子豚における
Actinobacillus pleuropneumoniae1型の保菌状況, 抗体価の推移および臓器中抗生剤濃度について検討した.
Actinobacillus pleuropneumoniae1型による豚胸膜肺炎発生農場における調査で, 本菌に対する補体結合抗体を保有する母豚の産子では, 本菌は10日齢以降気管から分離されたが, 抗体を保有しない母豚の産子の気管からは分離されなかった. また移行抗体は40日齢以降検出されなくなり, 肺病変は46日齢で初めて認められた. 以上の成績から, 本菌は保菌母豚より哺乳早期に子豚に感染し, 移行抗体の消失後, 各種ストレスが誘因となって発症に至るものと推察された. なお, 供試豚には抗生剤が投与されていたが, 気管を含め臓器中の濃度は本菌の最小発育阻止濃度以下であった.
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