日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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66 巻, 10 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
小動物臨床関連部門
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 小野 一晃
    原稿種別: 原著
    2013 年 66 巻 10 号 p. 713-717
    発行日: 2013/10/20
    公開日: 2013/11/20
    ジャーナル フリー
    牛胆汁を検査したところ,105検体中57検体(54.3%)からC. jejuniが検出された.牛胆汁中のカンピロバクター菌数(cfu/ml)は,42.9%の検体が103cfu/ml以上であり,市販鶏肉の汚染菌数の1,000~10,000倍高い値であった.分離株の30%(12/40)は血清型別不能であったが,35%(14/40)がPenner D群,12.5%(5/40)がPenner B群であった.また,牛胆汁由来株は,PCR法により,供試した40株すべてがflaAcdtAcdtBcdtCcmeAcmeB及びcmeCの7種類の病原遺伝子を保有していることが明らかとなった.さらに,パルスフィールド・ゲル電気泳動法では,牛胆汁由来株は食中毒患者由来株と高い類似性を示し,4種類の制限酵素を用いた場合でも,患者由来株と同一のDNA切断パターンを示した株も認められた.このことから,牛胆汁は食中毒の原因となりうるC. jejuniの重要な汚染源となる可能性が示された.
  • 豊福 肇, 小林 光士, 下出 敏樹, 牛丸 藤彦, 小野寺 仁, 小池 史晃, 村瀬 繁樹
    原稿種別: 原著
    2013 年 66 巻 10 号 p. 718-724
    発行日: 2013/10/20
    公開日: 2013/11/20
    ジャーナル フリー
    牛のと畜・解体及び枝肉のカット工程におけるISO22000の認証を取得しているJA飛騨ミートにおける微生物自主検査の結果を同施設の前提条件プログラム,SSOP及びHACCPの実施状況の検証に活用できるか,また,2006年まで行っていた次亜塩素酸ナトリウムによる生体洗浄を止めた後の微生物の汚染の実態を比較するため,2009~2011年の自主検査データの解析を行った.と畜・解体ラインの枝肉や製品の微生物制御の検証には一般生菌数を用いた微生物検査データの傾向解析は有用であることが判明した.次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄を止めても,SSOP及びHACCPの適切な実施により微生物汚染レベルはむしろ向上していた.また,2011年,製品(部分肉)データが改善された要因としては衛生意識の向上等人的要因が大きいと考えられた.
  • 斉藤 守弘, 新井 陽子, 鎌田 洋一, 小西 良子, 橋本 勝弘
    原稿種別: 原著
    2013 年 66 巻 10 号 p. 725-727
    発行日: 2013/10/20
    公開日: 2013/11/20
    ジャーナル フリー
    Sarcocystis fayeriS. cruziS. miescherianaS. arieticanisS. sybillensis及びS. spシスト抽出物をウサギに皮下接種して,毒性を調べた.主な 臨床症状は,沈鬱と間欠性の下痢であった.病理組織学的変化は,腸管と肺にみられた.腸管上皮細胞は剝離・脱落し,残存した細胞にアポトーシスが観察された.肺では小血管に血栓が観察された.ウサギ腸管結紮ループ試験では,すべてのSarcocystisシスト抽出物が陽性であった.以上のことから,Sarcocystisシスト抽出物はウサギに対して腸管毒性を有することが明らかになった.
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