同一農家において乳房炎罹患牛 (症例No.1, 2, 3) と対照牛群の血清脂質, α-トコフェロール (α-Toc), セレニウム (Se) 濃度および関連酵素の動態を乾乳期から泌乳期にかけて観察した.症例No.1, 2の血清α-Toc濃度は対照牛群に比較して乾乳期に低値がみられ, 特にその傾向は症例No.2で顕著に認められた.
血清Se濃度は症例No.1の乾乳期に低値がみられ, 血液グルタチオンペルオキシダーゼ活性の減少も認あられた血清SOD活性は対照牛群と比較して症例No.1, 2, 3ともに観察期間中活性の減少が認められたが, SODの構成微量元素である血清銅, 亜鉛濃度は乳房炎罹患牛と対照牛群との間に差はみられなかった.
また, 症例No.1, 2では血清総胆汁酸濃度は大きな差はみられなかったが, 乾乳期での血清総コレステロール濃度の低値, 血清リン脂質/総コレステロール比の高値が示された.
これらのことから, 症例No.1, 2は乾乳期での採食量減少等から血清α-Toc, Se濃度が低値となり, 乳腺細胞膜における膜安定化を損なう誘因となったものと考えられた.
抄録全体を表示