Babesia gibsoni原虫を感染赤血球から確実に検出する方法を開発し, 慢性経過犬の血液について検討した.
血液 (EDTA-2K処理) を遠心して上清を捨て, 残った赤血球に生理食塩液を10倍量加えて浮遊させた. 次いで, 赤血球浮遊液を注射筒に取り3μmのミリポアフィルターを通過させて溶血させ, この溶血液を遠心・洗浄して沈渣を集めた. 沈渣をスライドグラスに塗抹してギムザ染色を施して顕微鏡で観察したところ,
B. gibsoni原虫のみが検出できた. 治療後血液塗抹ギムザ染色標本で赤血球1000個中に原虫が認められなくなった犬の血液1, 2, 5m
lで検討した結果, いずれの血液からも原虫が検出され, 本法は慢性
B. gibsoni感染病の簡易診断法として有効であることが示唆された.
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