日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
46 巻, 4 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 佐藤 七七朗
    1993 年 46 巻 4 号 p. 289-293
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 榊原 弘之, 工藤 秀男, 清水 清, 鈴木 達行
    1993 年 46 巻 4 号 p. 295-297
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肥育され過肥状態にある黒毛和種53頭について豚下垂体前葉性卵胞刺激ホルモン (FSH-P) の28mgあるいは15mgを減量投与する過剰排卵処置を施したところ, 回収卵数と移植可能胚数は前者ではそれぞれ6.0±3.6個 (mean±SD) と2.8±2.1個であったのに対し, 後者ではそれぞれ9.9±6.1個と7.8±5.2個となり, 後者でともに有意に多い (P<0.05) 成績が得られた.FSH-P 28mg投与群では回収により胚の得られなかったものおよび移植可能胚の得られなかったものが7/41頭 (17%), 13/41頭 (32%) であった.これに対しFSH-P 15mg投与群では回収により胚の得られなかったものはなく, 12頭全頭 (100%) から移植可能胚が得られた.また, FSH-P 28mgと15mg投与群における回収卵数に対する移植可能胚数の割合はそれぞれ46%(113/246) と79%(94/119) であり, ホルモン投与量の少ない後者で有意に高い (P<0.05) 成績が得られた.これらの結果から, 過肥の黒毛和種牛ではホルモンの投与量を低減することにより過剰排卵効果の高まることが明かになった.
  • 中尾 継幸, 川本 真知子, 上村 俊一, 浜名 克己
    1993 年 46 巻 4 号 p. 298-301
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    子牛の鎖肛17例の発生状況, 臨床所見, 肛門形成術, 予後, 病理解剖所見について検討した.鎖肛の発生は先天異常子牛の2%弱と希であり, 臨床的には元気消失, 尿生殖器からの少量の糞便排出, 腹部膨満, 骨格系異常などが特徴であった.X線造影による直腸閉鎖部位の確定は困難であった.無処置10例中7例は10日以内に死亡したが, 2例は膣からの排便が可能で長期に生存した.肛門形成術を実施した7例はその後1~68日延命したが, 虚弱や発育不良を伴い根本的治療とはならなかった.病理解剖では雌9例中7例に直腸膣痩が, 雄8例中4例に直腸尿道痩が認められた.その他, 内臓や骨格系異常の併発例もあった.
  • 青野 逸志, 北田 範次郎, 林 正紘, 虎谷 卓哉, 渡辺 喜正, 門田 耕一, 石野 清之
    1993 年 46 巻 4 号 p. 302-306
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    濾胞様増殖を示す牛のリンパ腫の2症例を免疫組織化学的に検討した.症例1は牛白血病ウイルス (BLV) 抗体陽性で, 末梢血は高度の白血性変化を示した.組織学的には脾臓とリンパ節で腫瘍細胞が巨大な濾胞様構造を示し増殖していた.症例2はBLV抗体陰性で, 白血球百分比において末梢血のリンパ球が軽度に増加していた.腫瘍細胞は脾臓とリンパ節で症例1よりやや小型の濾胞様構造を示し増殖していた.両例の腫瘍細胞は中細胞型のリンパ様細胞であった.電子顕微鏡的観察では, 腫瘍細胞の核は症例1では卵円形, 症例2ではcleavedの形態を示した.免疫組織化学的観察では両例の腫瘍細胞の細胞質内からはIgM, IgGおよびIgAは検出できなかった.濾胞様構造内の樹状細網細胞は減数していた.これらの所見から腫瘍細胞は胚中心細胞由来と考えられた.
  • 北野 良夫, 古川 雅浩, 岡野 良一, 桑水 郁朗, 永吉 勝, 福山 孝人
    1993 年 46 巻 4 号 p. 307-310
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    種雄牛候補として育成されていた発育良好な7ヵ月齢の子牛が発熱, 呼吸器症状, 鼓脹症を呈し死亡した.病理解剖では膀胱の潰瘍および穿孔と重度の腹膜炎がみられた.組織学的には膀胱の潰瘍その周囲での壊死, 好中球, マクロファージの浸潤, 結合組織の増生, 血栓形成などが見られた.膀胱および肝包膜の病巣部には多数の真菌菌糸が確認され, 抗アスペルギルス血清で陽性を示した.また, 肝臓脾臓, 肺からA. fumigatusが分離された.濃厚飼料多給, 輸送のストレス, 導入直後のワクチン接種ならびに抗生物質の連用が発症の誘因と考えられた.
  • 1993 年 46 巻 4 号 p. 311-315
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 首藤 健一, 本田 充, 大関 好明, 信永 利馬
    1993 年 46 巻 4 号 p. 321-325
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    虫卵陽性犬41頭を用いミルベマイシン・オキシム顆粒の投薬による駆虫効果を試みた.投薬量は予め設定した0.1g/kgおよび0.2g/kgで, 投薬後, 全供試犬の排泄虫体数, 虫卵陰転率, 残存虫体数および経時的な一般健康状態さらに投薬前, 後の血液学的変動を調べた.その結果, 駆虫効果は単種寄生犬において, 犬鞭虫および犬鉤虫寄生犬では投薬1日後から4日の間に虫体を排泄し虫卵は次第に減少あるいは陰転し, 残存虫体はほとんど認められなかったが, 投薬量0.29/kgの方が投薬量0.19/kgに比べ効果のあることが認められた.いっぽう, 犬回虫寄生犬では投薬量に関わりなく投薬1日後から3日の間に虫体を排泄し虫卵は陰転し, 残存虫体は全くみられず著効が認められた.なお, 複合寄生例でも投薬後単種寄生のそれと酷似した虫体の排泄状況を示したことから, 単種寄生と類似した効果を示すことが認められた.なお, 全供試犬中14頭はミクロフィラリア陽性犬であったが, 投薬4日後には全陽性犬の約86%は陰転した.また, 投薬前, 後における血液学的変動は個体により異なったが, 犬鞭虫, 犬鉤虫や犬回虫の単種寄生および複合寄生による差異は認められず, ほぼ生理学的変動の範囲内であった.また, 投薬後, 供試犬の一般健康状態などに異常は認められなかった.
  • 富澤 舜
    1993 年 46 巻 4 号 p. 326-330
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    犬・猫に対する大腿骨頸骨切除術において頸部切除後, 大腿骨頸切断面を股関節包で被覆し, 大腿骨頭靭帯を切断面上外側面に固定, さらに腸腰筋腱部を大腿二頭筋腱膜部に縫着する, いわゆる膜性股関節形成術を考案し小型犬および猫に応用した.
    その結果, 本法は従来の術式に比べて著しく早期に歩行が改善され, 跛行が消失し, 患肢の短縮や大腿骨の外旋位変形が認められないなどきわめて良好な成績が得られた.
  • 原 久雄, 鈴木 勝士, 本好 茂一
    1993 年 46 巻 4 号 p. 331-334
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    関東地区におけるコリー眼異常について1969年~1972年に220頭, 1987年~1991年に50頭を調査した結果, その発現率は87.7%および88.0%で両調査に差はなかった.頻度分布では後の調査において評価の高い重症例の発現に有意な減少がみられ遺伝的淘汰が行われた結果と思われるが, 現在もわが国に本症が浸透していることが示唆された.
  • 1993 年 46 巻 4 号 p. 335-339
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 水谷 浩志, 佐藤 博行, 鈴木 輝康, 飯田 孝, 丸山 務
    1993 年 46 巻 4 号 p. 343-346
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    と畜場に搬入された牛30頭, 豚30頭, および解体処理施設の作業環境について, リステリアによる枝肉の汚染実態とその汚染源の調査を行った.26.7%の牛, 13.3%の豚でL.monocytogenesによる枝肉の汚染がみられた.本菌は, 同じ個体の体表面および腸内容物からは検出されなかった.解体処理室での設備, 器材の作業前, 作業中のL.monocytogenesの検査成績は牛処理室で6.1%, 8.2%, 豚処理室で14.6%と12.5%であった.以上のように解体処理施設からすでに作業前に菌が分離され, L.monocytogenesによる枝肉汚染は解体処理施設が汚染源として重要であることが示唆された.
  • 1993 年 46 巻 4 号 p. 347-352
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
feedback
Top