日本獣医師会雑誌
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57 巻, 7 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 唐木 英明
    2004 年 57 巻 7 号 p. 399-402
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 金子 一幸, 町出 郁子, 壹岐 直史, 澤田 治紀, 川上 静夫
    2004 年 57 巻 7 号 p. 431-434
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ホルスタイン種乳牛における黄体形成およびプロジェステロン分泌機能を評価するため, 発情後8~10日に超音波画像診断装置を用いて卵巣を観察し, 描出された黄体組織面積 (黄体面積より黄体内腔面積を減じた), 黄体内腔の有無および大きさと血中プロジェステロン値 (P4値) との関係を調査した.供試した154例のうち153例に黄体が存在し, それらの血中P4値はいずれも1ng/ml以上であった.血中P4値は黄体組織面積が3cm2未満のもので低く, その面積が増えるに連れて高くなった.黄体内腔の存在および大きさは黄体組織面積や血中P4値に影響しなかった.以上のように, 黄体組織面積が大きくなるに連れて血中P4値が高くなり, 超音波画像診断装置による黄体組織面積の測定は黄体のプロジェステロン分泌機能の評価に有用なことが示唆された.
  • 生田 健太郎, 西森 一浩, 岡田 啓司, 安田 準
    2004 年 57 巻 7 号 p. 435-439
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    第一胃液アンモニア態窒素 (R-NH3-N) 濃度を簡易に測定するため, 乾式血液自動分析装置 (ドライケム), 血清中尿素窒素測定用キット (BUNキット), 血液中アンモニア測定用キット (NH3キット) を用いた測定法の実用性を水蒸気蒸留法と比較した.ドライケムによるR-NH3-N測定値の変動係数は第一胃液の希釈操作が加わっても2.86%で, 十分な再現性が確認された. 水蒸気蒸留法とドライケムの測定値問には相関係数0.978の有意な相関が認められ, 両法の測定値は近似していた.ドライケムとBUNキットまたはNH3キットの測定値間には, それぞれ相関係数0.991と0.961の有意な相関が認められたが, NH3キットの測定値はドライケムの2倍以上を示した.以上より, ドライケムとBUNキットが簡易測定法として実用可能と考えられた.
  • 北川 均, 大場 恵典, 渡邊 一弘, 深田 恒夫, 高野 俊和, 小林 昶運, 鬼頭 克也, 山添 和明
    2004 年 57 巻 7 号 p. 441-445
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Collagen gel droplet embedded culture drug sensitivity test (CD-DST) 法を用いた犬乳腺腫瘍に対する抗がん剤感受性試験の有用性を基礎的に検討した.コラーゲン・ゲル・ドロップ内で, 犬乳腺腫瘍細胞は良好に増殖した.この方法で培養した犬腫瘍細胞にアドリアマイシン, シクロフォスファミド活性体, ビンクリスチン, 5-フルオロウラシル, およびプレドニゾロンの5種の抗がん剤をin vitroで適用し, 抗腫瘍効果を画像解析により判定できた.乳腺腫瘍に対する抗がん剤の有効性は, 個体ごとに異なっていた.CD-DST法は, 犬の腫瘍に応用することが可能であり, いわゆるオーダーメイド治療の指標として用いることができると考えられた.
  • 紺谷 有子, 大和 修, 落合 謙爾, 山崎 真大, 前出 吉光
    2004 年 57 巻 7 号 p. 446-450
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肉芽腫性髄膜脳炎を発症した4歳齢, 雌のチワワに対し, 糖質コルチコイドによる治療を行い, 長期の寛解状態を維持することができた.発病時の運動失調, 四肢麻痺, 右半身の強直, 左側への斜頸および眼振などの神経症状は, デキサメサゾンによる2週間の治療により改善した.その後, プレドニゾロン0.2~0.5mg/kgを2日に1回経口投与することにより, 2年半の問, 寛解状態を維持することができた.しかし, 治療開始後2年8~9カ月目には, 重度の運動障害, 痙攣および情動異常が認められたため, 予後不良と判断し安楽死後病理検査を実施した.肉眼所見では左小脳半球の髄膜肥厚を伴う倭小化が認められ, 組織学的に本症例は播種性の肉芽腫性髄膜脳炎と診断された.
  • 田中 茂男, 浅野 和之, 山谷 吉樹, 佐藤 常男, 津曲 茂久, 永岡 勝好
    2004 年 57 巻 7 号 p. 451-454
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    片側性会陰ヘルニアを呈した雄犬に対して, 総鞘膜を利用した骨盤隔膜の外科的再建術を試みた.術式は去勢術後の総鞘膜を鼠径輪から腹腔に誘導し, さらに骨盤腔を介して会陰部のヘルニア孔に総鞘膜を転位させ, 嚢状の総鞘膜を扇状に広げて骨盤隔膜構成筋に縫着し, 骨盤隔膜を再建した.術後の術創部は腫脹や滲出液もほとんど認められず順調に回復した.また, 術前にみられたしぶりや便秘などの症状も改善され, 排便状態も良好となった.現在, 術後5年を経過したが会陰ヘルニアの再発や合併症などの所見は認められず総鞘膜によって強靭な骨盤隔膜を再建できることが示唆された.今後, 本術式は犬の会陰ヘルニアに対する新しい骨盤隔膜の再建術として応用できるものと考えられた.
  • 川森 文彦, 有田 世乃, 西尾 智裕, 三輪 憲永, 増田 高志, 秋山 眞人
    2004 年 57 巻 7 号 p. 455-459
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    3種類の分離法 (CCDA培地, CAT培地フィルター法) を用いてカンピロバクターとヘリコバクターの検出を試みたところ, 腸炎患者では, Campylobacter jejuniが5.3%(16/303) から分離された.犬 (110頭) と猫 (40頭) では, C.jejuniは犬2頭 (1.8%) から分離されただけであったが, C.upsaliensisが高率 (犬51.8%, 猫25.0%) に分離された.また, 猫からはC.helveticusも3頭 (7.5%) から確認された.ドバト75羽からはC.jejuni (29.3%) が, 野生カモ20羽からはC.jejuni (15.0%) とC.coli (45.0%) が検出された.C.jejuniについては分離法による検出率の差は小さかったが, C.upsaliensisの分離効率はCAT培地とフィルター法が優れていた.ヘリコバクターは, すべてフィルター法のみで検出され, 犬 (2.7%) と猫 (17.5%) からの分離株はHelicobacter canisであることが確認されたが, 野生カモから分離された1株については種を確定することができなかった.
  • 新井 孝典, 岡田 秀平, 清水 晃
    2004 年 57 巻 7 号 p. 460-464
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    食鳥処理場内の処理工程ごとにおける黄色ブドウ球菌の分離状況を調査した.作業従事者手指, 生鳥, と体, 最終製品, 機械器具および生鳥輸送車荷台からの拭き取りを衛生指導前と衛生指導後の2回行った.その結果, 衛生指導後ではほとんどの検体で菌検出率が大幅に減少した.全体で, 506検体中89検体 (17.6%) から菌が検出された.従事者の手指は多彩なコアグラーゼ型, ファージ群および薬剤耐性型を示す菌を保菌していた.生鳥, と体および機械器具から同じコアグラーゼ型およびファージ群の菌が, また生鳥, と体および最終製品から同じ薬剤耐性型の菌が分離された.手指および機械器具からエンテロトキシンあるいはTSST-1産生株が分離され, 手指山来株ではA (3株), B (1株), A+B (2株), C (1株), C+TSST-1 (1株), TSST-1 (1株), 機械器具ではA (1株), A+B (3株) であった.
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