狩猟で捕獲されたイノシシの解体処理施設における衛生管理の実態を明らかにするため,鳥取県内2施設の解体処理法,処理器具及び処理肉の細菌学的調査を行った.加えて,狩猟者129名の衛生意識についてアンケート調査を実施した.その結果,処理法は一般と畜場と類似していた.使用器具の一般細菌と大腸菌群は,消毒回数が多い施設で10
2CFU/cm
2以下で分離された.処理されたイノシシ肉の細菌数は,消毒回数が少ない施設で10
5CFU/gに達した.これらの施設利用者はわずか16名(12%)で,捕獲現場で内臓を摘出するかしないに関わらず,自宅で解体処理する者は113名(88%)であった.このうち内臓生食者は9名(8%)存在した.したがって,狩猟者に対する人獣共通感染症に関する知識の普及と施設の衛生設備の充実が必要である.
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