日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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64 巻, 11 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 山口 佳男, 下田 崇, 白砂 孔明, 川島 千帆, 宮本 明夫
    原稿種別: 原著
    2011 年64 巻11 号 p. 865-869
    発行日: 2011/11/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    分娩後最初に出現する主席卵胞が成熟する時期である分娩後14~18日に安息香酸エストラジオール(EB)6mg を投与し,分娩後早期の卵巣機能回復及びその後の繁殖性の改善について検証した.正常分娩したホルスタイン種成熟雌牛314頭を無作為に2群に分け,試験区164頭にEB 6mg を筋肉内注射で投与し,対照区150頭は無処置とした.これらの一部について,直検及び血中プロジェステロン濃度を測定した結果,EB投与2日後に排卵し7日後に黄体化したものは86.0%であり,対照区の38.9%より有意に高率であった.さらに,分娩後60日以内の授精率は試験区で68.9%と,対照区の47.3%より高かった.初回授精受胎率は試験区51.9%,対照区43.8%だった.また100日以内の受胎率は試験区50.3%,対照区45.9%で受胎率には有意な差はなかった.しかし,100日以上無発情の牛は試験区で11.9%で,対照区の24.3%より有意に低減された.以上から,分娩後早期のEB投与による卵巣機能の回復促進及び無発情牛の低減効果が示された.
  • 北原 豪, 日髙 亨介, 鈴木 義人, 峯 雄太, 加治佐 誠, 小林 郁雄, 上村 俊一
    原稿種別: 短報
    2011 年64 巻11 号 p. 870-873
    発行日: 2011/11/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    定時人工授精(AI)後,腟内のCIDR 留置が黒毛和種牛の繁殖成績に及ぼす影響を検討した.正常分娩後1カ月から全頭に排卵同期化,定時AI を行い,その後17日から7日間,腟内にCIDR留置するCIDR群(n=28)と,無処置とする対照群(n=47)に分けた.定時AI の受胎率はCIDR群64.3%,対照群53.2%であった(P =0.34).定時AIで不受胎の牛の発情回帰日数はそれぞれ28.7±3.9日,33.0±26.9日(P =0.22)と両群は不等分散で(P <0.01),変動係数はそれぞれ0.1,0.8であった.CIDR群で抜去後7日以内,対照群で定時AI後18日から24日に再AIした牛の受胎率は,CIDR群85.7%,対照群58.3%であった(P=0.47).分娩後早期の黒毛和種牛において,定時AI後17日から7日間のCIDR留置は,不受胎の牛において発情回帰日数の分散を縮小させた.
  • 木村 久美子, 播谷 亮, 矢野 敦史, 佐藤 亘, 平澤 康伸, 加古 奈緒美, 小桜 利恵, 中村 理樹, 水城 恵美, 市川 優
    原稿種別: 資料
    2011 年64 巻11 号 p. 874-878
    発行日: 2011/11/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
小動物臨床関連部門
  • 嶋田 恵理子, 宮本 忠, 鳩谷 晋吾
    原稿種別: 原著
    2011 年64 巻11 号 p. 879-884
    発行日: 2011/11/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    2002年から2010年に細菌感染症で当院に来院した犬130例と猫33例から腸内細菌科細菌141株(Escherichia coli 85株,Klebsiella pneumoniae 20株,Proteus mirabilis 19株,Enterobacter spp. 11株,Citrobacter spp. 6株),Pseudomonas aeruginosa 31株,Pseudomonas spp. 16株,Acinetobacter baumannii 9株,A. lwoffi 12株及びPasteurella multocida 11株が分離された.4系統以上の抗菌薬に耐性を示す多剤耐性腸内細菌科細菌が犬から20株,猫から10株分離され,部位別では,尿から13株,皮膚から8株,皮下膿瘍から5株分離された.P. aeruginosaはゲンタマイシンに対して94%が感受性であったが,オフロキサシンに対しては26%が耐性であった.グラム陰性菌の抗菌薬への耐性化の動向に注意が必要であると考えられた.
  • 坂井田 誠, 森 崇, 山田 雅人, 野口 俊助, 高井 有一, 酒井 洋樹, 丸尾 幸嗣
    原稿種別: 短報
    2011 年64 巻11 号 p. 885-888
    発行日: 2011/11/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    3歳2カ月齢,未避妊雌のゴールデンレトリーバーが,左前腕遠位部腫瘤の増大を主訴に来院した.X線検査にて腫瘤は高度に石灰化しており骨様の陰影を示した.細針生検にて骨軟骨系腫瘍が疑われると診断されたため,治療を兼ねた切除生検を行った.腫瘤は橈骨と尺骨の間に入り込み,完全切除はできなかった.摘出した腫瘤は病理組織学的検査にて骨軟骨腫と診断された.術後16カ月経過しているが,残存した組織の増大は認められず,良好な経過をたどっている.
  • 福井 翔, 上野 博史, 柄本 浩一, 浜洲 拓 , 平山 和子, 谷山 弘行, 泉澤 康晴
    原稿種別: 短報
    2011 年64 巻11 号 p. 889-892
    発行日: 2011/11/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    12歳齢,避妊雌,ゴールデンレトリーバーが頻回の全身性けいれん発作を主訴に来院した.頭部MRI検査により右側嗅葉部に腫瘤を認めた.経前頭洞開頭術により腫瘤を摘出し,病理組織検査に供したところ,組織球肉腫と診断された.ロムスチンを用いた化学療法を実施し,第195病日における頭部MRI検査では腫瘤の再増殖は認められなかった.しかしながら,第278病日に呼吸不全により死亡した.肺や四肢原発の組織球肉腫同様,頭蓋内原発の組織球肉腫に対しても外科的摘出後に化学療法を行うことで生存期間が延長する可能性が示唆された.
  • 関根 一哉, 星野 有希, 森 崇, 酒井 洋樹, 野口 俊助, 山田 名美, 山瀬 新悟, 丸尾 幸嗣
    原稿種別: 短報
    2011 年64 巻11 号 p. 893-895
    発行日: 2011/11/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    鼻出血を主訴に来院した12歳未去勢のウェルシュ・コーギーの1例について報告する.CT検査にて左側鼻腔内に腫瘤を認めた.病理組織診により,血管肉腫と診断された.化学放射線治療が行われ,第124病日に行ったCT検査にて腫瘍の退縮を認めた.しかし,第208病日のCT検査にて腫瘍の再発を示す像を認め,さらに,第271病日にはCT検査にて肺に転移を疑わせる像を認めた.他院にて治療を続けていたが,第331病日に死亡した.鼻腔内に発生した血管肉腫は脾臓や心臓に発生したものに比べ,治療に反応し,長期生存できる可能性が考えられる.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
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