黒毛和種 (JB) 子牛の細胞性免疫を評価する目的で, 出生後のJB子牛 (JB群;n=10) とホルスタイン種 (Hol) 子牛 (Hol群;n=10) の末梢血白血球の変化を比較した.各群の子牛の出生後3日以内 (0週齢) および3, 6, 9, 12週齢の末梢血白血球はフローサイトメトリー (FCM) を用いて解析した.末梢血白血球はFCMの側方散乱光 [side light scatter (SSC)] と前方散乱光 [forward light scatter (FSC)] によって得られた3つの大きさ, すなわち小型, 中型および大型に分類して単球・リンパ球 (ML) とした.各群の中型 (M)-ML数は0週齢が最低値で, その後増加した.しかしJB群のM-ML数は6から9週後に減少し, 6週にはHol群に比べ有意な低値が認められた.JB群の小型 (S)-ML数は3週後に最高値となり, 0, 3, 9, 12週にはHo1群に比べ有意な高値が認められた.JB群のCD3
+細胞数はHol群に比べ3週齢に有意な高値を示した.またS, MML中のWC+細胞比率は, 観察期間中JB群がHol群に比べ低値を推移する傾向が認められた.これらのことからJB子牛の細胞性免疫応答はTリンパ球を中心にHo1子牛とは異なることが明かとなった.
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