日本獣医師会雑誌
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44 巻, 4 号
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  • 出水田 昭弘, 安原 寿雄, 久保田 道雄, 吉木 研一, 平原 正, 児玉 和夫, 佐々木 文存
    1991 年44 巻4 号 p. 313-318
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ゲタウイルス (GV) 弱毒KB/VT株と強毒2078株を用い, 3日齢豚, 2~3ヵ月齢豚および妊娠豚に対する接種試験を行った.
    接種豚は, いずれも臨床的異常を示さなかった. ウイルス血症は強毒2078株接種豚では検出されたが, 弱毒KB/VT株接種豚では多量のウイルスを接種しても検出されなかった. また, 弱毒KB/VT株接種豚では肺, 脾臓およびリンパ節からウイルスが回収されたが, 2078株接種豚に比べるとその回収部位は極めて限局されており, 検出されたウイルス量も微量であつた. 回収されたウイルスを次代の3日齢豚に継代したところ, 接種豚からのウイルス回収は陰性であった.
    弱毒KB/VT株を接種された妊娠豚はいずれも正常分娩で, その産子の初乳吸飲前の血清中にはGVに対する抗体は検出されず胎子感染は認められなかつた.
    弱毒KB/VT株接種豚のHI抗体価を調べたところ, いずれの接種豚も良好な抗体応答を示した. これらの成績は弱毒KB/VT株が十分に弱毒されており, 豚用生ワクチンとして利用できることを示唆している.
  • 柿野 淳, 志村 統, 柿崎 正博, 牧 富男
    1991 年44 巻4 号 p. 319-323
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    新生子豚の尿路系尿酸塩結石症の成因を明らかにするため, 冬期の健康な新生子豚28頭と新生虚弱子豚21頭について検査した.
    臨床検査では新生虚弱子豚21頭中10頭に黄色下痢がみられた. 剖検では8頭に淡桃色微細顆粒状の結石が腎錐体, 腎乳頭に認められ, 5頭に腎臓の点状出血, 水腫, 肝臓の退色等の異常が認められた. 病理組織学的検査は肝臓, 腎臓, 胸骨髄脾臓について実施した. 結石は尿細管腔内に尿細管を閉ざすことなく認められ, 特殊染色 (Saint-Hilaire法) により結石は尿酸塩結石と確認した. しかし, 尿酸塩結石と病理組織学的異常との関連性は認められなかった.
    生化学的検査で新生虚弱子豚は血清アルブミンの低値, GOT, GPT, クレアチニン, BUN, 尿酸, 乳酸, 無機リンの高値がみられ, また生後1週間において血清総蛋白質および肝臓中ウリカーゼの低値が認められた.
    以上のことから, 新生虚弱子豚の尿路系尿酸塩結石は肝臓機能の低下, 肝臓中のウリカーゼの低値, アシドーシス, 腎臓機能の低下, 低栄養に伴う体蛋白の異化充進等新生子豚期特有の要因と下痢および寒冷感作等の悪条件が相互に関連し形成されるものと考えられた.
  • 蜂須 孝政, 井上 勇, 藤田 美恵, 佐藤 昌介, 大友 昌夫
    1991 年44 巻4 号 p. 324-327
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    新しく開発された抗コクシジウム剤diclazurilを用い, ブロイラー養鶏場での野外試験と当農場から分離したEimeria tenellaの薬剤感受性試験を実施し次の成績を得た.
    オーシストは, 0.125ppm添加群では少数排泄が認められたが, 0.25, 0.5および1ppm添加群では排泄が認められなかった. しかし, 薬剤対照のサリノマイシン50ppm添加群では, 14日齢からオーシスト排泄が始まり54日齢の出荷時まで持続した.
    54日齢の盲腸内オーシスト検査では, 0.125ppm添加群で6羽中1羽が陽性であったが数値が低いためOPGとしては算出できず, また他の供試薬群はすべて陰性であった.
    0.125ppm添加群から分離したオーシストについて胞子形成を観察したところ, その濃度において供試薬剤は胞子形成を阻害する作用のあることが認あられた.
    分離したE. tenellaを用い飼料添加物として使用されている7種の薬剤について実験室内での効力の比較試験を行ったところ, 7種の薬剤を使用した試験群からはいずれも盲腸からオーシストが検出されたが, 供試薬群 (0.5ppm) はオーシスト排泄が陰性ですぐれた抗コクシジウム効果が認められた.
  • 牧村 進, 松尾 修輔, 薄井 萬平, 片山 英美
    1991 年44 巻4 号 p. 328-332
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    牛の栄養状態のモニタリングのため, 高速液体クロマトグラフィー (HPLC) による牛血清中のレチノール, β-カロチン (β-C), α-トコフェロール (α-Toc) の同時定量法を先ず検討した. HPLCの条件は, カラムに逆相系Radialpak C18, 5μm, 8mm i.d.×10cm, 移動相にメタノール: クロロホルムを85: 15として使用し, 測定は流速2.0ml/分で前処理した試料20μlを注入し, UV305nmでレチノールとα-Tocを検出した後, 453nmに切り替え約10分で最終ピークのβ-Cを検出しほぼ満足できる分離結果を得た. 次いで, 本法を用いて飼養形態の異なった黒毛和種牛, すなわち本学附属牧場の繁殖用, 育成期, 肥育後期の各牛群および食肉センターに搬入された出荷肉用牛の血清中, さらに出荷肉用牛群の肝臓中の各ビタミン濃度を測定した. 血清中のレチノール濃度は出荷肉用群は他群に比べて有意に低くかった. 血清β-C濃度は出荷牛群と育成期牛群とも他の2群に比べて著しく低値であった.血清α-Toc濃度は繁殖牛群にくらべて他の3群は有意に低値であった. 出荷肉用牛群の肝臓中のレチノール貯蔵量は極度に低かった. また, 附属牧場牛の各群の血清α-Tocとβ-Cとの間に高い相関が見られた.
  • 1991 年44 巻4 号 p. 333-337
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 青木 忍, 天尾 弘実, 斎藤 徹, 斎藤 学, 高橋 和明, 多川 政弘
    1991 年44 巻4 号 p. 350-354
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    精巣摘出手術を腹部正中線・下腹部正中線・陰嚢の3ルートから行い, 手術時間・術後の臨床経過・術創の治癒状況を比較検討した. その結果, 時間的には陰嚢切開法が最も短時間で実施することができた. また, 術創の治癒状況に関しては, 陰嚢切開法の1例に陰嚢内漿液の貯留がみられた. しかし腹腔内の炎症や癒着はどの個体にも認められなかった. また, 下腹部正中線切開法では鞘状管を結紮し閉鎖することができたが, 他の2方法では開通したままであり, 術後の陰嚢ヘルニアの発生の危険性が考えられた.
    これらの点から総合的に判断し, 兎の精巣摘出手術法としては, 3ルートの中の下腹部正中線切開法が最も適した方法と思われた.
  • 新井 千加子, 村山 敦浩, 宇根 ユミ, 代田 欣二, MUTALE M. MUSONDA, 野村 靖夫
    1991 年44 巻4 号 p. 355-359
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    全身性アミロイドーシスの猫2例に致死的な肝臓破裂を認めた.
    剖検時, 両例とも腹部に外傷はなく, 高度の貧血, 黄疸がみられた. 腹腔内には大量の出血を認めた. 肝臓は著しく腫大, 脆弱化し, 各葉表面に多数の大きな包膜下血腫が認められ, 割面にも激しい実質内出血があった.
    組織学的には肝臓のデイッセ腔, 小葉間動脈および静脈壁や中心静脈壁にアミロイドの沈着を認めた. また, 被膜内や被膜下にも線状のアミロイド沈着を認めた. なお, 肝臓以外の臓器にもアミロイドの沈着がみられるものがあった.
    最初, 出血はアミロイド沈着による血管壁や実質の弾力性の低下によつて引き起こされた. その後被膜下血腫や実質内出血によって強度の落ちた被膜が引き伸ばされ, 被膜の破綻が肝臓破裂を引き起こし, 腹腔内出血を招来したと考えられた.
  • 1991 年44 巻4 号 p. 360-372
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/06/17
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  • 斎藤 章暢, 徳丸 雅一, 正木 宏幸, 板屋 民子, 青木 敦子
    1991 年44 巻4 号 p. 378-383
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    生乳からのListeria monocytogenes (L. m.) の検査法を比較検討するため, FDA法のenrichment broth (EB), VAN NETTENらのL-PALCAMY (L-PAL), MerckのListeria enrichment broth (LEB) の3増菌培地およびSLADEらのtwo-stage法 (2-st) による増菌とmodified McBride Listeria agar (MMA), LiCl phenylethanol Moxalactam agar (LPM), Oxford formulation (OX), PALCAM Listeria selective agar (PAL) の4分離培地を組み合わせて添加回収試験を行った.L. m. の増菌効果はL-PALが最も優れ, 接種時生乳中において102/ml以下のL. m. 菌数が24時間培養で107~108/mlに増加した. 分離培地は, 出現するL. m.菌数には差がなかったが, L. m.以外の細菌数, 集落のみやすさの点でMMA, LPMに比べOX, PALが優れていた. 埼玉県内の牛乳処理工場へ搬入された県内産生乳は5.3%(8/150) がListeria陽性であり, 4.0%(6/150) がL. m., 1.3%(2/150) がL. innocuaと同定された. L. m.の血清型はすべて1aであった.
  • 広島 由佳子, 島崎 秀雄, 宮尾 陽子, 本田 三緒子, 向島 雄, 吉田 義夫, MUTALE M. MUSONDA, 宇根 ユミ, 野 ...
    1991 年44 巻4 号 p. 384-386
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    繁殖用雑種雌豚にみられた好酸球性骨髄性白血病について病理学的検索を行った. 肉眼的には, 全身のリンパ節の腫大は軽度であったが高度の脾腫, 肝臓の脆弱化がみられ, 骨髄には骨融解性病巣が散見された. 腫瘍増殖部は緑色~黄緑白色調を呈していたが外気に暴露した後, 2時間以内で槌色した. と体残血塗抹, 腫瘍病巣押捺標本ではペルオキシターゼ陽性の好酸性顆粒を有する好酸球性前骨髄球および骨髄球が腫瘍化したとみられる分化型の腫瘍性細胞が多数観察された.
    組織的には, 肉眼的に緑色~黄緑白色調を呈した部分は大小様々の腫瘍細胞に置換されていた.
  • 1991 年44 巻4 号 p. 387-391
    発行日: 1991/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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