群馬県内のAと畜場に搬入された59農場由来110頭の豚の直腸内容および胆汁からサルモネラ属菌の分離を試みた.サルモネラ属菌は7農場 (11.9%) 由来の8頭 (7.3%) から検出され, このうち4農場由来の5頭の直腸内容からS. Typhimuriumが検出された. また, 3農場由来の3頭の直腸内容からS. Derbyが検出され, このうち1頭については胆汁からも同一の血清型が検出された (菌数:<30MPN/100m
l). 分離S. Typhimuriumは, ABPC, CP, SM, TC, FF, SMTZに耐性を示し, ファージタイプDT104と推定された. いっぽう, S. Derbyは供試薬剤のすべてに感受性であった. 以上の結果から, 多剤耐性S. Typhimuriumは群馬県内で飼育されている豚に分布していることが判明した. と畜場においては, 豚の衛生的取り扱いおよび環境の衛生管理に十分注意し, 豚肉を介したサルモネラ食中毒の発生を未然に防止する必要があると考える.
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