日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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63 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
日本産業動物獣医学会誌
  • 柴田 秀史, 北畑 浩太郎, 神田 尚俊
    原稿種別: 原著
    2010 年 63 巻 4 号 p. 271-274
    発行日: 2010/04/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    東京農工大学獣医解剖学研究室に所蔵されている解剖学教育用掛図の外装および内容を詳細に調査した. 掛図は合計314点存在し,そのうち292点は紙に描かれ軸装されており,22点は軸装されていない紙あるいは厚紙に描かれていた. 掛図の内容は,肉眼解剖学182点,組織学・発生学46点,外貌・蹄86点であった. 肉眼解剖学掛図でもっとも多かったのは馬の運動器を描いたもので63点に上った. 外貌・蹄の掛図も馬に関するものが83点存在した. これらの掛図は第二次世界大戦以前に当研究室で作成されたものであると推察された. 掛図の内容を現在の解剖学の教育内容と比べると,馬の運動器の解剖学が中心であることと,馬の外貌・蹄に関するものが含まれることが特徴的である. このことは当時の軍事および農耕用として馬の重要性を反映するものであると考えられる.
  • 又吉 正直, 片桐 慶人, 安富祖 誠, 相澤 真紀, 大城 守, 津波 修
    原稿種別: 短報
    2010 年 63 巻 4 号 p. 275-277
    発行日: 2010/04/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    2007年7月,沖縄県竹富町小浜島において,早産で出生した黒毛和種の子牛が起立不能を呈し,翌日に死亡した. 細菌学的検査の結果,主要臓器からMannheimia 属菌が純培養状に分離され,生化学的性状試験によりM. haemolytica と同定された. 分離菌は間接赤血球凝集反応による血清型別では型別不能であったが,16S rRNAの塩基配列の解析によりM. varigena と再同定された. 本症例は牛の敗血症からの国内最初のM. varigenaの分離報告である.
  • 谷村 信彦, 関口 美香, 片山 貴志, 佐藤 亘, 平井 伸明
    原稿種別: 資料
    2010 年 63 巻 4 号 p. 278-280
    発行日: 2010/04/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
日本小動物獣医学会誌
  • 伊藤 良樹, 梅田 裕祥, 若生 晋輔, 齋藤 陽彦
    原稿種別: 原著
    2010 年 63 巻 4 号 p. 281-285
    発行日: 2010/04/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    飼い主が緑内障による異常を認識してから動物診療施設に来院するまでの日数と来院時の視覚の維持について検討した. 2006年1月1日から2007年12月31日までに当トライアングル動物眼科診療室(当院)に紹介,または直接来院し,緑内障と診断された犬症例158頭194眼を対象として,動物診療施設来院までの日数(診療施設来院日数)と当院来院までの日数(TAEC来院日数),および当院来院時の視覚維持率を算出した. 症例の73.3%で診療施設来院日数が3日以内であった. また,TAEC来院日数が3日以内の症例の視覚維持率は54.5%,4日以上の症例では8.9%であった. 今回の調査より,犬緑内障症例の多くが,発症後早期の視覚を保持した状態で動物診療施設に来院している可能性が示された.
  • 伊丹 貴晴, 山下 和人, 福井 翔, 前原 誠也, 都築 圭子, 廉澤 剛, 泉澤 康晴
    原稿種別: 原著
    2010 年 63 巻 4 号 p. 286-291
    発行日: 2010/04/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    犬臨床例52頭の全身麻酔にリドカイン持続静脈内投与(CRI)を応用し,その麻酔要求量減少効果を検討した. 麻酔前投薬としてプロピオニールプロマジン0.05mg/kgを静脈内投与(Ⅳ)し,カルプロフェン4mg/kgを皮下投与した. プロポフォール6mg/kg Ⅳで麻酔導入し,気管挿管後,50%笑気-50%酸素-セボフルラン吸入麻酔で麻酔維持した. 供試犬26 頭にリドカイン3mg/kg/時間CRI を投与し(LID-CRI 群),残りの26頭には投与しなかった(対照群). 外科麻酔の維持に要した終末呼気セボフルラン濃度は,LID-CRI群1.6 %前後および対照群2.1%前後で推移し,LID-CRI群において有意に低かった(P <0.001).麻酔中の呼吸循環系モニタリング項目の変化には,群間に有意な差は認められなかった. 以上のことから,術中リドカインCRIによって顕著な呼吸循環抑制を生じることなく,セボフルラン要求量を減少できると結論された.
  • 村上 章, 森 崇, 星野 有希, 岩谷 直, 村上 麻美, 酒井 洋樹, 丸尾 幸嗣
    原稿種別: 短報
    2010 年 63 巻 4 号 p. 292-294
    発行日: 2010/04/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    喉頭および眼窩の腺扁平上皮癌の犬2例の臨床および治療経過の概要を報告する. 症例1は声帯の腫瘤により発声障害と努力性呼吸を主訴に,症例2は右眼窩の腫瘤による眼結膜の充血を主訴に来院した. 両症例ともに病理検査にて腺癌および扁平上皮癌成分の共存が認められ,腺扁平上皮癌と診断された. 今回,症例1では再発を認めたものの,化学療法後に腫瘍が縮小し,現在経過観察中である. さらに,症例2では,術後再発や転移の徴候は認められていない.
日本獣医公衆衛生学会誌
  • 門田 修子, 楠本 晃子, 牧野 壮一, 川本 恵子
    原稿種別: 原著
    2010 年 63 巻 4 号 p. 297-300
    発行日: 2010/04/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    細菌性赤痢は,近年食品媒介感染が危惧されており,赤痢菌の食品からの迅速かつ高感度な検出法確立は急務である. 本研究では,厚生労働省より配布された参考試験法中,検出結果に影響を与えると思われた手順に改良を加え新規試験法とし,検出系の感度や迅速性の向上を図った. 結果,新規試験法は食品検体からの赤痢菌検出において,参考試験法よりも10倍高感度であった.また,菌検出までに要する時間がおよそ21時間以内と,参考試験法より約3.5時間の短縮ができた. 以上より,新規試験法は迅速微量検出法であり,食品からの赤痢菌検出に有用であると考えられる.
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