ドライ式血液凝固分析装置 (DRY法) の凝固異常の検出能を評価するため, ウエット式血液凝固時間測定法 (WET法) で異常値を示した犬の血漿を用いて, プロトロンビン時間 (PT), 活性化部分トロンボプラスチン時間 (APTT), 血漿フイブリノゲン濃度 (pfg) を測定した.検体にはクエン酸血漿を用い, PTおよびAPTT用の検体にはWET法でPTまたはAPTTが延長したそれぞれ30検体を, pfgの測定にはWET法で低または高濃度であった15検体を用いた. PT, APTT, pfgの両方法間の相関係数はそれぞれ0.675, 0.551, 0.945で有意な (
P<0.0001) 相関が認められた. DRY法によるPTはWET法で異常値を示した全検体を, APTTは1検体を除く29検体を異常値として検出できたが, pfgではWET法で低濃度であった10検体の異常を検出できなかった.同時再現性試験ではPT, APTT, pfgの変動係数は2.0から5.2%であり, 測定精度は高かった.
抄録全体を表示