日本獣医師会雑誌
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53 巻, 7 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 小峯 健一, 黒石 智誠, 浅井 健一, 小峯 優美子, 貝 健三, 阿部 榮, 板垣 昌志, 齊藤 博水, 熊谷 勝男
    2000 年 53 巻 7 号 p. 435-440
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    乳牛の臨床上健康な乳房68例および臨床型乳房炎罹患乳房101例の乳汁から, 黄色ブドウ球菌 (S.aureus) およびコアグラーゼ陰性ブドウ球菌 (CNS) の分離を行った. さらに, 分離した各ブドウ球菌の腸管毒素 (SEs: SEA, SEB, SEC, SEDおよびSEE) と毒素性ショック症候群毒素-1 (TSST-1) の産生能を測定した. その結果, (1) 健康牛乳汁からも慢性乳房炎牛乳汁と大差のない高頻度でS.aureusとCNSが分離されること, (2) 分離したS.aureusとCNSはいずれも高率にSEsとTSST-1を産生すること, (3) 乳汁中に検出される毒素性物質である, ブドウ球菌の産生する腸管毒素の中で, SECが重度な乳房炎症状を示す乳房で高率かつ高濃度に産生されていることが判明した. 以上の成績から, 乳牛におけるブドウ球菌性乳房炎は, 潜在性乳房炎から臨床型乳房炎へ移行する例が多いが, これには感染ブドウ球菌の産生するSECが深く関与している可能性が示唆された.
  • 岡田 宗典, 林 洋一, 浅井 鉄夫, 柴田 勲, 平井 秀敏, 阪野 哲也, 佐藤 静夫
    2000 年 53 巻 7 号 p. 441-445
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    全国の豚群におけるMycoplasma hyopueumouiaeの汚染状況を把握するために, 日本各地の525養豚場から集めた18, 995例の豚血清についてM. hyopueumoniaeに対する抗体の保有状況を補体結合反応を用いて調査した. その結果, 養豚場における抗体陽性率は96.0%であった. また, 18, 995検体中8, 324検体 (43.8%) が抗体陽性であり, 6カ月齢以上の豚の抗体陽性率は63.9%であった.未経産豚では59.5%が抗体を保有していたが, その後産次を重ねるにつれて陽性率は低下した. 抗体陽性率および抗体価の季節的, 地域的変動は認められなかった. 以上のことから, わが国の豚群は.M. hyopneumoniaeにより依然として広く汚染されていることが示唆された.
  • 佐藤 勝哉, 庄山 剛史, 池町 安雅, 中西 運悦, 旭 節夫, 赤地 重宏, 山内 桂子, 東山 陽子, 小畑 晴美, 山中 進吾, 谷 ...
    2000 年 53 巻 7 号 p. 446-450
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    元気消失, 食欲不振, 下痢を呈したレースバト2羽と元気消失のみを呈した1羽が病性鑑定に供された. 剖検では2羽に顕著な腹膜炎が認められた. 病理組織学的には, 2羽のファブリキウス嚢 (F嚢) においてリンパ球の著しい消失と細網細胞の増生を伴ったリンパ濾胞の萎縮, 細網細胞およびマクロファージの細胞質内にブドウの房状の好塩基性封入体が多数観察された. また漿膜炎病巣の浸潤マクロファージの細胞質内にはクラミジア封入体が認められた. 2羽のF嚢の好塩基性封入体の透過電子顕微鏡検査では, ハトのサーコウイルス感染症を起こすウイルスにきわめて類似した直径約15nmのウイルス粒子の結晶状配列が観察された. 以上の成績から本症例はサーコウイルスとクラミジアの混合感染によることが確認され, 本邦におけるハトサーコウイルスの存在が示唆された.
  • 加藤 信正, 御手 洗善郎, 松井 望, 高島 久幸, 平井 良夫, 小見 邦雄, 中川 英紀, 原 普, 佐藤 英喜, 亀山 衛, 安部 ...
    2000 年 53 巻 7 号 p. 451-461
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 坂本 吉正, 安藤 博文, 小林 国男, 松下 博治, 鈴木 立雄, 鈴木 嘉彦, 中谷 壽男
    2000 年 53 巻 7 号 p. 463-468
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    乳酸加リンゲル液 (LR) と酢酸加リンゲル液 (AR) を, 犬肝流入血行遮断時に投与し, 40分間肝虚血と再灌流30分後の影響を検討した. LR群では虚血と再灌流により嫌気的代謝とアシドーシスが進行したが, AR群では有意差はないものの改善傾向がみられ, 肝臓以外の組織でも代謝されうるARがアルカリ化剤として機能したと考えられた. ケトン体の動脈血濃度はLR群では肝虚血で激減し動静脈較差もなくなったが, AR群では動脈血ケトン体濃度は低下せず, 較差も維持されて末梢組織でケトン体が利用されていることを示した. また, AR群では腎静脈血ケトン体濃度が動脈血濃度を上回り, 腎臓でのケトン体産生の可能性を示した. 再灌流30分後の肝臓1g当たりのATP+1/2ADPはAR群が有意に高値で, ARによる末梢組織での代謝改善が, 再灌流後の肝臓への負荷を軽減したと推測でき, 肝虚血時の輸液剤としてARが有用と考えられた.
  • 若松 勲, 竹中 雅彦
    2000 年 53 巻 7 号 p. 469-471
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    皮膚の広範な脱毛・色素沈着と両側性潜在精巣をもち, 尿中エストロジェン増加を伴う9歳のダックスフンドの腹腔内に17×15×13cmの腫瘤を認め, 病理組織学的にセミノーマと診断された. 腫瘤摘出後, 著しい貧血が認められたが, 球状赤血球および網状赤血球の出現, 白血球数の増加, 血小板の存在と溶血などから, 免疫介在性溶血性貧血を発症したと考えられた.
  • 後藤 公吉, 渡 昭博, 瀬ノロ 芳文, 春口 真一, 増田 高志, 塚本 定三, 小沼 博隆, 品川 邦汎
    2000 年 53 巻 7 号 p. 473-477
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    わが国の対米輸出食肉用と畜場では米国農務省規則の改正により, サルモネラのモニタリングを行うことが義務づけられた.このサルモネラの検査法は, 米国農務省の食品安全検査局 (FSIS) により検出感度97%以上, 検出特異性96%以上の方法であることが規定されている.今回, サルモネラの検査として, わが国で通常行われている食品衛生検査指針に示されている方法 (食衛法) とFSISの方法 (FSIS法) について比較検討した.その結果, 硫化水素 (H2S) 産生サルモネラの検出では食衛法はFSIS法と同等の成績であった.しかしH2S非産生サルモネラでは食衛法はFSIS法に比べ明らかに低い検出率であった.
  • 山崎 省二
    2000 年 53 巻 7 号 p. 481
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • John W. Krebs, Jean S. Smith, Charles E. Rupprecht, James E Childs
    2000 年 53 巻 7 号 p. 491-494
    発行日: 2000/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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