レーザー免疫比ろう法を原理とする犬専用C-反応性蛋白 (CRP) 測定法を用いて, 健常犬207頭および各種疾患犬442頭の血漿CRP値を測定した. その結果, 本測定法によるCRP値のカットオフ値は1.0mg/d
lであり, また今回の成績の範囲では健常犬の品種, 年齢および性別によるCRP値に差は認められなかった. 疾患犬の初診時におけるCRP値は, 全身性の各種急性感染症, 免疫介在性またはアレルギー性疾患, 腫瘍, 内分泌・代謝性疾患, 尿毒症, その他の炎症や外傷などで異常高値を示すものが多かった. 一方, 種々の非炎症性疾患および限局性または慢性炎症性疾患では正常値か低い異常値を示すものが多かった. CRP値の経時的な測定は, 治療効果や予後判定に有用であり, 白血球数より優れた炎症マーカーであると考えられた.
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