牛胆汁を検査したところ,105検体中57検体(54.3%)から
C. jejuniが検出された.牛胆汁中のカンピロバクター菌数(cfu/m
l)は,42.9%の検体が10
3cfu/m
l以上であり,市販鶏肉の汚染菌数の1,000~10,000倍高い値であった.分離株の30%(12/40)は血清型別不能であったが,35%(14/40)がPenner D群,12.5%(5/40)がPenner B群であった.また,牛胆汁由来株は,PCR法により,供試した40株すべてが
flaA,
cdtA,
cdtB,
cdtC,
cmeA,
cmeB及び
cmeCの7種類の病原遺伝子を保有していることが明らかとなった.さらに,パルスフィールド・ゲル電気泳動法では,牛胆汁由来株は食中毒患者由来株と高い類似性を示し,4種類の制限酵素を用いた場合でも,患者由来株と同一のDNA切断パターンを示した株も認められた.このことから,牛胆汁は食中毒の原因となりうる
C. jejuniの重要な汚染源となる可能性が示された.
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