日本獣医師会雑誌
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45 巻, 12 号
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  • 真田 靖幸, 野田 寛, 永幡 肇
    1992 年45 巻12 号 p. 915-918
    発行日: 1992/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    子馬のRhodococcus equi (R. equi) 自然感染に対する早期診断を確立するたあELISA法を応用することを検討した.急性細菌感染が疑われた247頭中149頭 (60.3%) の血清は, R.equiに対して抗体陽性反応を示した.肺炎, 腸炎および関節炎を呈した子馬の抗体陽性率はそれぞれ77.5%, 53.2%および30.6%であった.肺炎と腸炎の複合型を呈していた4頭の子馬血清はすべて抗体陽性反応を示した.性および品種間で抗体陽性率に有意な差は認あられなかった.急性炎症が疑われた60頭の子馬血清を用いてELISA法とAGID法の比較を行った.各子馬血清のELISA OD値は, AGID反応強度と有意な相関性 (γ=0.86, p<0.01) が認められた.
    このことから, 野外におけるR. equi感染症の診断としてELISA法はAGID法よりも有用な方法であることが確認された.
  • 山下 秀之, 平井 潤思, 渡邊 史朗, 井田 孝司, 佐々木 實, 宮本 栄作
    1992 年45 巻12 号 p. 919-923
    発行日: 1992/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1985年1月10日頃から, 広島県下の黒毛和種繁殖牛27頭, 子牛16頭を飼養する農家において, 子牛が発熱, 発咳, 鼻漏および悪臭をともなった水様性の激しい下痢を呈し, 次いで下痢便は粘液と血液を混じた. 一部の病牛は排糞および排尿困難, 脱水状態となった.子牛全頭が発病し, このうち重症であった4および5カ月齢の子牛4頭が死亡した. 剖検所見では病変は主に消化管にみられた. 腸管漿膜面には点状出血ないし充出血が認められ, 内容物は血様であった.病理組織学的検査では, 軟口蓋, 舌, 食道および胃粘膜に充出血, 糜爛および壊死が観察された. 腸管では粘膜上皮細胞の剥離と固有層における軽度の細胞浸潤, および懐死性の肥厚が著明であった.ウイルス学的検査では4頭の鼻汁および下痢便, 4カ月齢の死亡子牛の肺, 肝臓, 心臓, 脾臓, 直腸および顎下リンパ節, 5カ月齢の死亡子牛の脳, 肺, 肝臓, 心臓, 脾臓および腎臓から細胞病原性牛ウイルス性下痢-粘膜病 (BVD-MD) カイルスが分離された.4カ月齢の死亡子牛の脾臓および5ヵ月齢の死亡子牛の腎臓から非細胞病原性BVD-MDウイルスが分離された. 細胞病原性BVD-MDウイルスのNose株に対する県内飼育牛の抗体保有状況は, 1981年49%, 1988年49%, 1991年64%, であった.
  • 野呂 明弘, 原澤 育代, 樋口 克治, 中島 信明, 斉藤 友喜, 苫米地 達生
    1992 年45 巻12 号 p. 924-926
    発行日: 1992/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    手根関節部の腫脹が認められ, 骨関節症と考えられた肉用牛1症例の臨床生化学所見の観察を実施した結果, 臨床症状がみられた発症時の7週前から4週前に血清過酸化脂質濃度の著しい増加が認められた.症例牛の生体内抗酸化因子である血清スーパーオキシドジスムターゼ, 血清グルタチオンペルオキンダーゼ活性および血清セレニウム濃度は観察期間中に大きな変動はみられなかったが, 血清トコフェロール (α-Toc) 濃度は発症以前に減少が認められた. このことは, 症例牛において生体内局所で組織障害が発生したたあ過酸化物が増加し, その抑制のためにα-Tocが大量に動員, 消費されたものと考えられる.
  • 納 敏, 麻生 節子, 柳尾 和広, 一条 茂
    1992 年45 巻12 号 p. 927-929
    発行日: 1992/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    分娩数日前の軽種馬に対してビタミンE1,000mgを1回または5日間隔で2ないし3回筋肉内に投与し, 分娩後の胎盤排泄時間に及ぼす効果を検討した.ビタミンE非投与例では, 血清トコフェロール値300μg/100ml以上例のうち胎盤排泄時間が60分以上を要した例が11.1%であったのに対し, 300μg/100ml以下例では33.3%と多数にみられた. ビタミンE投与例では, 血清トコフェロール値300μg/100ml以下例で全例が60分以内に胎盤が自然排泄し, ビタミンE非投与例に対して有意 (p<0.05) な効果がみられた. いっぽう, 供試馬の血清セレニウムと血液グルタチオンペルオキシダーゼ活性は正常値を示し, かっ胎盤排泄時間との関連がみられなかった.
  • 高橋 一二, 佐藤 基佳, 宮原 和郎, 広瀬 恒夫
    1992 年45 巻12 号 p. 930-932
    発行日: 1992/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    乳牛の創傷性疾患に対する根本的な予防対策は, 乳牛にマグネットを投与することに加えて, 乳牛が飼養されている環境から金属異物を一掃することであると考え, 金属異物着磁回収装置を2酪農家の採草地および牛舎周辺に対して応用し, 金属異物の存在状況について検索した.いずれの場所からも創傷性疾患の原因となり得る金属異物が多数回収された.また, 新築牛舎に対する応用成績では, 酪農家による清掃後にもかかわらず, 工事に際して落下した著しい数の鋭利な金属異物が回収された.以上のことから, 乳牛飼養環境には創傷性疾患の原因となり得る金属異物が多数存在し, これら金属異物の回収には金属異物着磁回収装置の応用が非常に有効であることが明らかとなった.
  • 田浦 保穂, 鈴木 敏之, 中間 實徳, 宇地原 務, 川手 憲俊, 元永 博次
    1992 年45 巻12 号 p. 933-935
    発行日: 1992/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    尿石症による膀胱破裂で搬入された6カ月齢の黒毛和種去勢雄牛に, 応急手術としてプラスチック注射器により作製した膀胱-皮膚フィステルを装着し, 良好な結果が得られた.症例は血中尿素窒素が137.3mg/dl, 血漿クレァチニンが11.5mg/dlと高く, 尿毒症状態にあった.直ちに右側臥保定の鼠径部切開により局所麻酔下で開腹手術した. 術式は先端を斜めに切断した12mlのプラスチック注射器でフィステルを作り, 破裂孔から膀胱内に落とし込み, 破裂部を閉鎖縫合後, 傍正中線を小切皮しフィステルの先端を膀胱から腹膜, 筋層, 皮膚の順に体外に誘導し, その先に25mlの注射器で作ったツバをつけ, 注射針で十字に固定した.術後2日で尿毒症は改善され1年経過後も再発はないことから, 本法は膀胱破裂の1救急処置として有用と考えられた.
  • 草地 恒太, 千葉 直樹
    1992 年45 巻12 号 p. 943-947
    発行日: 1992/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1981年から1983年の間, 埼玉県東部において犬パルボウイルス感染症の突発的流行を認めた. ワクチン接種の普及にともないこの流行は衰えた.この疾病には性差による感受性は認あられなかった. また, 犬の年齢に関係なく感染し, 飼育場所が室内であるか否かの著明な差も認めなかった. アジュバント加不活化CPVワクチン接種により犬はCPV感染症から守られ, 弱毒化CPVワクチンは不活化ワクチンに比較しより強い免疫反応をおこさせた.
  • 伊藤 直之, 伊藤 さや子
    1992 年45 巻12 号 p. 948-949
    発行日: 1992/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    カバーグラスを利用した犬好中球の分離に及ぼす抗凝固剤の影響について, 10頭の臨床的に健康な犬を用いて検討した.
    その結果, エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム (EDTA・2Na) あるいはフッ化ナトリウムを用いた場合にはカバーグラス面への好中球の付着が認あられなかった.また, ヘパリンナトリウムを用いた場合には分離された生存好中球数は抗凝固剤を使用しない場合に比較して有意に少なかったが, 定性的機能検査に用いるのには十分な数であると思われた.ヘパリン加血は他の血液検査にも使用できることから, 犬好中球の分離に実用的であると思われる.
  • 伊藤 直之, 伊藤 さや子
    1992 年45 巻12 号 p. 950-952
    発行日: 1992/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Babesia gibsoni感染症における血清鉄, 不飽和鉄結合能 (UIBC) および総鉄結合能 (TIBC) を自然感染犬8例について治療前と治療後に検査し, 非感染犬15例の値と比較した. 治療前において血清鉄値は非感染犬に比較して有意に (p<0.001) 上昇しており, UIBCは有意に (p<0.001) 低下していたが, 治療後はいずれも非感染犬の値にほぼ一致していた. いっぽう, TIBCには有意な変化は認められなかった.このことから, 血清鉄の測定は溶血および造血状態の把握や治療効果の評価に有益であることが示唆された.
  • 北川 均, 佐々木 栄英, 鬼頭 克也, 竹橋 史雄, 牧 秀雄, 松井 昭秀, 草野 健一, 古田 哲也
    1992 年45 巻12 号 p. 953-955
    発行日: 1992/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    一般家庭またはブリーダーで飼育されているラフコリー16例, シェルティ40例, ベアデッドコリー3例の計59例について, ミルベマイシンオキシムの犬糸状虫寄生予防用量 (0.25mg/kg以上) を6月から11月まで1ヵ月間隔で6回経口投与し本剤の安全性と予防効果を検討した.初回投薬後58例では異常を認あなかったが, ラフコリー1例で投薬直後から約1時間流涎を認めた.2回目以降6回目までの投薬では全例で異常症状を認めなかった.投薬翌年4月の検査では, 末梢血ミクロフィラリアは前年陽性であった4例も含めて全例で陰性であった.本剤は犬糸状虫寄生予防を目的とした投与量であればコリー種の犬にも安全に使用できるように考えられた.
  • 森田 幸雄, 荒木 妙子, 浅見 成志, 下田 雅昭, 松本 寿男, 亀田 三男, 栗原 貯
    1992 年45 巻12 号 p. 961-964
    発行日: 1992/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    豚肉および鶏肉に残留するバシトラシン (BC) の蛍光検出器付き高速液体クロマトグラフィー (HPLC) による定量法を検討した.筋肉中のBCは33%ピリジン水溶液で抽出後, その抽出液はメタノールで除蛋白した.除蛋白液はさらに3mlまで濃縮したものをInertsil ODS-2 (6mm I.D.×125mm) を装着したHPLCに注入した.40%メタノール水溶液の移動相でBCを分別し, 蛍光検出 (EX 270nm, EM 350nm) により定量した.豚肉および鶏肉に1g当たりBCを0.5u添加したものの回収率はそれぞれ84%, 81%であり, 検出限界値は0.0375u/mlであった.
    BCの天然蛍光を利用する本法は, と畜検査における豚肉および食鳥検査における鶏肉のBC残留モニタリング検査法として有用であると思われた.
  • 三浦 博司, 安孫子 千恵子, 池田 雅之, 下田 雅昭, 増田 千佳, 相川 勝弘, 山本 丹, 森川 伸昭, 玉得 吉信, 岩隈 和久, ...
    1992 年45 巻12 号 p. 965-970
    発行日: 1992/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1991年度の食肉衛生技術研修会が, 厚生省生活衛生局乳肉衛生課の主催により, 1992年2月3日~5日の3日間, 国立公衆衛生院で開催され, 各都道府県・政令市の食肉衛生業務担当者が参加した.
    今回の研究発表は各県の食肉衛生検査所等から提出された24題とあわせて「我が国の食肉衛生のあり方」, 「農林水産省における動物用医薬品残留対策とオーエスキー病予防対策」等の特別講演もも行われた.
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