日本獣医師会雑誌
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66 巻, 7 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 菊池 直哉, 鳥海 史恵, 中野 良宣, 森谷 浩明, 高橋 樹史
    原稿種別: 原著
    2013 年66 巻7 号 p. 463-467
    発行日: 2013/07/20
    公開日: 2013/08/20
    ジャーナル フリー
    日本の乳牛におけるレプトスピラ症の全国的な浸潤調査を実施した.スクリーニング試験としてバルク乳を用いたELISAを実施した結果,249農場中78農場(31.3%)がLeptospira interrogans血清型Hardjoに対して陽性を示した.北海道と東北が高く,それぞれ50.0%と47.5%であった.ELISA陽性牧場から無作為に抽出された約20頭の血清を用いて,病原性レプトスピラ8血清型について顕微鏡凝集反応(MAT)を行った.1,510検体中688検体(45.6%)が抗体陽性を示し,北海道の陽性率は67.5%で特に高い値を示した.血清型別ではL.interrogans血清型Hardjo(43.9%)の陽性率が最も高く,次いでL.interrogans血清型Hebdomadis(38.9%)の陽性率が高かった.MATを行った血清について同様にELISAにより血清型Hardjo抗体を検索したところ,1,510検体中723検体(47.9%)が抗体陽性を示しMATの結果と一致した.以上から,日本における牛レプトスピラ症が血清学的に確認され,本症が日本において広く浸潤していることが示唆された.
  • 是枝 輝紀, 藤岡 舞, 石黒 典子, 内村 江利子, 宮里 俊光, 梁瀬 徹, 田中 省吾, 猪島 康雄
    原稿種別: 原著
    2013 年66 巻7 号 p. 468-473
    発行日: 2013/07/20
    公開日: 2013/08/20
    ジャーナル フリー
    鹿児島県内の大型一貫経営農場において,全身の皮膚に丘疹や膿疱を呈した新生豚6頭が出生し,そのうち5頭について病理学的及びウイルス学的に解析した.皮膚病巣が大型で多発していた個体は,舌にび爛も観察された.病変部の皮膚及び舌では,有棘細胞の風船様膨化を伴った増生がみられ,核の空胞化や好酸性細胞質内封入体も認められた.免疫組織化学的に封入体に一致して豚痘ウイルス抗原が検出され,電子顕微鏡下でポックスウイルス粒子が認められた.病変部の皮膚切片から抽出したDNAを用いたPCRにより,2頭から塩基配列が同一の豚痘ウイルス遺伝子が検出され,海外で検出されたウイルスと遺伝学的に近縁であった.以上から,本症例を豚痘ウイルス感染によるきわめてまれな先天性豚痘と診断した.豚痘ウイルスを分子遺伝学的に比較解析した国内初の報告である.
  • 小高 真紀子, 深水 大, 石田 剛, 小河 大輔, 横山 敦史, 芝原 友幸
    原稿種別: 短報
    2013 年66 巻7 号 p. 474-478
    発行日: 2013/07/20
    公開日: 2013/08/20
    ジャーナル フリー
    2011年3月,福岡県の肉用鶏農場において,鼻汁漏出,異常呼吸音,嗜眠,うずくまりを呈し死亡鶏が増加した.剖検では,気囊の混濁及び気囊や腸管漿膜にチーズ様物の付着がみられ,組織検査では気管粘膜固有層にリンパ濾胞形成を伴ったリンパ球,形質細胞の浸潤による肥厚が認められた.気管及びチーズ様物からMycoplasma gallisepticum(MG)が分離されるとともに特異遺伝子が検出され,免疫組織化学的染色で気管の粘膜表面にMG 陽性反応が認められ,さらに検査に供したすべてがMG抗体陽性であった.また,その他の病原体の関与を示唆する検査成績は得られなかった.以上の結果から,今回の症例をMG感染症と診断,肉用鶏での野外感染例としてはまれな症例と考えられた.
小動物臨床関連部門
  • 山下 傑夫, 内田 陽介, 小野 憲一郎, 小川 博之
    原稿種別: 短報
    2013 年66 巻7 号 p. 479-482
    発行日: 2013/07/20
    公開日: 2013/08/20
    ジャーナル フリー
    小腸に発生した肥満細胞腫のパピヨンに対して,腸管切除術を実施した.リンパ節転移と腹腔内播種を認めたため,術後にビンブラスチン,プレドニゾロンを投与したところ,約5カ月にわたり腫瘍の進行を示唆する所見は認められず,安定した状態を維持することができたが,第160病日に癌性腹膜炎の発症が確認された.そこでロムスチン(CCNU)の投与を開始したところ,症状は劇的に改善して完全寛解に至った.以後約1年にわたってロムスチンを投与した.その間再燃は認められず第521病日に休薬とした.初診から773日が経過した現在も再燃なく生存している.消化管原発の肥満細胞腫には術後化学療法が重要であり,特にロムスチンの投与が寛解の得られる可能性が高いものと考えられた.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 小野 一晃
    原稿種別: 原著
    2013 年66 巻7 号 p. 483-487
    発行日: 2013/07/20
    公開日: 2013/08/20
    ジャーナル フリー
    糞便からのカンピロバクター検査において,従来の培養法とPCR法,loop-mediated isothermal amplification(LAMP)法,リアルタイムPCR法による遺伝子検査法の結果を比較した.培養法では42/55検体(76.4%)からカンピロバクター(Campylobacter jejuni/coli)が検出されたが,PCR法で42/55検体(76.4%),LAMP法で49/55検体(89.1%),リアルタイムPCR法で50/55検体(90.9%)がそれぞれカンピロバクター陽性と判定された.遺伝子検査法は培養法よりも検出感度が高く,培養法で菌が検出されなかった場合でも,PCR法で3/13検体(23.1%),LAMP法で7/13検体(53.8%),リアルタイムPCR法で8/13検体(61.5%)がカンピロバクター陽性と判定された.遺伝子検査法では,いくつかの検体でDNA抽出試料中の反応阻害物質により偽陰性と判定されたが,検体を滅菌蒸留水で5~10倍希釈することで改善がみられた.遺伝子検査法は糞便からのカンピロバクターの迅速検査法として有効であることが示唆された.
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