全身吸入麻酔した犬88頭について, 自発呼吸 (SV) あるいは間欠的陽圧換気 (IPPV) 状態における終末呼気炭酸ガス分圧 (ETCO
2) と動脈血炭酸ガス分圧 (PaCO
2) を比較した. IPPVでは, ETCO
2とPaCO
2は強く相関し (r=0.909, p<0.0001, n=45), その差は3.8±2.2mmHgであった. 呼吸数40回/分未満のSVでも PaCO
2とETCO
2の間に強い相関 (r=0.914, p<0.0001, n=100) が認められ, その差は5.8±3.8mmHgであったが, 呼吸数の増加および側臥位ではPaCO
2とETCO
2の差は大きくなった. 以上の成績から, 全身吸入麻酔下の犬において重度の炭酸ガス血症を回避するためには, ETCO
2を50mmHg以下に維持すべきことが示唆された.
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