日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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64 巻, 2 号
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日本産業動物獣医学会誌
  • 大野 真美子, 大滝 忠利, 草刈 直仁, 昆野 大次, 津曲 茂久
    原稿種別: 原著
    2011 年 64 巻 2 号 p. 135-139
    発行日: 2011/02/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    乳牛46頭を用いて,分娩後の卵巣機能回復時期と分娩前後の甲状腺ホルモン(T3およびT4)濃度との関係を明らかにし,インスリン様成長因子(IGF-1),血液生化学性状およびその後の繁殖成績との関連について検討した.卵巣機能回復が分娩後50日以内の早期回復群(n=23)と51日以降の回復遅延群(n =23)に区分した.回復遅延群は早期回復群に比べ,分娩前後のT3 とT4 濃度が有意に低かった.乾物摂取量は回復遅延群で-2週から1週にかけて有意に低値で推移し,分娩後1週と2週のIGF-1濃度がT4 濃度と有意な正の相関を示した.空胎日数は,早期回復群に比べ回復遅延群で有意に延長した.以上の結果から,分娩後の卵巣機能回復が早い個体は,分娩前後の採食量および甲状腺ホルモン濃度が高く,その後の繁殖成績も良好であると考えられた.
  • 三竹 博道, 生水 誠一, 武田 佳絵, 加藤 信正, 田中 省吾, 梁瀬 徹, 加藤 友子, 山川 睦
    原稿種別: 短報
    2011 年 64 巻 2 号 p. 140-144
    発行日: 2011/02/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    2008年に九州地方から北陸地方にかけて広範囲にアカバネウイルス(AKAV)が流行し,牛異常産が発生する中,福井県において起立不能や遊泳運動などの神経症状を主徴とする育成牛2例(3カ月齢と11カ月齢)が確認された.2例ともに,病理組織学的検査において非化膿性脳脊髄炎が認められ,また,免疫組織化学的染色で中枢神経系組織にAKAV抗原が検出された.さらに,RT-PCR により,これら2例の脳幹部からAKAV特異遺伝子が検出され,うち1例よりAKAVが分離された.以上の結果から,これら2例を生後感染型アカバネ病と診断した.また,分離株は,生後感染型アカバネ病の症例からこれまで分離されたことのないgenogroupⅡに属するウイルスであることが確認された.
日本小動物獣医学会誌
  • 内田 英二, 秋葉 真美, 松田 憲児, 町田 竜彦, 安部 聡美, 久保 拓也
    原稿種別: 原著
    2011 年 64 巻 2 号 p. 145-149
    発行日: 2011/02/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    犬猫の糖化ヘモグロビン(HbA1c)を高速液体クロマトグラフィー法により測定した.測定精度は同時および日差再現性と添加回収試験いずれも良好であった.糖尿病群の犬猫のHbA1c は,臨床的に健康な犬猫より有意に高い値を示した.また糖尿病群は,持続的な高血糖状態を示さない種々の疾患群と比較しても有意に高い値を示した.糖尿病に罹患していない犬(健康群と疾患群)から計算したHbA1c の基準値は,2.2~3.4%であった.同様に猫の基準値は,1.8 ~2.7%であった.今回使用した自動グリコヘモグロビン分析計によるHbA1c 測定は,犬と猫の血糖値変動を観察するには有用な手法と思われる.
  • 渡辺 征, 久末 正晴, 相馬 武久, 並河 和彦, 瀬川 和仁, 根尾 櫻子, 土屋 亮
    原稿種別: 短報
    2011 年 64 巻 2 号 p. 150-153
    発行日: 2011/02/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    新規な猫住血マイコプラズマである‘Candidatus Mycoplasma turicensis’(CMt)の日本の飼い猫501頭における感染の検出を通常のシングル・ステップPCR法により行ったところ,66例(13.2%)の陽性例を検出した.本PCRの検出感度はCMt DNAの47コピーであった.本研究ではCMt感染猫の66頭中では7歳以上(平均10.7±3.27歳)の加齢猫が48例(72.7%)と多く,高齢の猫のCMt感染率が高かった.海外のCMt感染は常に他のヘモプラズマとの複合感染が多いと報告されたが,本研究では26例(5.2%)のCMt単独感染例を検出し,その他40例はMycoplasma haemofelis(17例)および‘Candidatus Mycoplasma haemominutum’(20例)との複合感染例であり,また3種による3重感染が3例存在した.
日本獣医公衆衛生学会誌
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