日本獣医師会雑誌
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66 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 富田 啓介, 中条 正樹, 加茂前 優花, 矢島 和枝, 浦本 京也, 竹嶋 伸之輔, 間 陽子
    原稿種別: 原著
    2013 年66 巻2 号 p. 109-114
    発行日: 2013/02/20
    公開日: 2013/04/18
    ジャーナル フリー
    2009年7~11月に,牛白血病を発症したホルスタイン種18戸18例の病態及び発症要因を調査した.発症牛の外貌異常は22%,血液中の異型リンパ球出現は56%,腫瘍の形態は全例び漫性大細胞リンパ肉腫,29月齢の1例はT細胞由来で牛白血病ウイルス(BLV)陰性,45月齢以上の17例はB細胞由来ですべてBLV I型陽性であった.免疫染色でのP53蛋白の検出は,発症牛で29%陽性,未発症牛の0%に対し有意に高かった.牛免疫不全ウイルス(BIV)検出PCRはすべて陰性であった.牛主要組織適合抗原(BoLA)-DRB3 1501の遺伝子を保有する牛の割合は発症牛で75%であった.その対立遺伝子頻度は発症牛で41%と,BLV感染未発症高齢牛の22%に対し有意に高かった.以上より,発症牛の94%がBLV I型による地方病性牛白血病(EBL)であった.また,BLV発症にはBIV感染は必ずしも必要でないこと,P53蛋白とBoLA-DRB3遺伝子型が,発症に関与する可能性が示唆された.
小動物臨床関連部門
  • 相馬 武久, 河口 雅登, 勝川 千尋
    原稿種別: 原著
    2013 年66 巻2 号 p. 115-120
    発行日: 2013/02/20
    公開日: 2013/04/18
    ジャーナル フリー
    犬ブルセラ症が発生した犬繁殖場においてマイクロタイター凝集反応(MA)とELISA により抗Brucella canis抗体が検出された14頭を抗体陰性犬と隔離した上で塩酸ドキシサイクリンとマルボフロキサシンを投与したところ,両抗体の陽性率は投薬開始後8週間目まで低下したが,16週間目にはMA,ELISAそれぞれ27.3%,63.6%に上昇した.この成績は本症の治療効果監視のための抗体検査の有用性並びにELISA の高い検出感度を示すものである.一方,抗体陰性犬66頭について塩酸ドキシサイクリンを単剤投与したが,観察期間の32週間に両抗体ともに陰性に推移した.このことから感染犬の隔離や施設内の消毒など適切な対応をすれば,抗体陰性犬に対してテトラサイクリン系の単剤投与であっても十分な予防効果が得られると考えられた.
  • 井口 雅之, 藤井 洋子, 茅沼 秀樹, 金井 詠一, 三品 美夏, 高野 裕史, 砂原 央, 青木 卓磨
    原稿種別: 短報
    2013 年66 巻2 号 p. 121-125
    発行日: 2013/02/20
    公開日: 2013/04/18
    ジャーナル フリー
    右房及び右室拡大の精査を目的に,3歳のミニチュア・シュナウザー,雌が来院した.心エコー図検査において右室拡大を起こしうる三尖弁閉鎖不全症,心房中隔欠損症あるいは肺高血圧症は認められず,右房背側に異常な血流信号が認められたものの確定診断には至らなかった.さらなる精査のためにCT造影検査及び心臓カテーテル検査を行った.心臓カテーテル検査において右房における酸素飽和度のステップアップが認められた.CT造影検査において右前葉からの肺静脈の右房への連結が認められた.これらより,本症例を部分肺静脈還流異常と診断した.
  • 中本 裕也, 松永 秀夫, 相馬 武久, 植村 隆司, 松永 悟, 小澤 剛
    原稿種別: 短報
    2013 年66 巻2 号 p. 126-130
    発行日: 2013/02/20
    公開日: 2013/04/18
    ジャーナル フリー
    5カ月齢の雄のロシアン・ブルーが尿道閉塞に類似した排尿困難を主訴として,紹介元動物病院を受診した.各種検査所見から下部尿路炎症に対する治療を開始したが,数日後に両後肢での起立困難となった.神経学的検査では,軽度な頭部振戦や両後肢の上位運動ニューロン性不全麻痺が認められた.MRI 検査では,脳室周囲,頭部から腰部にかけての髄膜,腰髄実質における信号強度の異常が認められた.血清及び脳脊髄液における猫コロナウイルス(FCoV)の抗体検査や遺伝子検査結果から,FCoV-I型感染による中枢神経型猫伝染性腹膜炎ウイルス性髄膜脳脊髄炎が強く疑われた.雄猫における尿道閉塞による排尿障害は頻繁に遭遇する疾患だが,幼齢期で類似した症状を呈した場合にはFCoV 感染による中枢神経障害を鑑別疾患として考慮する必要があり,飼い主への慎重な説明が重要と考えられた.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 坪田 敏男
    原稿種別: 総説
    2013 年66 巻2 号 p. 131-137
    発行日: 2013/02/20
    公開日: 2013/04/18
    ジャーナル フリー
  • 藤元 英樹, 田中 輝美, 西屋 秀樹, 郡司 康宏, 宇都 誠二, 井之上 盛男, 中馬 猛久
    原稿種別: 原著
    2013 年66 巻2 号 p. 138-142
    発行日: 2013/02/20
    公開日: 2013/04/18
    ジャーナル フリー
    鹿児島県におけると畜検査で発見された豚の心疣状部から分離されたStreptococcus dysgalactiae subsp. equisimilisS. equisimilis)91株,S. porcinus 10株を用いて,PCRによる人の病原性に関与する遺伝子の検索,薬剤感受性試験及び薬剤耐性遺伝子の保有について検討した.Lancefield の型別ではS. equisimilis 91株中74株はC群で,17株は型別不能であった.病原性関連遺伝子はsagA が75株から検出されたが,slo及びskcgは検出されなかった.薬剤感受性については,アミノグリコシド(AG)系,テトラサイクリン(TC)系及びマクロライド(ML)系薬剤に対する耐性株が存在し,耐性遺伝子は,AG系のaph (3')-III aが19株,TC 系のtet(O)及びtet(M)がそれぞれ46株, 17株,ML系のermB及びmefAがそれぞれ31株,6株から検出された.薬剤耐性遺伝子を保有するS. equisimilisの存在が確認されたことから,今後豚における本菌の継続的な監視が必要であることが示唆された.
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