日本獣医師会雑誌
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66 巻, 11 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 福成 和博, 八重樫 岳司, 千葉 伸, 亀山 健一郎
    原稿種別: 原著
    2013 年66 巻11 号 p. 785-790
    発行日: 2013/11/20
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
    2011年3月~2013年3月までの25カ月間に岩手県内の2,203農場で死亡し,牛海綿状脳症(BSE)検査に用いられた2歳齢以上の9,362頭の牛の延髄を活用し,牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)感染状況を調査した.BVDVは飼養農場31戸(1.41%)の36頭(0.38%)から検出され,年齢別では死亡時に2歳齢であった牛が1.72%(22頭/1,279頭),生産農場の経営形態別では酪農場が1.76%(25戸/1,417戸)と有意に高い検出率を示した.また,36分離株における2型BVDVの割合も22.2%と高く,過去に行われた県内調査の結果と異なっていた.これらの成績から,本県におけるBVDの清浄化には,酪農場におけるBVDVの監視及び2型ウイルスの対策が重要であることが示唆された.死亡牛を活用したBVDV検査はBVDVの感染状況及び疫学調査に利用可能であると考えられた.
  • 斎野 仁, 川内 京子, 臼井 章, 大野 浩, 迫田 義博, 田島 誉士
    原稿種別: 原著
    2013 年66 巻11 号 p. 791-796
    発行日: 2013/11/20
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
    根室地域B町で2006年から,牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)感染症(BVD)の対策を開始し,毎年,すべての育成牛にBVDの生及び不活化ワクチンを接種(LK方式)した.さらに汚染源である持続感染(persistent infection : PI)牛の摘発のため880戸の全酪農場のバルク乳のRT-PCR検査と公共牧場全頭のBVDV分離を毎年実施した.LK接種42カ月経過後で抽出検査した血清の90%がBVDVに対する抗体を保有した.6年間のバルク乳検査でPI 牛56頭を摘発・淘汰し,2012年には2頭に減少した.さらに公共牧場で12,349頭を検査し7頭(0.06%)のPI牛を摘発・淘汰した.対策開始後のPI牛の出生率は有意に減少し,2008年以降にLK方式ワクチン接種による胎子感染防止効果が確認された.以上から,ワクチン接種とPI牛の積極的サーベイランスでBVDの制圧が可能と判断した.
  • 生澤 充隆, 藤本 彩子, 高山 秀子, 佐藤 尚人, 鈴田  史子, 木下 智秀, 秋田 紗希, 壁谷 昌彦
    原稿種別: 資料
    2013 年66 巻11 号 p. 797-800
    発行日: 2013/11/20
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
小動物臨床関連部門
  • 岡野 公禎, 木村 太郎, 枝村 一弥
    原稿種別: 原著
    2013 年66 巻11 号 p. 801-806
    発行日: 2013/11/20
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
    小型犬18頭の卵巣子宮摘出術に対し,マロピタントとモルヒネを併用した群(MAR-MOR,n=9)と,生理食塩水とモルヒネを投与した群(MOR,n=9)に分け,手術中のイソフルラン要求量の減少効果とモルヒネによる嘔吐の抑制効果を検証した.モルヒネ投与による嘔吐発生率はMAR-MOR群では11.1%,MOR群で66.6%であり,MAR-MOR群で有意に低下することが示唆された(P<0.05).手術中の平均イソフルラン要求量は,MAR-MOR群で1.74±0.13%,MOR群で1.91±0.12%と,MAR-MOR群ではイソフルラン要求量を約8.9%減少させることができた(P<0.05).さらに,手術開始から50分の時点では,イソフルラン要求量を約13.1%も減少させることができた(P<0.05).本検討の結果から,マロピタントによるイソフルラン要求量の減少とモルヒネ投与後の嘔吐抑制効果が確認された.
  • 森田 泰典, 森田 佳子, 三井 一鬼
    原稿種別: 短報
    2013 年66 巻11 号 p. 807-811
    発行日: 2013/11/20
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
    10歳,雄のアメリカンショートヘアが左下顎腺周辺部の腫脹を主訴に来院した.当初は針生検で唾液粘液囊胞と判断したが,3カ月後に行った腫脹部の針生検では粘液に混在した異型リンパ球様細胞を認め,リンパ腫と診断した.化学療法としてCOP療法を行ったところ完全寛解が得られ,治療は6カ月間継続し終了した.治療終了2カ月後の同部位の針生検で,ふたたび異型リンパ球様細胞を認めたため,根治及び確定診断のため病巣部の摘出を行い,病理組織検査及び組織の免疫染色を実施した.腫瘍細胞の特徴的な形態と大部分の腫瘍細胞のMUM1(形質細胞マーカー)陽性,ごく一部のCD79a (Bリンパ球マーカー)陽性,CD3(Tリンパ球マーカー)陰性所見から本症例はリンパ形質細胞性リンパ腫と考えられた.再発後,数種の抗腫瘍薬を投与し,再寛解は得られなかったがほぼ6カ月間,良好に経過した.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 斉藤 守弘, 新井 陽子, 鎌田 洋一, 小西 良子, 橋本 勝弘
    原稿種別: 原著
    2013 年66 巻11 号 p. 813-815
    発行日: 2013/11/20
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
    Sarcocystis fayeriの経口摂取によってウサギに対して,下痢が誘発されるか否かをブラディゾイトを用いて試みた.5.5×106個のブラディゾイト投与で食欲不振や沈鬱などとともに軟便が観察された.1.5×107個では,水様性の下痢を呈するようになり,さらに5.5×107個の投与では重篤な水様性下痢から全例死亡した.1.5×107個のブラディゾイトを投与後の経時的観察では,3時間後から食欲不振,沈鬱などの症状とともに,病理組織学的には,小腸の粘膜上皮細胞のアポトーシスと剝離・脱落が認められ,6及び9時間後になると腸絨毛の短縮もみられた.一方,下痢は投与後9時間で初めて出現した.以上の成績から,S. fayeriはウサギに対して小腸粘膜の傷害に起因する下痢を引き起こすことが明らかとなった.
  • 豊福 肇, 長谷川 専, 柿沼 美智留
    原稿種別: 短報
    2013 年66 巻11 号 p. 816-819
    発行日: 2013/11/20
    公開日: 2013/12/28
    ジャーナル フリー
    限られたリソースのなかで,リスク低減に向け,学術雑誌に公表されているリスク評価ツールを用いて,食品衛生監視員による監視指導のあり方を検討した.鶏の唐揚げ×カンピロバクター,目玉焼き×サルモネラ菌,ポテト野菜サラダ×黄色ブドウ球菌の3種類の食品とハザードの組み合わせについて通常監視下の相対リスクを推定した.さらに,食品衛生監視を高度化することによるリスクランキングの変化を推定した.唐揚げ,目玉焼き及びポテトサラダのリスクランキングは「57」,「52」及び「48」であった.さらに,加工,包装,冷却工程において,高度化監視により,加工の効果向上,再汚染の可能性低減及び加工後の管理システムの有効性向上を図ることにより,リスクが大きく下がることが明らかとなった.これら工程及びその組み合わせが重点監視ポイントであることが示唆された.
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