牛盲腸内容75検体, 豚直腸内容105検体, 鶏盲腸内容32検体および市販牛ひき肉50検体, 豚ひき肉50検体について
Arcobacter, Campylobacter, Salmonellaの保菌および汚染状況を調査した.腸内容では
Arcobacterは3検体 (4.0%) の牛, 25検体 (23.8%) の豚, 20検体 (62.5%) の鶏から,
Campylobacterは57検体 (76.0%) の牛, 67検体 (63.8%) の豚, 16検体 (50.0%) の鶏から,
Salmonellaは4検体 (3.8%) の豚17検体 (53.1%) の鶏から, それぞれ検出された.牛および鶏腸内容由来の
Campylobacterはすべて
C.jejuniであった.
Campylobacterが検出された67検体の豚のうち2検体 (3.0%) は
C.jejuniのみが, 65検体 (97.0%) からは
C.coliのみが検出された.牛および豚ひき肉からは
Campylobacterと
Salmonellaは検出されず,
Arcobacterが3検体 (6.0%) ならびに10検体 (20.0%) からそれぞれ検出された.分離
Arcobacterの多くは
A.butzleriであった.また, 豚および鶏腸内容から検出された
Salmonellaの血清型はいずれもS.Infantisが第1位であった.牛, 豚, 鶏の腸内容は食肉衛生上
Campylobacterや
Salmonellaとともに
Arcobacterによる食中毒の疫源となる可能性が示唆された.
抄録全体を表示