日本獣医師会雑誌
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50 巻, 6 号
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  • 野川 真, 石川 俊幸, 宮崎 茂, 須藤 庸子, 佐藤 亘, 種市 淳, 小林 正人
    1997 年 50 巻 6 号 p. 321-326
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1996年3月, 5戸の農家で同一ロットのオーストラリア産オーツヘイを給与されていた牛およびめん羊が, 全身の筋の振頭, 後弓反張, 遊泳運動等の神経症状, 血液アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ (AST), クレアチニンキナーゼ (CK) の増加を呈して相次いで死亡した. 剖検では肝の腫脹退色がみられ, 病理組織学的に肝脂肪変性, 大脳白質浮腫が認められた. 給与乾草中に一年生ライグラスの混入 (10.3~15.2%) が認められ, その種子部からコリネトキシンが検出された. 当該乾草を給与された試験牛は野外例同様の神経症状, 血液生化学的・病理解剖・組織学的所見を示した.
  • 鈴木 博, 谷口 稔明, 小川 富男, 七里 茂美, 橋崎 文隆
    1997 年 50 巻 6 号 p. 327-332
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    発症後2~3日で死亡した動物園のハゴロモヅル1羽とタンチョウ4羽の肝臓・脾臓に針頭大~粟粒大白色壊死巣の多発, 出血をともなう偽膜性壊死性炎が認められた. 組織学的には, 肝臓・脾臓に凝固壊死巣, 小腸粘膜に出血・潰瘍をともなう壊死巣がみられ, 好酸性あるいは好塩基性核内封入体が肝細胞, 胆管上皮細胞, 肝血管内皮細胞, 筋胃・小腸の分泌腺細胞, 末梢神経細胞, シュワン細胞, 腎尿管上皮細胞および血管内皮細胞などにみられた. 電顕では, 肝細胞などの核内および細胞質内に径36~72nmのコアを有する径100~145nmのヌクレオカプシドが多数観察された. これらの所見から, 本症例はヘルペスウイルス感染によるツルの封入体病と考えられた.
  • 佐藤 繁, 今野 清勝, 小野 秀弥, 鈴木 利行
    1997 年 50 巻 6 号 p. 333-336
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    分娩予定前5週あるいは3週にセレニウム・ビタミンE合剤 (E-SE) を1回筋肉内投与 (Se 25mg, VE 680IU) された乳牛について, 分娩前後の好中球ニトロブルー・テトラゾリウム (NBT) 還元能とリンパ球幼若化能の推移を観察した. 分娩前5週投与牛では, 分娩日から分娩後3週まで, 好中球NBT還元能は無投与対照牛に比べ有意な高値を示し, 分娩日におけるリンパ球幼若化能は分娩前3週投与牛および対照牛に比較して高値を示した. このように, 分娩予定前5週の乳牛に対するE-SE投与が, 好中球NBT還元能とリンパ球幼若化能の分娩日における低下を軽減することが示された.
  • 阿久沢 正夫, 冨宿 誠吾, 出口 栄三郎, 坂本 紘, 岡本 嘉六, 杉村 崇明
    1997 年 50 巻 6 号 p. 337-340
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    L. icterohaemorrhagiae (LW), L. autumnalis (LA), L. hebdomadis (LB), L. australis (LC) の各死菌を含む人用レプトスピラワクチンを2~3ヵ月齢の犬に投与後, 抗体価の推移をLWとL. canicola (LU) 死菌を含む犬用ワクチン投与犬を対照として観察した. いずれのワクチン投与後もLW, LA, LB, LCに対する抗体価は80%以上の犬で上昇した. 人用および犬用ワクチン投与後, 両ワクチン共通のLWに対する抗体価が上昇した犬は同率であった. 投与犬のすべてにおいて血清化学的に異常は認められなかった.
  • 安藤 純, 澤田 努, 永田 雅彦
    1997 年 50 巻 6 号 p. 341-343
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    26頭飼育のキャテリーにおいて14頭に発疹が認められ, 全頭からMicrosporum canisが分離された. イトラコナゾール経口投与とクロルヘキシジンシャンプーによる薬浴を全頭に行い, 各室間の移動を禁止し, 掃除機による徹底的な清掃, クロルヘキシジン消毒, 抗菌スプレーの散布を行つたところ, 3週後に発疹は消退し, 14週以降はマッケンジーブラシ法による真菌培養陰性となった. しかし, 集塵器を用いた真菌培養を全頭について実施したところ, 26頭中4頭が陽性を示したので, 陽性猫を隔離し, 全身勇毛とともに同様の治療を継続したところ, 治療開始後20週以降真菌培養は陰性となった.
  • 山岸 聡美, 渡辺 喜正, 戸村 英則, 関根 貴司, 御村 宗人, 飯島 雄二, 藤井 光行
    1997 年 50 巻 6 号 p. 345-348
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    家庭で飼育され, 虚脱状態となり死亡したチンチラ (Family Chinchillidae) の主要臓器と小腸内容からSalmonella Enteritidisが分離された. 病理学的には, 壊死性腸炎, 肝臓の巣状壊死, 脾臓小血管・腎糸球体における多発性血栓, 髄膜炎および左眼の汎眼球炎等が認められ, 免疫組織化学的に病変部および腎臓・心臓の細菌塊にサルモネラ抗原が検出された.
  • 宮本 譲
    1997 年 50 巻 6 号 p. 356-357
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 小澤 義博
    1997 年 50 巻 6 号 p. 359-364
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • John W. Krebs, Tara W. Strine, Jean S. Smith, Donald L. Noah, Charles ...
    1997 年 50 巻 6 号 p. 365-367
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1995年に, 49州, コロンビア特別区, および自治領プエルトリコから, 疾病予防センターに対し, 動物の狂犬病症例7, 877件, 人間の狂犬病症例4件の報告がなされた. 全症例のうち, 92%近く (7, 247件) が野生動物で, 8%(630件) が家畜の症例であった. 報告された症例の総数は, 1994年の8, 230件から4.2%減少した. この減少は大部分, 北東部地域のアライグマの狂犬病報告症例が17.1%減少したことによる. この地域での狂犬病は現在, 同種動物間流行というより地域的流行となっている. 報告症例が例外的に増大している地域は, 狂犬病ウイルスが最近になってアライグマに入り込んだ地域, あるいは同種動物間流行が持続している地域である. この狂犬病ウイルス変異株に関連した同種動物間流行が増大した州 (狂犬病症例総数) は, メイン州 (1993年の3件から1995年には101件), ノースカロライナ州 (1990年の9件から1995年には466件), ロードアイランド州 (1993年の1件から1995年には324件), ヴァーモント州 (1993年の45件から1995年には179件) である. 狂犬病ウイルスのアライグマ変異株が現在見られるのは, アラバマ州, ペンシルヴェニア州, ヴァーモント州, ウェストヴァージニア州およびフロリダ州からメイン州にわたる大西洋岸諸州である. オハイオ州ではアライグマ変異株が1992年に1症例で発見されて以来みられなかったが, 1996年に再び発見されている.テキサス州中西部におけるキツネの狂犬病とテキサス州南部における犬とコヨーテの狂犬病の同種動物間流行は犬変異株によるもので, なお持続している. テキサス州で1995年に報告されたのは, キツネの狂犬病137件, 犬の狂犬病55件およびコヨーテの狂犬病80件 (全国では83件) である. コウモリの狂犬病の件数 (787) は25%近く増加し, 陸続きの48州中47州で報告されている. 全国の狂犬病の報告件数は牛136件 (前年比22.5%増), 猫288件 (同7.9%増), 犬146件 (同4.6%減) である. 猫は家畜の中では引き続き狂犬病症例の報告が最も多い動物であった. 人間について報告された狂犬病の症例はすべてコウモリに関連したウイルス変異株によるものであった. 18州と自治領プエルトリコで1995年に動物の狂犬病の減少が報告された. 1994年に減少が報告されていたのは, 28州とコロンビア特別区であった. 1995年に狂犬病の症例報告がなかったのはハワイ州だけである.
  • 池澤 聖明, 磯部 芳郎, 稲垣 秀晃, 漆畑 憲二, 小峰 直之, 清水 宏子, 須田 沖夫, 富沢 舜, 増田 敬三, 山下 征洋
    1997 年 50 巻 6 号 p. 367-371
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2011/06/17
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