日本獣医師会雑誌
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45 巻, 5 号
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  • 中出 哲也, 小谷 忠生, 安藤 由章, 沼田 芳明, 内田 佳子
    1992 年45 巻5 号 p. 305-311
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    X線検査で蹄葉炎と診断した3頭の蹄葉炎馬の罹患蹄である右前肢3蹄, 非罹患蹄と診断した右後肢3蹄と他の3頭の馬の非罹患蹄と診断した左前後肢6蹄, 計12蹄について走査電顕および光学顕微鏡で観察した.
    正常蹄の所見では蹄壁移行部, 蹄壁中央部および蹄尖部では1次表皮葉および2次表皮葉はその形態, 配列性および嵌合性が規則的であった.
    異常蹄の所見では蹄壁移行部において表皮葉と真皮葉との嵌合の不正が認められた.蹄壁中央部および蹄尖部では両葉の嵌合の不正と角質内層の肥厚が観察され, さらに表皮葉の長さと太さの不整および屈曲蛇行がみられた.2次表皮葉は不明瞭で, 蹄芽原線維の形成不全ないしは無形成が認められた.
    光顕による観察では真皮葉内の静脈の拡張および小ないし最小動脈壁の水腫性膨化, 有棘層の増殖肥厚と水腫および有棘層細胞中にケラトヒアリン顆粒の存在がみられた.
  • 宇留野 勝好, 柴田 勲, 鮫ヶ井 靖雄, 西村 雅明, 大田 峻二
    1992 年45 巻5 号 p. 312-316
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    糖蛋白gIII (gIII) およびチミジンキナーゼ (TK) 遺伝子欠損オーエスキー病ウイルス生ワクチン (米国ファーメンタ・アニマル・ヘルス社製) の豚における免疫能について検討した.免疫試験では, オーエスキー病ウイルス (ADV) 抗体陰性の3日齢豚16頭にワクチン1, 10-1または10-2ドースを, またADV抗体陰性の4週齢豚4頭に1ドースを筋肉内接種し, 3日齢豚では接種後11日目に, また4週齢豚では接種後3週目にそれぞれ強毒オーエスキー病ウイルス (山形S81株105.4および106.2TCID50) で鼻腔内接種し攻撃した.免疫発現時期を検討する試験では, ADV抗体陰性の3日齢豚12頭にワクチン1ドースを筋肉内接種し, ワクチン接種後4, 7, 10および14日目にそれぞれワクチン接種豚3頭および対照豚3頭を, 強毒ウイルス (山形S81株105.0-105.3TCID50) で鼻腔内接種し攻撃した.
    その結果, 本ワクチンは3日齢および4週齢豚において安全であり, 強毒ウイルスの攻撃による発症を防御すること, またワクチン接種した3日齢豚ではワクチン接種後4-7日目から発症を抑える免疫効果が発現することが明らかにされた.
  • 岩渕 功, 桐岡 寛司
    1992 年45 巻5 号 p. 317-319
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    過去のクリプトスポリジウム (Cr) 感染の一端を知る目的で, 1977年と1978年に採材された200羽の採卵用育成鶏のファブリキウス嚢を組織学的に検索した.その結果, 検索例の5%にCr感染が認められた.以上の成績から, Crは日本の鶏に古くから, しかも比較的多く蔓延していることが示唆された.
    また, Cr寄生を認めたほとんどの症例のファブリキウス嚢は組織学的に伝染性ファブリキウス嚢病様病変を有していたことから, 両者の相関性が示唆された.
  • 上村 俊一, 榎元 勝治, 坂本 紘, 浜名 克己
    1992 年45 巻5 号 p. 320-322
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    妊娠末期の腹壁ヘルニアを伴った黒毛和種に対しプロスタグランジンF2α (PGF2α) による分娩誘起を試み, 分娩後の子宮修復を超音波断層装置によって観察した.
    症例は5産目で左腹壁に30×40cm大のヘルニアがあり, 内容は腸管であった.PGF2α25mgを筋肉内投与後28時間で乳房の肥大と外陰部の腫大が認められ, 49時間後に24kgの雌子牛が娩出された.分娩中は腹圧によるヘルニア嚢の拡張や陣痛微弱もなく, 正常分娩であった.胎盤停滞が認められ, 10日後に自然排出され, 悪露の排出も17日後には停止した.分娩後17日目には初回排卵があり, 超音波診断による子宮の修復も順調なことから, PGF2α は腹壁ヘルニア牛の分娩を安全に誘起できることが判明した.
  • 東 勇三, 松尾 憙道, 陳 秉躍
    1992 年45 巻5 号 p. 324-327
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    3歳齢の雌, 雑種猫が食欲廃絶, 元気沈衰で来院した.
    初診時, 呼吸速迫, 皮膚菲薄, 胸前より前肢にかけての冷性浮腫および腹腔内に小児手拳大の腫瘍を認めた.開腹手術により腫瘍を摘出した.この時, 先天性単腎を認め, 左腎臓は無形成で腫瘍は周辺臓器と癒着せず, 他に異常は認められなかった.
    術後良好に経過していたが, 第296病日目に元気沈衰, 食欲廃絶で再来院した.この時初診時同様に, 腹腔内に手拳大の腫瘍を触知したので開腹手術による摘出を試みたが術中に死亡した.剖検にて背部腹膜に主座した手拳大の腫瘍, さらに大網膜, 腸間膜, 横隔膜, 右腎臓被膜への腫瘍の播種性転移を認めた.腫瘤は病理組織学的に顆粒膜細胞腫と診断された.
  • 河内 咲夫
    1992 年45 巻5 号 p. 328-331
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 1992 年45 巻5 号 p. 332-337
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 森田 幸雄, 中曽根 由かり, 荒木 妙子, 福田 二三男, 松本 寿男, 栗原 貯, 松本 尚武, 飯塚 義之
    1992 年45 巻5 号 p. 339-343
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    畜産物中に残留する12種類のサルファ剤の高速液体クロマトグラフィー (HPLC) による定量法を検討した.12種類のサルファ剤は, スルファグアニシン (SGD), スルファジアジン (SDZ), スルファセタミド (SCA), スルファメラジン (SMR), スルファジミジン (SDD), スルファメトキシピリダジン (SMPD), スルファクロロピリダジン (SCPZ), スルファメトキサゾール (SMZ), スルフイソキサゾール (SIX), スルファジメトキシン (SDMX), スルファモノメトキシン (SMMX) とスルフイソミジン (SID) であり, 畜産物は豚筋肉・肝臓・尿・血清・腎臓, 鶏肉・鶏卵および牛乳である.
    検体はトリクロロ酢酸で除蛋白処理し, 次にクロロホルムによりサルファ剤を抽出する. 抽出された検体はオルトフタルアルデヒドと反応させ, イナートシルC-8を装置したHPLCで測定した.
    サルファ剤は溶離条件が0.1%酢酸水溶液とアセトニトリルにおいて解離し, 蛍光検出 (励起波長285nm, 蛍光波長445nm) により検出した.
    サルファ剤を畜産物に1g (ml) 当たり100ng添加後の回収率は70.0~168.0%を示していた. 検出限界値はSMPDで2ng/ml, SIXとSCPDで1ng/ml, 他の薬剤は0.1ng/mlであった. HPLCを用いて分取されたSDDとSDMXの溶出ピークは, 酵素免疫学的検出法に反応した.
    豚を用いたSDDの投与実験では, 豚筋肉のSDD残留量は尿からの検出量の約10%量を示した. よって, 尿中のSDDを測定することは豚筋肉中のSDDの残留量を推定する指標となることが判明した.
  • 作井 睦子, 森田 謙一, 大藤 進, 石下 真通
    1992 年45 巻5 号 p. 344-347
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1986年12月から1987年12月までに北海道帯広食肉検査事務所で検査された輸入牛3, 864頭中94頭 (2.4%) の肺, 肝臓, 腎臓, 脾臓に単包虫 (Echinococcus granulosus) のシストを認めた.その他の臓器にはシストは認められなかった.感染牛は, 全てオーストラリアからの輸入牛で肉用種であった.シストの臓器における発生は肺が多く, 肝臓の約1.6倍, 腎臓, 膵臓の28.3倍の発生率であった.シストの臓器別発生個数は肝臓が最も多く, 次で肺であった.腎臓, 脾臓は単発であった.大きさは, 肺, 脾臓では大きく, 肝臓, 腎臓では小さい傾向がみられた.肺包虫の1例に繁殖胞と多数の原頭節を認めたが, その他は全て無頭包虫であった.クチクラ層の厚さは2.5μmから400μmまで, 胚層の厚さは2.5μmから12.5μmまでさまざまであったが, これまでの報告のものに比べて未熟であった.現在, 北海道では同属異種の多包虫が全道に拡がりをみせ, 212市町村のうち158市町村 (75.5%) で発生が確認され, と畜検査でも多数の豚と2例の馬から検出されている.今回, さらに輸入牛ではあるが, 多数の単包虫例が十勝地方に確認されたことはその土着, 流行蔓延防止からも今後注意されるべき疾病であろうと思われる.
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