岐阜県内でと畜された牛の心筋について住肉胞子虫シスト保有率を調べた.得られた住肉胞子虫はシストの形態学的観察とPCR-ダイレクトシーケンスにより
Sarcocystis cruziと同定された.シストは平滑で壁は薄く,長径273.9~936.8μm(n =33,平均482.9μm),短径78.9~242.1μm(143.4μm)であった.シスト陽性牛は,乳廃用牛ホルスタイン種94.3%(50/53頭),肥育牛の黒毛和種53.6%(30/56頭)及び交雑種32.3%(20/62頭)であった.組織切片あたりのシスト検出数はホルスタイン種で平均11.1(範囲1~141),黒毛和種4.1(1~23),交雑種6.0(1~41)で個体によっては多数のシストが寄生していることが示された.また,馬肉による寄生虫性食中毒の原因である
Sarcocystis fayeriの毒性タンパク質に対する抗血清を用いた免疫染色では
S. cruziシスト中のブラディゾイト周囲に陽性反応がみられた.
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