日本獣医師会雑誌
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54 巻, 6 号
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  • 田原口 貞生, 岡井 和彦, 織田 康裕, 樋口 徹, 谷山 弘行
    2001 年 54 巻 6 号 p. 435-438
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1997~1999年の3力年の4~9月に北海道日高地方の子馬16, 701頭について, 総死亡頭数と胃潰瘍による死亡頭数を比較した. また胃潰瘍病変の確認できた40頭を対象に臨床経過, 胃潰瘍の好発部位および傷害の程度を調査した. 子馬総死亡頭数に占める胃潰瘍死亡例の割合は1997年13.6%, 1998年16.2%, 1999年7.1%であった. 胃潰瘍による死亡率は6, 7月および9月に高い傾向があった. 初診時の平均日齢は, 生存群では61.9±27.5日, 死亡群では77.3±38.7日であり, 両群に有意差はなかった. 治療日数は両群で10日以下が70%と多くを占めた. 初診時の臨床症状は, 下痢 (65.0%), 沈うつ (82.5%) および断続的哺乳 (82.5%) が多くを占めた. 胃潰瘍発生部位は, 大弯部ヒダ状縁87.5%, 小弯部ヒダ状縁82.5%, 無腺部92.5%および腺部60.0%であった. 胃潰瘍の傷害は大弩部ヒダ状縁と小弩部ヒダ状縁で, よりひどい傾向にあった.
  • 榊原 秀夫, 松葉 茂治, 西 康裕
    2001 年 54 巻 6 号 p. 439-441
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    黒毛和種肥育農場で飼育されている眼球が突出した11カ月齢の肥育牛に, 血液検査で白血球数の軽度増加がみられた. 剖検では脳下垂体に膿が貯留し, 病理組織学的に脳下垂体の膿瘍と周囲組織へのび漫性リンパ球浸潤が認められ, 膿よりArcanobacterium (Actinomyces) pyogenesが分離された
  • 谷本 忠司, 與名 理昇, 山本 欣也
    2001 年 54 巻 6 号 p. 442-446
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1998年5~6月に高知県内いのしし肥育農家1戸で急死した17頭中3頭の病性鑑定の結果から, 敗血症型豚丹毒の発生を確認した. 肉眼検査におけるチアノーゼ, リンパ節腫大, 胃~十二指腸粘膜の出血および腎臓の点状出血, 組織検査における血栓形成, マクロファージ増多, 化膿性壊死性リンパ節炎, 化膿性問質性腎炎および管内増殖性糸球体腎炎は特徴的所見であった. 諸臓器から豚丹毒菌が分離され, 1a型に血清型別された.分離株は感染試験で豚に全身性紅斑を起こし, 薬剤感受性試験でペニシリン系薬剤にのみ高度感受性であった. 豚丹毒菌免疫染色では, 諸臓器中のマクロファージに陽性像が多数認められ, 特に腎臓, 脾臓およびリンパ節で顕著であった. 畜舎消毒, ペニシリンの飼料添加およびワクチン接種により発生は終息した. いのししの豚丹毒菌に対する高度感受性, 凶暴性, 長期間の肥育および食肉衛生検査の対象外であることは, 防疫上大きな問題である.
  • 高島 久幸, 富松 洋, 芝原 友幸, 柵木 利昭
    2001 年 54 巻 6 号 p. 447-450
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    岐阜県内のと畜場に健康畜として搬入された豚120頭のうち21頭 (17.5%) の胃に, らせん菌 (Gastrospirillum様菌) の感染が認められた. 胃潰瘍は120頭中30頭 (25.0%), びらんは41頭 (34.2%) の豚にみられた. らせん菌は胃潰瘍を呈した豚の26.7%, びらんを呈した豚の22.0%, 慢性胃炎を呈した豚の9.5%および健常胃の豚の7.1%に観察された. 免疫組織化学的にらせん菌は粘膜表層および胃小窩に検出されたが, 胃腺にはほとんど認められなかった. 胃粘膜の培養では, らせん菌は分離されなかった. 今回, 健康畜搬入豚を検索したところ, 多くの豚が慢性胃炎に罹患しているとともに, らせん菌の存在は胃潰瘍およびびらんと有意な相関があった (P<0.05).
  • 船木 博史, 宇塚 雄次, 田辺 茂之, 岩原 克明, 高市 康博, 草野 健一, 更科 孝夫
    2001 年 54 巻 6 号 p. 451-454
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    急性呼吸器症状を持つホルスタイン種雄育成牛80頭に対し, 休薬期間の短い第4世代セフェム系抗生物質であるcefquinomeを筋肉内投与し, 治療効果を臨床的および微生物学的な観点から, 第3世代セフェム系抗生物質であるceftiofurの効果と比較検討した. 牛の急性呼吸器病の起因菌として重要であるPasteurella multocidaあるいはP.kaemolyticを分離・同定したが, 抗生物質の治療効果はPasteurella属陽性牛と他の細菌が分離された育成牛との問に差はなかった. 臨床的評価では, cefquinomeはceftiofurと同等の治療効果を示し, 98.1%の有効率であった. 1週間後の再検査でも臨床的な再発はみられなかった.
  • 木村 耕三, 小川 賀雄, 村上 満喜子, 長石 貞保, 川鍋 真里, 本間 裕一, 松井 望, 山崎 嘉都夫, 大越 啓司, 有田 章一, ...
    2001 年 54 巻 6 号 p. 455-465
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 土井口 修, 高橋 健, 坂田 美和子, 土井口 勝, 麻生 健
    2001 年 54 巻 6 号 p. 467-471
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    疾病治療以外の目的で来院した臨床的健常犬215頭を対象に, 動物病院内環境でオシロメトリック法による血圧測定を行った.測定部位を前肢, 後肢および尾の3カ所で比較検討した結果, 心拍数は同じであったが, 前肢の収縮期血圧を除いて拡張期血圧および平均血圧は, 尾, 前肢および後肢の順で高くなった.臨床的容易さと実験結果から前肢を用いて全頭の血圧を測定した. 結果は収縮期血圧132.0±17.4mmHg, 拡張期血圧86.8±14.2mmHgおよび平均血圧102.6±14.5mmHgであった.加齢と血圧との関係では, 加齢に伴う上昇がみられた.また.性別と血圧との関係では, 雌犬より雄犬が高かった.
  • 三浦 直樹, 鈴木 秀作, 浜田 佑二, 上村 亮三, 梅元 千代志, 藤木 誠, 三角 一浩, 坂本 紘
    2001 年 54 巻 6 号 p. 472-475
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    交流高圧電位療法の獣医領域への応用を目的とし, 食塩感受性腎性高血圧発症モデルであるDahl-Sラットを用いて高血圧症の抑制効果を検討した.Dahl-Sラットには1%食塩水を給与し, これを2群に分けて1群に交流高圧電位負荷を行った.その結果, 交流高圧電位負荷群では非負荷群と比較して, 血圧上昇と腎病変が抑制された.このことから, 交流高圧電位負荷は獣医領域においても慢性腎不全に伴う高血圧症の進行を抑制する可能性のあることが示唆された
  • 山下 和人, 石村 尚子, 都築 圭子, 小池 政紀, 井坂 光宏, 瀬野 貴弘, 加藤 澄江, 泉澤 康晴, 小谷 忠生, William ...
    2001 年 54 巻 6 号 p. 476-482
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    犬臨床例の麻酔前投薬としてミダゾラム (MID) 0.3mg/kg単独またはMID 0.3mg/kg-ブトルファノール (BTR) 0.0125-0.1mg/kgを静脈内投与 (IV) し, ケタミン5mg/kgIVで麻酔導入後, 50%笑気-50%酸素-セボフルラン麻酔下で外科手術を実施した.前投薬後, 重度の全身性疾患を有するすべての犬が中等度に鎮静され伏臥した.健康な犬と軽度の全身性疾患を有する犬では, MID単独の鎮静作用は軽く, MID-BTR併用では中等度に増強された.MID単独およびMID-BTR併用のいずれにおいても, 健康な犬の一部で導入後の気管内挿管が困難であり, マスク導入を実施した.術中の終末呼気セボフルラン濃度は, MID単独で2。4-2.6%, MID-BTR0.025mg/kgで2.3-2.4%, MID-BTR0.0125, 0.05および0.1mg/kgで2.0-2.2%であった.MID-BTR0.05および0.1mg/kgでは導入後の心拍数と呼吸数が軽度に低下したが, 術中の呼吸循環状態はすべての犬で良好であった.MID-BTRは軽度から重度の全身性疾患を有する犬の麻酔前投薬として有用と考えられた.
  • 升 秀夫, 熊坂 隆行
    2001 年 54 巻 6 号 p. 485-488
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    老人ホーム72施設を対象に, 動物の飼育状況についてアンケート調査を行った.動物を飼育する老人ホームでは, 利用者のquality of lifeの向上を目的とする施設が多かった.動物の飼育を行わない老人ホームでは, 飼育の負担, 設備の未整備, 人獣共通感染症に留意している施設が多かった.動物介在活動ボランティアの受け入れを希望する老人ホームは, 調査した72施設のうち30施設であった.
  • 増田 高志, 三輪 憲永, 寺井 克哉, 川村 朝子, 秋山 眞人, 光崎 研一
    2001 年 54 巻 6 号 p. 489-494
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1987-1999年に静岡県内で腸管出血性大腸菌 (EHEC) 0157が190株 (ヒト由来140株, 牛由来50株) 検出された.このうち184株 (96.8%) がファージ型別され, ヒト由来株は17の型 (1, 2, 4, 8, 14, 21, 23, 24, 28, 31, 32, 33, 34, 37, 45, 54および61型), 牛由来株は11の型 (1, 8, 14, 23, 32, 33, 34, 39, 54, 63および74型) に分けられた.おもなファージ型はヒト由来株が2, 4, 21および32型, 牛由来株が14, 23, 34および54型であり, 8のファージ型 (1, 8, 14, 23, 32, 33, 34および54型) が両由来株に共通していた.また, 集団感染例のファージ型は21型と34型, 家族内感染例のおもなファージ型は2型, 32型などであり, 同一の集団感染例や家族内感染例からの検出株はすべて同一のファージ型であった.以上の成績からファージ型別は疫学マーカーの一つとして有用であることが示唆された.
  • 岡本 一則, 橋端 宏, 説 田景, 梶 義則, 田中 伸子, 熊井 優子, 大下 幸子, 安達 有紀, 細見 卓司, 小山 雅彦, 鳴海 ...
    2001 年 54 巻 6 号 p. 495-503
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 清水 実嗣
    2001 年 54 巻 6 号 p. 509-510
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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