3歳の避妊手術済雌フェレットが採食困難を主訴に来院した.右上顎第2及び第3前臼歯周囲に重度歯周炎が認められたため,歯周ポケット深部より検体採材後,歯石除去及び抜歯を行った.人の一般的な歯周病原性細菌8菌種を標的としたPolymerase chain reactionを行った結果,
Porphyromonas gingivalis及び
Tannerella forsythiaが陽性を示し,ダイレクトシークエンス法によりそれぞれ364bp及び510bpの配列が得られた.これら配列はそれぞれ,
P. gulae及び
T. forsythiaの16S rRNA遺伝子と100%及び99.8%の類似性を示した.フェレットの歯周ポケットから人,犬及び猫と同様の嫌気性菌が分子生物学的に初めて検出された.
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