1985-1987年度の3年間に, 細菌性心内膜炎を呈する豚から分離されたレンサ球菌について血清群別および菌種の同定を行った.
心内膜炎の認められた豚183頭中86頭 (47.0%) から88株のレンサ球菌が分離された. 86例のうち, Lancefield血清群のC群が分離されたものが最も多く40例46.5%(
S. equisimilis 30,
S. dysgalactiae 3,
S.spp.7) を占め, 次いでD群24例27.9%(
S. suis II 14,
S.suis I 7,
S.spp. 3), その他22例25.6%であった. しかし, このC群およびD群の分離される割合を年度別にみると, C群は1985年度64.3%(9/14), 1986年度50.0%(21/42), 1987年度33.3%(10/30) と減少しているのに対し, D群はそれぞれ7.1%(1/14), 23.8%(10/42), 43.3%(13/30) と年々増加し, 1987年度にはC群よりも高率に分離された. D群のS. suis IIが人への感染性を有していることから, 公衆衛生上注目すべき所見である.
心内膜炎病巣の形成部位と分離菌株の血清群との関係を検討したところ, D群では83.3%(20/24) が左心に形成された例から分離されたのに対し, C群では35.0%(14/40) で, 両者間に差が認められた (P<0.01).
菌の体内分布では, D群は平均2.7ヵ所の臓器, リンパ節から分離され, しかも心内膜炎病巣部のみから分離された例が41.7%(10/24) もあったのに対し, C群は平均4.4カ所から分離され, 心内膜炎病巣部だけでなく体内に広く分布する傾向が認められた.
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