日本獣医師会雑誌
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44 巻, 8 号
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  • 早崎 峯夫
    1991 年 44 巻 8 号 p. 781-789
    発行日: 1991/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 早川 裕二, 小前 博文, 井出 久義, 中川 寿美, 山口 徹, 竹内 久平, 松本 忠幸
    1991 年 44 巻 8 号 p. 790-795
    発行日: 1991/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1989年3~4月にかけて, 石川県内の一貫経営農場でActinobacillus pleuropneumoniae (Ap) 感染症が発生した.
    2~3カ月齢の育成子豚170頭のうち50頭が1~2日の経過で呼吸困難喀血等の重篤な症状を呈し, そのうち18頭が死亡した
    剖検では, 本症に特徴的な胸水の貯留, および線維素性癒着が認められ, 組織学的には出血を伴う肺水腫がみられた. 酵素抗体法により病変部に一致してAp 1型抗原が検出され, 細菌検査で肺の病巣部からAp 1型菌が分離された.
    分離菌株はSM, OTC, CPおよびTPに低感受性で, プラスミドプロフィールから薬剤耐性プラスミドの保有が示唆された.
    発生農場の飼養豚におけるAp 1型菌に対する抗体陽性率は50.8%であったが, 県内の他23農場で飼養されていた豚313頭ではAp 1型菌に対する抗体陽性例は認められなかった.
    これらの所見から本疾病を予防するには, 薬剤感受性試験に基づいた投薬の実施とAp 1型菌を含んだ多価ワクチン開発の必要性が示唆された.
  • 木村 透, 小田原 保男, 飯田 九州男
    1991 年 44 巻 8 号 p. 796-801
    発行日: 1991/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    鶏の血液化学検査にドライケミストリーシステムを応用し, 測定成績の評価を試みた. 検査対象は13週齢の高千穂鶏 (雄5羽, 雌5羽) と8週齢のブロイラー (雄12羽, 雌9羽) である.
    検査項目は, 総たんぱく質 (TP), アルブミン (Alb), カリウム (K), 尿酸 (UA), 血液尿素窒素 (BUN), 総ビリルビン (T-Bil), グルコース (Glu), トリグリセライド (TG), 総コレステロール (T-CHO), トランスアミナーゼ (GOT, GPT), アルカリ性フォスファターゼ (ALP), 乳酸脱水素酵素 (LDH), γ-グルタミルトランスペプチダーゼ (γ-GTP), クレアチンフォスフォキナーゼ (CPK) およびアミラーゼ (Amy) の計16項目である.
    血液化学検査値について, 両鶏種間に大きな差はみられなかった. 鶏は哺乳動物に比べ, TPは低く, 逆にGluは高い値を示すことが確認された. また, UAは極めて高く, BUNは0.3Mg/dl以下であった. GPTとγ-GTPを除く他の血清酵素活性は非常に高く, 変動幅も大きかった. ドライケミストリーシステムによる各測定値の大部分は, 従来の方法による報告値と比較した場合, 大きな差異は認められなかった.
    以上の成績から, ドライケミストリーシステムは, 鶏の血液化学検査にもとりいれることは可能と判断された. 検査成績を正しく読み取るためには, さらに各種検査項目に対する正常値の集積が必要であると思われた.
  • 青野 逸志, 大澤 輝城, 家久 秀海
    1991 年 44 巻 8 号 p. 802-805
    発行日: 1991/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1989年9月, 3カ月齢の乳用雄子牛1頭が突然神経症状を呈し急死した. 剖検では, 大脳, 小脳, 延髄の軟膜に著しい出血がみられ, 病理組織検査では化膿性髄膜炎と他の各臓器の出血および化膿性変化がみられた. 細菌検査により, 脳, 肺からStreptococcus suisが分離されたため本菌による化膿性髄膜炎と診断した. 本株の血清型別検査では, 現在, 日本で型別可能な9種の型のどれにもあてはまらなかった.
  • 和田 尚子, 伊藤 英雄, 安芸 博
    1991 年 44 巻 8 号 p. 806-809
    発行日: 1991/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    腹腔内腫瘍と不受胎のため廃用となった乳牛において, 腹腔内および肺の各所リンパ節に顆粒膜細胞腫の転移がみられた症例に遭遇した. 剖検時に卵巣は見出せなかったが, 病理組織学的検査によって顆粒膜細胞腫の卵胞型と診断した.
    また, 血中エストロジェン濃度は著しく高い値を示しており, 特にエストロン (E1) が高かった.
  • 1991 年 44 巻 8 号 p. 810-819
    発行日: 1991/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 44 巻 8 号 p. 820-825
    発行日: 1991/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 梶山 松生, 中元 緑
    1991 年 44 巻 8 号 p. 829-831
    発行日: 1991/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    猫の小腸に寄生する壺形吸虫Phayngostomum cordatum Diesing, 1850の形態と疫学について多くの研究報告はみられるが, 本吸虫の固有宿主内での成虫の生存期間に関する報告は内外ともにまだみられない.
    生後30日の本吸虫未感染猫2匹 (日本在来種, 同胎, 雄, 去勢) に, 野外で採取したトノサマガエルの股部筋肉から回収した壺形吸虫のメタセルカリア261個と207個を各々経口投与して, 糞便内の虫卵数 (E. P. G.) の推移を長期間観察した. その結果, prepatent periodは毎日の直接塗抹法によりそれぞれ15日と16日であった. その後, およそ10日毎のE. P. G.は両者とも感染後30日から71日までが最も多く, その後は急激に減少して, 両者とも261日虫卵が全くで検出されなくなった. この時点で実験猫は安楽死させ剖検した結果, 腸内に虫体を検出することができなかった. このことから本吸虫の成虫の生存期間は245日 (約8カ月) と考えられた.
  • 村瀬 敏之, 後藤 郁男, 前出 吉光
    1991 年 44 巻 8 号 p. 832-836
    発行日: 1991/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1990年4月から5月に, 北海道宮島沼において18羽のハクチョウならびに80羽のマガンが鉛散弾の摂取による鉛中毒のたあに衰弱, あるいは死亡して発見された. それらのうち27羽のマガン, 4羽のオオハクチョウおよび2羽のコハクチョウについてdisodium calcium ethylenediaminetetraacetate (Ca-EDTA) を用いて治療を行った. 初診時の血中鉛濃度は, ハクチョウで3.2~8.0μg/ml (平均4.6), マガンでは0.4~23.0μg/ml (平均5.6) であった. すべてのハクチョウにおいて4~40個 (平均17) の, マガンでは22羽において1~48個 (平均10.5) の鉛粒が胃内に認められた. 治療により血中鉛濃度は1週間で初診時の約1/2から1/5に低下した. マガン27羽中11羽が3~8週間で回復した. 治療による食欲の回復とともに, 鉛粒はすみやかに溶解し, 17~52日目にX線上から消失した.
    いっぽう, 残り16羽のマガンならびに全てのハクチョウでは治療とともに血中鉛濃度は低下したものの, 食欲の回復を認めず4週間以内に死亡した.
  • 1991 年 44 巻 8 号 p. 837-840
    発行日: 1991/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 久保 勝己, 辻本 光広, 竪山 浩三, 堂田 勲臣
    1991 年 44 巻 8 号 p. 845-850
    発行日: 1991/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1972~1989年の18年間で, 大阪市食肉衛生検査所において豚丹毒と診断されて全部廃棄された豚は458頭, そのうち敗血症型は13頭, 蕁麻疹型は310頭および心内膜炎型は135頭であった. これらの豚の豚丹毒菌の体内分布状況を調べたところ, 肝より38%, 腎より65%, 脾より54%および内側腸骨リンパ節より33%の割合で豚丹毒菌が検出された. 筋肉からは, 調べた222頭中124頭 (56%) より豚丹毒菌が分離された.
    薬剤に対する感受性を115株について調べた結果, ストレプトマイシン, テトラサイクリンに対して耐性の株がそれぞれ24株 (21%), 7株 (6%) 認められた.
  • 仲真 晶子, 小久保 彌太郎, 飯田 孝, 梅木 富士郎, 丸山 務
    1991 年 44 巻 8 号 p. 851-855
    発行日: 1991/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    食品中のListeria属菌の有無を簡易迅速に検査する目的で, 市販ナチュラルチーズと食肉を対象に市販キットによるDNAプローブ法の応用を試み, その成績を従来の培養法と比較した. この結果, ナチュラルチーズ56例中DNAプローブ法では22例 (39.3%), 培養法では24例 (42.9%) が陽性であった. また, 食肉50例中DNAプローブ法で増菌培地にUVM-2培地を用いた場合は36例 (72.0%), EB培地を用いた場合は34例 (68.0%), 培養法では39例 (78.0%) が陽性であった. さらに, 培養法でL. monocytogenesが検出された検体の約85%がDNAプローブ法でも陽性を示した. このように, DNAプローブ法の成績は培養法と比較して有意差はなく, 検査開始後3日間で判定が可能であり, 手技も熟練を要しないことからListeria属菌の日常検査法として有用であると考えられた.
  • 1991 年 44 巻 8 号 p. 856-858
    発行日: 1991/08/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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