日本獣医師会雑誌
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65 巻, 10 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 草刈 直仁, 仙名 和浩, 及川 学, 平井 綱雄
    原稿種別: 原著
    2012 年65 巻10 号 p. 757-761
    発行日: 2012/10/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    道内酪農場169戸を対象に過去8年間のサルモネラ(S)症発生状況と乳牛飼養衛生管理方式との関連を疫学的に解析した.S症は8~10月に多発し,発生農場(n=21)のフリーストール飼養率は非発生農場に比べて有意に高く,飼養頭数も有意に多かった.詳細なデータが得られた11発生事例のうち7事例では泌乳前期の牛が初発であり,発生時の同居経産牛2,447頭の糞便S検査では,他の泌乳ステージに比べ泌乳前期の牛で最も保菌率が高かった.9月の乳成分検査では,乳蛋白質率2.8%未満を示す泌乳初期牛(分娩後31~60日)の割合が,非発生農場に比べ発生農場で有意に高かった.以上の結果は,頭数規模拡大に伴う集約的な飼養形態に加え分娩後に乳蛋白質率が低下するようなルーメン発酵の減退が酪農場でのサルモネラ症発生の一因となっている可能性を示している.
  • 石井 択径, 坂口 善二郎, 是枝 輝紀, 森木 啓, 田原 則雄, 山中 典子
    原稿種別: 短報
    2012 年65 巻10 号 p. 762-766
    発行日: 2012/10/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    繁殖雌牛33頭を飼養する黒毛和種牛繁殖農場において,輸入ペレニアルライグラスストローを1日1頭あたり6kg 給与したところ,4頭が給与6~7日目に食欲不振となり,うち1頭が振戦,後弓反張及び起立不能を呈して死亡した.種子内に,エンドファイト様菌糸が確認された.同ストロー中ロリトレムB濃度は約2,000μg/kgであり,繁殖雌牛は毒性量のロリトレムBを摂取したと考えられた.死亡牛の急性硝酸塩中毒,低カルシウム血症,低マグネシウム血症,大脳皮質壊死症,BSE,脳脊髄炎及びコリンエステラーゼ阻害物質による中毒が否定された.以上から,死亡牛の神経症状をライグラススタッガーと診断した.黒毛和種牛におけるロリトレムBの毒性量などの詳しい病態に関する情報は少ないため,本症例で得られた知見は有益である.
  • 乙丸 孝之介, 久保田 整, 大塚 浩通, 安藤 貴朗, 小岩 政照
    原稿種別: 短報
    2012 年65 巻10 号 p. 767-770
    発行日: 2012/10/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    黒毛和種子牛育成農場に導入され,臨床的に健康な3~4カ月齢の子牛に,Pasteurella multocida(Pm),Mannheimia haemolytica(Mh),Histophilus somni(Hs)混合不活化ワクチンを投与し,その予防効果を検討した.投与群の呼吸器病発症率は524頭中242頭(46.2%)であり,対照群の534頭中341頭(63.9%)より有意に低かった.投与群9頭の平均Pm,Mh及びHs血清抗体価は投与4週後に投与前より有意に上昇した.一方,対照群9頭の平均Pm及びMh血清抗体価は,導入日より経過に従い上昇し,平均Hs抗体価は導入4~12週後に緩徐に上昇した.以上の成績から,当農場での呼吸器病の発生にPm,Mh及びHsの1種類以上の細菌が関与し,ワクチン投与により呼吸器病発症率が低値であった可能性が伺われた.
  • 七尾 祐樹, 上野 孝範
    原稿種別: 短報
    2012 年65 巻10 号 p. 771-775
    発行日: 2012/10/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    多毛,換毛異常,多飲,多尿,発汗異常,易感染,筋肉量減少,蹄葉炎,長期不妊を示した18歳並びに19歳のサラブレッド種繁殖雌馬2頭に遭遇し,3年に及ぶ臨床経過を得た.馬クッシング病(ECD)を疑い,デキサメサゾン抑制試験(DST)を実施し,2例ともデキサメサゾン投与19時間後の血清中コルチゾール値は1μg/dl 以上であった.2例は最終的に蹄葉炎にて,予後不良となり安楽殺された.剖検で下垂体の著しい腫大,組織検査で中葉の腺腫が認められたことからECDと確定診断された.よって,高齢馬で,多毛などの被毛異常,筋肉量減少に伴う体型の変化,慢性で難治性の蹄葉炎などの所見が認められた場合はECDを疑い,早期にDSTを実施し,その後の対応を検討すべきである.
  • 山田 学, 藤田 敦子, 宮澤 国雄, 瀧澤 光華, 篠川 有理, 加古 奈緒美, 佐藤 尚人, 高橋 幸治, 村山 丹穂
    原稿種別: 資料
    2012 年65 巻10 号 p. 776-780
    発行日: 2012/10/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
小動物臨床関連部門
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 松尾 加代子, 佐藤 宏
    原稿種別: 原著
    2012 年65 巻10 号 p. 791-794
    発行日: 2012/10/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    岐阜県内でと畜された牛の心筋について住肉胞子虫シスト保有率を調べた.得られた住肉胞子虫はシストの形態学的観察とPCR-ダイレクトシーケンスによりSarcocystis cruziと同定された.シストは平滑で壁は薄く,長径273.9~936.8μm(n =33,平均482.9μm),短径78.9~242.1μm(143.4μm)であった.シスト陽性牛は,乳廃用牛ホルスタイン種94.3%(50/53頭),肥育牛の黒毛和種53.6%(30/56頭)及び交雑種32.3%(20/62頭)であった.組織切片あたりのシスト検出数はホルスタイン種で平均11.1(範囲1~141),黒毛和種4.1(1~23),交雑種6.0(1~41)で個体によっては多数のシストが寄生していることが示された.また,馬肉による寄生虫性食中毒の原因であるSarcocystis fayeriの毒性タンパク質に対する抗血清を用いた免疫染色ではS. cruziシスト中のブラディゾイト周囲に陽性反応がみられた.
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