虫卵陽性犬41頭を用いミルベマイシン・オキシム顆粒の投薬による駆虫効果を試みた.投薬量は予め設定した0.1g/kgおよび0.2g/kgで, 投薬後, 全供試犬の排泄虫体数, 虫卵陰転率, 残存虫体数および経時的な一般健康状態さらに投薬前, 後の血液学的変動を調べた.その結果, 駆虫効果は単種寄生犬において, 犬鞭虫および犬鉤虫寄生犬では投薬1日後から4日の間に虫体を排泄し虫卵は次第に減少あるいは陰転し, 残存虫体はほとんど認められなかったが, 投薬量0.29/kgの方が投薬量0.19/kgに比べ効果のあることが認められた.いっぽう, 犬回虫寄生犬では投薬量に関わりなく投薬1日後から3日の間に虫体を排泄し虫卵は陰転し, 残存虫体は全くみられず著効が認められた.なお, 複合寄生例でも投薬後単種寄生のそれと酷似した虫体の排泄状況を示したことから, 単種寄生と類似した効果を示すことが認められた.なお, 全供試犬中14頭はミクロフィラリア陽性犬であったが, 投薬4日後には全陽性犬の約86%は陰転した.また, 投薬前, 後における血液学的変動は個体により異なったが, 犬鞭虫, 犬鉤虫や犬回虫の単種寄生および複合寄生による差異は認められず, ほぼ生理学的変動の範囲内であった.また, 投薬後, 供試犬の一般健康状態などに異常は認められなかった.
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