日本獣医師会雑誌
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47 巻, 12 号
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  • 高井 光, 早川 裕二, 新谷 英一, 小前 博文, 吉田 幸雄, 井出 久義, 阿部 玄立, 沢田 拓士
    1994 年 47 巻 12 号 p. 923-927
    発行日: 1994/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1990年7月, 石川県内で七面鳥6羽が元気消失, 流涙, 眼瞼部腫脹, 上眼瞼下腫瘤形成を呈して, 2羽が死亡した.病変部からはPasteurella multocida subsp.multocidaが分離され, 病理組織学的に眼瞼病変部に細菌塊をともなう壊死巣, 肉芽腫性炎を認めた.分離されたP.multocidaの莢膜抗原はCarterのA型, 菌体抗原はHeddlestonの1型と同定され, 波岡のO-5型に一致した.分離菌の107個を静脈内あるいは眼窩内接種された各3羽の七面鳥はそれぞれ3羽あるいは2羽が死亡し, 109個の菌を静脈内接種された3羽の鶏は全例死亡した.また, 眼窩内接種された七面鳥で野外例と同様の病変を確認した.本症例はわが国における初めての七面鳥のP.multocida感染症と思われる.
  • 阿部 晋子, 脇元 弘史, 岡本 嘉六, 輿水 馨, 布谷 鉄夫, 八木橋 武
    1994 年 47 巻 12 号 p. 928-932
    発行日: 1994/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    南九州地方で広く飼育されている外見的に健康な地鶏 (Gallus gallus var.douestiyus) 43羽の各部位からマイコプラズマの分離を試みたところ, 結膜 (6/15: 40%), 鼻腔 (5/16: 31.3%), 咽喉頭 (32/43: 74.4%), 気管 (8/21: 38.1%), 気嚢 (1/9: 11.1%), 総排泄腔 (5/9: 55.6%) から分離され, 卵管5例は陰性であった.分離株は生物学的および血清学的性状から, Acholeplasma laidlawii (6株), Ureaplasma gallorale (6株), Mycoplasma gallinarum (26株), M.ners (1株), M.gallisepticum (9株), M.synoviae (2株), M.pullorum (18株), M.glycophilum (1株) と同定され, 残り25株は同定不能であった.分離 M.gallisepticumを気管内に接種されたSPF白色レグホンには気嚢炎および気管炎が認められた.
  • 北野 良夫, 武石 秀一, 牧野田 勝志, 山下 静馬, 春口 真一
    1994 年 47 巻 12 号 p. 933-936
    発行日: 1994/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1991年3月, 大分県と鹿児島県の黒毛和種繁殖牛飼養農家で, 2頭の新生子牛が起立不能, 震せん, 後弓反張などの神経症状を示した.頭蓋骨が肥厚して頭蓋腔が狭小化し, 大脳および小脳は正常の約1/3の大きさで, 大脳髄質には粟粒大の白色病巣が認められ, 軽度の側脳室拡張がみられた.小脳固有構造は消失していた。組織学的に大脳に線虫虫体および虫道が検出され, 周囲は好酸球およびリンパ球の浸潤をともなう肉芽組織の形成がみられた.検出された虫体の形態的特徴は, Setaria marshalliのそれに酷似し, 胎内感染・迷入により中枢神経系の発育不全が生じたと考えられた.
  • 田中 信明, 宇田川 公章, 引田 仁郎
    1994 年 47 巻 12 号 p. 937-939
    発行日: 1994/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    母豚20頭を飼養する繁殖経営農家において, 47頭の子豚 (40~60日齢) に灰緑色から黒色の水溶泥状下痢が発生し, そのうち33頭 (70.2%) が発症後約3週間以内に死亡した.発症豚2頭について病性鑑定を実施した結果Salmonella Choleraesuisによる豚のサルモネラ症と診断した.残りの発症豚14頭について, 分離株に対して有効な薬剤 (エンロフロキサシン) による治療と畜舎環境の消毒を実施したところ約2カ月後に病気は終息した.分離されたSalmonella Choleraesuisはいずれの株も多剤耐性を示し, その多くが50kbのプラスミドと180kbの伝達性Rプラスミドを保有していた.
  • 織 順一, 山口 徹, 佐々 泰則, 小宮 愛泉
    1994 年 47 巻 12 号 p. 945-948
    発行日: 1994/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    犬と猫の進行した角膜疾患をともなった16症例 (角膜潰瘍4例, デスメ膜瘤5例, 角膜穿孔5例, 外傷性角膜破裂2例) に対し外科的治療法として小茎球結膜弁移植術を適用した.その結果, 3例で早期に角膜縫合が抜けたり, 結膜弁の剥離がおこったが, それらを含あた全例において角膜の治癒は良好に推移し, 結膜弁を移植した領域以外の角膜は混濁もなく透明であった.完全に正常角膜となったデスメ膜瘤の1例を除いた全例に, 移植片の大きさに比例したサイズの療痕組織が残存した.
  • 大木 正行
    1994 年 47 巻 12 号 p. 955-957
    発行日: 1994/12/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    人のアマニタきのこ中毒のモデルとしてドクツルタケを経口的に投与したビーグル犬について病理学的所見を検索した.投与後48時において回腸終末部に限局した出血性腸炎がみられ, 肝臓および腎臓の細胞には重篤な変性壊死などの病変が認められた.
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