日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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65 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
小動物臨床関連部門
  • 嶋田 恵理子, 宮本 忠, 網本 昭輝, 福田 泰史, 新田 直正, 山本 幾治郎, 小田 さゆみ, 森重 正幸, 仲澤 宏, 板本 和仁, ...
    原稿種別: 原著
    2012 年 65 巻 4 号 p. 283-288
    発行日: 2012/04/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    2001年から2010年に細菌感染症で山口県下の8カ所の動物病院に来院した犬及び猫からStaphylococcus intermedius group(SIG)が389株,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)が143株及びS. aureus(SA)が66株分離された.47%のSIG(183株),34%のCNS(48株)及び38%のSA(25株)がメチシリン耐性であった.MRSIGの分離は2007年以降に増加していた.すべてのMRブドウ球菌はアルベカシン,リネゾリド,バンコマイシン,テイコプラニンに感受性であった.さらに,MRSIGとMRCNSはミノサイクリンとアミカシンに,MRSAはクロラムフェニコールとスルファメトキサゾール・トリメトプリムに80%以上の株が感受性であった.
  • 青木 大, 三品 美夏, 渡邊 俊文
    原稿種別: 原著
    2012 年 65 巻 4 号 p. 289-292
    発行日: 2012/04/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    移行上皮癌と診断された犬の82症例について品種,性別,発生部位,治療方法,並びに予後調査を行った.その結果,雄よりも雌で多く発症する傾向があり,発症平均年齢9.9±0.3 歳,シェトランド・シープドック,ビーグル,シー・ズーが好発犬種となり,従来の報告と同様であった.治療は,ピロキシカム投与での内科療法単独もしくは,膀胱部分切除術や膀胱全摘出術,尿路変更術といった外科療法とピロキシカム投与の併用を行った.予後調査が可能であった42症例について内科療法単独群と各外科療法群による生存期間について比較検討を行った.膀胱尖部に発症した移行上皮癌は,膀胱部分摘出によって生存期間が有意(P <0.05)に長いことから,発生部位によっては外科療法が有効であることが示唆された.
  • 猪熊 壽, 田井 貴子, 市川 康明
    原稿種別: 原著
    2012 年 65 巻 4 号 p. 293-298
    発行日: 2012/04/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    全国47都道府県の小動物診療施設を対象に2009年(09年)と2010年(10年)の犬Babesia gibsoni感染症発生状況に関するアンケート調査を実施した.9,513施設から6,746の回答が得られ(回収率70.9%),うち859施設(12.7%)が本症を経験していた.確定症例数は09年3,802,10年3,625で,うち東日本では09年87,10年75であった.栃木,茨城,群馬,埼玉,東京,長野の関東以北6都県では,西日本への移動又は旅行歴のない,闘犬以外の品種9頭に確定症例が認められ,関東以北でのB. gibsoni自然感染が示唆された.西日本では769施設で09年3,715,10年3,550の確定症例があり,特に香川,熊本,徳島,山口,福岡,宮崎,兵庫各県で,年間200を超える症例が報告された.
  • 篠原 雄大, 甲斐 勝行, 川瀬 康孝, 永田 雅彦
    原稿種別: 短報
    2012 年 65 巻 4 号 p. 299-302
    発行日: 2012/04/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    13歳齢,去勢雄の日本猫が,全身の皮膚病変を主訴に来院した.身体検査では,頭部,腰背部,腹部全域及び両下腿部に脱毛,紅斑,び爛,大型の鱗屑及び痂皮が認められた.一部痂皮を除去し細胞診を行ったところ,変性の少ない好中球と棘融解細胞が多数認められた.皮膚生検では棘融解を伴う角質下有棘層内膿疱が認められ,これらの所見は落葉状天疱瘡の所見に合致していた.プレドニゾロン及びトリアムシノロンの単剤治療を行ったが改善に乏しく,さらに肝酵素も徐々に上昇したため継続投与が困難となった.そこで低用量トリアムシノロンとシクロスポリンを併用したところ明らかに皮膚病変は軽快し,肺水腫で死亡するまで,皮疹の再発はなかった.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 迫田 義博, 遠藤 真由美, 佐藤 由佳, 岡松 正敏, 喜田 宏
    原稿種別: 短報
    2012 年 65 巻 4 号 p. 303-305
    発行日: 2012/04/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    グルタルアルデヒドを主成分とする消毒薬の鳥インフルエンザウイルスに対する不活化効果を調べた.その結果,グルタルアルデヒドを主成分とする消毒薬は有機物が混入しても高い消毒効果が認められた.しかし,低温下ではその効果は低下した.またウイルスの不活化には,塩化ジデシルジメチルアンモニウムを主成分とする陽イオン系界面活性剤に比べ,作用時間をより長く必要とすることがわかった.以上の結果は,グルタルアルデヒドを主成分とする消毒薬を鳥インフルエンザウイルスに対して用いる場合には,有機物の有無に関わらずその効果が期待できるが,反応温度や反応時間を十分に考慮する必要があることを示している.
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