日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
63 巻, 9 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
日本産業動物獣医学会誌
日本小動物獣医学会誌
  • 和田 優子, 藤﨑 由香, 前田 健, 佐藤 宏, 横山 真弓, 宇仁 茂彦, 水野 拓也, 奥田 優
    原稿種別: 原著
    2010 年 63 巻 9 号 p. 707-710
    発行日: 2010/09/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    大阪府南部(地域A),兵庫県東部(地域B)で捕獲されたアライグマ(186 頭)および同地域の家庭飼育犬(52 頭)の血清を用いてLeptospira interrogans の5血清型標準株を抗原とした顕微鏡下凝集試験(Microscopic agglutination test :MAT)を行った. A,B 両地域のアライグマにおいてMAT で最も高い抗体価を示した血清型はいずれもhebdomadis(地域A :31.5 %,地域B :51.5%)であり,地域Aではaustralis(22.2 %)の割合も高かったが,両地域の飼育犬においてはそれらの陽性は認められなかった. アライグマ66 頭の腎皮質からOmpL1-PCR を用いてレプトスピラ遺伝子の検出を行った結果,8 頭(12.1%)で陽性が認められた. 以上の結果から,野生アライグマは高率にレプトスピラに感染しているが,犬の感染源となっている可能性は低いと考えられた.
  • 佐藤 巌紀, 西村 麻紀, 三好 雅史, 川本 恵子, 古林 与志安, 磯村 洋, 宮原 和郎
    原稿種別: 短報
    2010 年 63 巻 9 号 p. 711-714
    発行日: 2010/09/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    下唇の腫脹と下顎リンパ節の腫脹を伴った12歳のT細胞型皮膚型リンパ腫のシーズー犬に対してロムスチン(CCNU)による治療を行ったが効果は認められなかった. そこで,1回4Gyを2日おきに計5回,総線量20Gyで放射線治療を実施したところ,腫脹の軽減が認められた. その後,飼い主希望により,積極的な治療は行わなかったが,数回の放射線治療のたびに,改善が認められた. 最終的に下唇と下顎リンパ節の腫瘤が増大し,第234病日に斃死した.
  • 櫻井 優, 森田 剛仁, 墨崎 雄一郎, 朴 天鎬, 島田 章則
    原稿種別: 短報
    2010 年 63 巻 9 号 p. 715-718
    発行日: 2010/09/20
    公開日: 2016/09/07
    ジャーナル フリー
    重度の神経症状を呈し死亡した7カ月齢の猫を病理学的に検索した結果,非滲出型猫伝染性腹膜炎(Feline Infectious Peritonitis : FIP)と診断された. 肉眼的に,大脳における重度のうっ血ならびに水腫,および腎皮質における多数の乳白色結節の形成が認められた. 組織学的にも,大脳全域におけるび漫性うっ血がみられ,大脳の硬膜静脈洞に線維素血栓が形成されていた. また,腎皮質,および脳室周囲ならびに脈絡叢に化膿性肉芽腫性病巣が存在していた. 免疫組織学的に,マクロファージ細胞質内にFIPウイルス陽性像が認められた. 以上より,FIPウイルス感染による脳室および脈絡叢に主座する炎症が,硬膜静脈洞における線維素血栓形成,さらに循環障害を起こしたものと考えられた.
日本獣医公衆衛生学会誌
feedback
Top