黒毛和種牛で, 肥育前・中期の給与飼料中の中性デタージェント繊維 (NDF) 含量が異なる3群で血清総コレステロール (TC) 値の推移と肥育成績を調査した結果, 高NDF群では血清TC値が肥育期間を通して他群に比べて有意 (
P<0.05) な高値を示し, 枝肉重量やロース芯面積, 牛脂肪交雑基準 (BMS.No.) が高い傾向, 枝肉単価は有意 (
P<0.05) な高値を示した. 血清ビタミンA (VA) 値とBMS.No.との関係, および枝肉格付評価別の血清VA値の推移を調査した結果, 導入翌日や出荷直前の血清VA値とBMS.No.との問に一定の関係はみられなかった. A-5牛の血清VA値は14・15カ月齢時にA-4牛やA-3牛に比べて有意 (
P<0.05) な低値を示した. 高肉質等級牛肉の生産には, 肥育中期の血清VA値を低く維持し, 肥育前・中期の給与飼料中NDF含量を高くすることが重要と考えられた.
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