牛の壊死性腸炎の発生要因を知る目的で壊死性腸炎牛14頭, 各種の病牛37頭, さらに健康牛としてホルスタイン種107頭および黒毛和種81頭について,
Clostridium perfringensと大腸菌の保有状況を定量的に調べた. また, ホルスタイン種3頭および黒毛和種13頭について, 出生直後から80日齢までの期間,
C. perfringensの出現状況を経時的に調べた.
病牛37頭では60日齢以下の20頭中12頭から, また60日齢以上の17頭中12頭から,
C. perfringensは10
5-6cfu/g, 大腸菌は10
8cfu/gの程度に分離された.60日齢以下の正常糞便ではホルスタイン種は80%の分離率で平均菌数は10
5.9cfu/gであり, 黒毛和種は同19.3%, 10
5.2cfu/gであった. 大腸菌は全例の牛から10
6-8cfu/gの範囲で分離された.また, 経時的な検査では
C. perfringensは人工乳哺育のホルスタイン種子牛に多く出現したのに対し, 母乳哺育の黒毛和種では稀であった.
以上のことから, 60日齢以下のホルスタイン種の糞便における
C. perfringensの増殖は代用乳の給与によるものであろうということ, および大腸菌は如何なる病的状況の牛でも増加することが示唆された.
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