健康牛および潜在性乳房炎牛の血清中と乳汁中の血清アミロイドAタンパク (SAA) 濃度を測定した.また, 乳汁中のSAA濃度とカルホルニア・マスタイテス・テスト変法 (MCMT法) の成績乳汁体細胞数 (体細胞数), および乳汁から分離された細菌種との関係を調査した.健康牛と潜在性乳房炎牛における血清SAA濃度の問には差が見られなかった.しかし乳汁SAA濃度は, MCMT法が陰性群で8.3±13.8, 要再検査群で25.1±26.1, 疑陽性群で32.2±65.2, および陽性群で168.2±225.2μg/m
lであり, 陰性群は他の3群と比べ有意に低く (
P<0.01), いっぽう, 陽性群は他の3群と比べ有意に高かった (
P<0.05).また,
Staphylocoocs aurmや
Streptococcus agalactiaeが分離された乳汁中のSAA濃度は,
Corynebacterium bovisやコアグラーゼ陰性の
Staphylococciが分離されたものよりも有意に高かった.さらに, 乳汁体細胞数とSAA濃度の相関係数は0.862 (
P<0.01) で, 強い正の相関がみられた.これらの結果から, 潜在性乳房炎の乳汁中ではSAA濃度が増加し, この増加は起炎菌の違いによる炎症の程度に依存していると思われた.また, 乳汁中のSAAは乳腺組織内で合成されている可能性が示唆された.
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