1987-1999年に静岡県内で腸管出血性大腸菌 (EHEC) 0157が190株 (ヒト由来140株, 牛由来50株) 検出された.このうち184株 (96.8%) がファージ型別され, ヒト由来株は17の型 (1, 2, 4, 8, 14, 21, 23, 24, 28, 31, 32, 33, 34, 37, 45, 54および61型), 牛由来株は11の型 (1, 8, 14, 23, 32, 33, 34, 39, 54, 63および74型) に分けられた.おもなファージ型はヒト由来株が2, 4, 21および32型, 牛由来株が14, 23, 34および54型であり, 8のファージ型 (1, 8, 14, 23, 32, 33, 34および54型) が両由来株に共通していた.また, 集団感染例のファージ型は21型と34型, 家族内感染例のおもなファージ型は2型, 32型などであり, 同一の集団感染例や家族内感染例からの検出株はすべて同一のファージ型であった.以上の成績からファージ型別は疫学マーカーの一つとして有用であることが示唆された.
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