黒毛和種の肥育前期にビタミンAD
3Eの飼料添加あるいは筋肉注射を行い, 血液生化学的成分, 増体量および枝肉形質の相関を検討した.肥育5カ月目のビタミン飼料添加区の血清レチノール値 (61.7±9, 0μg/d
l) は, 無添加雌区, 対照区ならびにビタミン注射区より高かった. 血清レチノール値と増体量の間には, 肥育前期では正の, 肥育中期では負の相関があった (r=0.431, r=-0.459; p<0.05). 血清甲状腺ホルモン値 (T
4, T
3) は肥育の進行にともない低下傾向を示したが, ビタミン投与による一定の影響はみられなかった. 一方, 肥育前期の血清T
3値と増体量の問には正の相関が得られた (r=0.462, p<0.05). 肥育中期の血清レチノール値と枝肉のBMSおよびBCSの間には負の相関が得られ, 肥育後期の血清T
3値とBMSおよびBCSとの間には有意な負の相関が認められた (p<0.05).
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