2012年4~5月にかけて沖縄本島の肉用繁殖山羊の2農場において,関節炎や呼吸器症状を主徴とする3頭の子山羊の病性鑑定を行った.解剖所見では肺のモザイク模様変化,多発性関節炎,胸膜肺炎及び角膜炎が見られた.組織学的検査において,症例1では軽度の肺胞中隔肥厚と肺胞へのマクロファージ浸潤が,症例2では手根関節及び足根関節に一部骨組織の壊死を伴う化膿性線維素性関節炎が,症例3では化膿性気管支肺炎及び化膿性角膜炎がそれぞれ認められた.細菌学的検査では3頭の肺,関節及び関節腔液から
Mycoplasma属菌種が分離され,生化学的性状,PCR及びPCR-RFLP検査の結果,いずれも
Mycoplasma mycoides subsp.
capri(Mmc)と同定された.免疫組織化学的検査では病変部にMmcの陽性抗原が認められた.この結果,本症例はMmcによる多発性関節炎,化膿性気管支肺炎及び化膿性角膜炎を主徴とする伝染性無乳症(家畜伝染病予防法規則)と診断された.
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