikseniiの1株のみが自己凝集性陽性であり, 他の株は病原性指標性状がすべて陰性であつた.
    これらの成績から, と畜場でと殺された健康な豚および枝肉から分離されるY. enterocolitica 03のほとんどは病原株であり, 枝肉の汚染は腸内容由来であると考えられた.
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