日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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ISSN-L : 0446-6454
63 巻, 8 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
日本産業動物獣医学会誌
日本小動物獣医学会誌
  • 佐々木 慎哉, 保田 恭志, 柴田 真治, 高島 諭, 西飯 直仁, 高須 正規, 大場 恵典, 北川 均
    原稿種別: 原著
    2010 年63 巻8 号 p. 625-629
    発行日: 2010/08/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    自然発症した僧帽弁閉鎖不全の犬54例において,アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)とスピロノラクトンの長期併用時における血漿カリウム濃度を検討した. 3~95カ月の試験期間中に,スピロノラクトン非併用群とスピロノラクトン併用群ともに臨床症状が徐々に進行し,心臓陰影サイズは49週以降にわずかに拡大する傾向にあった. 投与期間中に,スピロノラクトン非併用群,併用群とも明瞭な持続性の高カリウム血症は認められなかった. 僧帽弁閉鎖不全の犬では,血漿電解質等のモニターは必要であるが,ACEI とスピロノラクトンの併用を考慮してもよいと考えられた.
  • 成嶋 理恵, 笛吹 達史, 小川 孝, 嶋崎 智章
    原稿種別: 原著
    2010 年63 巻8 号 p. 630-633
    発行日: 2010/08/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    猫内在性レトロウイルス(RD114ウイルス)はすべての猫の体細胞と生殖細胞内に内在化していることから,猫由来培養細胞を用いて製造される猫用混合生ワクチンに混入することが懸念される. 最近,Miyazawaらはいくつかの猫用弱毒生ワクチンにRD114ウイルスが混入していることを報告した[Journal of Virology]. そこで,国内既承認ワクチンにおけるその混入状況をLacZ マーカーレスキュー法によって調査した結果,供試ワクチン(4製剤,計30製品)の30%から感染性RD114ウイルスが検出された. 今回の報告はわれわれがワクチン中に感染性RD114ウイルスが存在することを実証したものである. これまでRD114ウイルスの猫に対する病原性およびRD114ウイルスの混入する当該ワクチンの接種による副作用については,いまだ明確ではない. また,同一のワクチンが製造販売されている欧米においても特段の規制措置は講じられていないことから,われわれは,現段階ではこれらのワクチンに対して緊急的な措置を講じる必要はないと結論付け,今後とも有用情報収集に努めることとした.
  • 野口 俊助, 森 崇, 星野 有希, 村上 麻美, 酒井 洋樹, 丸尾 幸嗣
    原稿種別: 短報
    2010 年63 巻8 号 p. 634-636
    発行日: 2010/08/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    12歳,雄の雑種犬と10歳,雄のグレートピレニーズが片側性の下顎部腫瘤を主訴に来院した. CT検査を行ったところ,肺および肝臓に転移を疑わせる所見が得られた. 細胞診あるいは組織診断により,上皮由来の悪性腫瘍であると診断された. 一方の症例では免疫組織化学染色においてCOX-2の発現がみられた.これらの症例を放射線治療と選択的COX-2阻害剤で治療したところ,良好な反応を認め,長期コントロールが可能であった. 今後,唾液腺癌の治療法として,放射線治療あるいは選択的COX-2阻害剤を選択肢の中に含め,検討する必要があると考える.
日本獣医公衆衛生学会誌
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