日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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ISSN-L : 0446-6454
65 巻, 7 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
小動物臨床関連部門
  • 志賀 大輔, 三品 美夏, 青木 大, 石井 宏志, 渡邊 俊文
    原稿種別: 短報
    2012 年 65 巻 7 号 p. 525-529
    発行日: 2012/07/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    1歳3カ月齢,未去勢のラブラドール・レトリバーが,血尿,頻尿を主訴に来院した.身体検査にて,下腹部に腫瘤を認め,超音波検査,X線膀胱造影検査を実施したところ,膀胱三角部全域にわたる膀胱腫瘤が確認されたため,膀胱全摘出術が実施された.摘出した膀胱は病理組織学的検査により胎児型横紋筋肉腫と診断された.手術後は,化学療法を1回実施したが,その後は飼い主の希望により経過観察とした.現在,術後約6年が経過しているが,局所再発や遠隔転移は認められず,良好な予後が得られている.
  • 山﨑 裕毅, 高木 哲, 小儀 直子, 須永 隆文, 青木 由徳, 細谷 謙次, 奥村 正裕
    原稿種別: 短報
    2012 年 65 巻 7 号 p. 530-533
    発行日: 2012/07/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    尿道腫瘍による排尿困難を呈した犬4例に対し,排尿路を確保するための低侵襲かつ,姑息的な対処法としてバルーンカテーテルによる尿道拡張を実施した.すべての症例で,処置直後から自律的な排尿が可能となり,1回の拡張により最大2カ月間,排尿状態が維持された.また,本処置に関連した重篤な合併症は臨床上,認められなかった.本研究における4例では比較的良好な結果が得られたことから,本法は臨床的寛解が期待できない排尿困難を呈した犬の尿道腫瘍に対する姑息的かつ,緩和効果の高い尿道閉塞解除法になり得ると考えられた.しかし,本法における最適な尿道拡張圧や合併症の発症などに関してさらなる検討が必要である.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 田原 研司, 川端 寛樹, 安藤 秀二, 新井 智, 板垣 朝夫, 渡邉 治雄
    原稿種別: 原著
    2012 年 65 巻 7 号 p. 535-541
    発行日: 2012/07/20
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
    島根県におけるつつが虫病の病原体調査を臨床検体及び野鼠検体を用いて行った.血清抗体価による感染種推定で患者25名中23名(92%)でOrientia tsutsugamushi 血清型Karpの感染が考えられた.また患者の臨床検体からOrientia tsutsugamushi シークエンス型としてKarp 型のサブタイプであるJapanese Karp type 2(JP-2),Gilliam 型のサブタイプであるJapanese Gilliam(JG)及び韓国で報告のあるOrientia tsutsugamushi Yeo-joo が見出された.Orientia tsutsugamushi Karp 型JP-2及びGilliam 型JGは県内で捕獲されたアカネズミ(Apodemus speciosus)からも検出されたことから,アカネズミがこれら病原体の自然界における維持に関与していることが推察された.
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