日本獣医師会雑誌
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63 巻, 11 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
日本産業動物獣医学会誌
  • 佐藤 薫, 田口 清
    原稿種別: 原著
    2010 年 63 巻 11 号 p. 861-865
    発行日: 2010/11/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    蝋製乳頭管拡張器具(器具A),シリコン製導乳管(器具B)および獣腸線製乳頭拡張器具(器具C)を8頭のホルスタイン種非泌乳牛の乳頭に3日間あるいは9日間留置した. さらに4頭の泌乳牛に器具AとBを7日間留置した. 非泌乳牛では内視鏡検査を3日ごとに実施した. 器具の留置終了時の剖検で乳頭を採取し,病理組織検査を行った. 内視鏡検査では器具BとC を留置した乳頭では留置3日後から乳頭管に角質層の剝離や管腔の拡張,フルステンベルグロゼット(FR)の出血と粘膜の粗造化が観察された. 病理組織検査ではこれらの部位には粘膜上皮の壊死,白血球浸潤,線維増生があった. いっぽう,器具Aの留置では非泌乳牛および泌乳牛ともにFRに少数のリンパ球が浸潤するだけであった. 以上の結果から器具Aが乳頭粘膜に刺激の少ない器具であると考えられた.
  • 河村 美登里, 星野尾 歌織, 小川 寛大, 本多 俊次, 恵谷 美江, 兼廣 愛美, 菊池 浩久, 阿川 啓雄
    原稿種別: 原著
    2010 年 63 巻 11 号 p. 866-869
    発行日: 2010/11/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    広島県内の乳用牛約40頭を飼養する農場で,35日齢の子牛1頭が,呼吸器症状と四肢関節の腫脹を呈し斃死した. 病性鑑定の結果,非定型的生化学的性状(ラクトース分解能陽性およびβ-ガラクトシダーゼ陽性)を示すPasteurella multocida血清型A:1(莢膜抗原CarterのA型,菌体抗原Heddlestonの1型)が分離され,左心室の疣贅性心内膜炎を伴う敗血症と診断した. 牛からP. multocida血清型A:1が分離されることはまれで,同様の病態に関する報告はない.
  • 佐藤 千尋, 清宮 幸男, 高橋 真紀, 木戸口 勝彰
    原稿種別: 短報
    2010 年 63 巻 11 号 p. 870-873
    発行日: 2010/11/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    ヤマドリおよびキジの成鳥をそれぞれ約20羽ずつ飼養する施設で, 前年までと異なる飼料が給与された2009年3~6月における繁殖期の孵化率および雛の4日齢までの生存率が著しく低下した. 孵化直後から多くの雛で脚弱が観察され,病雛8羽の組織学的変化は,胸筋および脚筋における筋線維の硝子様変性および再生性変化により特徴づけられた.それぞれ12羽の両鳥種の成鳥を用いた,6週間にわたる給餌󠄀比較試験では,前年と比較して2009年の両鳥種の成鳥へのセレンの給与不足が示唆された.
日本小動物獣医学会誌
日本獣医公衆衛生学会誌
  • 石畝 史, 永田 暁洋, 鈴木 里和, 山崎 史子, 望月 典郎, 荒川 宜親
    原稿種別: 原著
    2010 年 63 巻 11 号 p. 883-887
    発行日: 2010/11/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    鶏肉由来16株および患者由来22株の基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ産生大腸菌の分子疫学的性状を比較した. 鶏肉由来株の血清型はO78:H9およびO25:H4などが主であったのに対し,患者由来株ではO1:H6,O25:H4およびO86a:H18などであった. O25:H4 型株のCTX-M 型は鶏肉由来株ではCTX-M-3,患者由来株ではCTX-M-14およびCTX-M-27であった. いっぽう,海外で広がりつつあるCTX-M-15 を産生するO25:H4型クローン株は分離されなかった. Ceftriaxoneの最小発育阻止濃度は,患者由来株に対してよりも鶏肉由来株に対しての方が高値を示した(P <0.01). 今回,CTX-M型および薬剤感受性に関して,患者由来株と鶏肉由来株との間に直接的な関連性は見られなかった.
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