日本獣医師会雑誌
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67 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 草場 信之, 安里 章, 鈴木 貴博, 三木 渉, 木田 克弥, 宮本 明夫
    原稿種別: 原著
    2014 年67 巻1 号 p. 43-48
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2014/02/20
    ジャーナル フリー
    北海道において,過去22年間に経験した牛マイコプラズマ性乳房炎の発生事例68牛群について,疫学的解析を試みた.事例の75%は直近5年間の発生であり,北海道での本病の増加が確認された.発生契機として,牛の外部導入,初妊牛の分娩もしくは肺炎の発生が示唆された.主な原因菌種はM. bovisであったが大規模牛群ではM. californicumの発生も同程度存在し,他の菌種は普段から不顕性に牛群へ侵入している可能性が示唆された.感染牛の割合は経産牛頭数の3.8~15.1%(四分位範囲),発生期間は0.3~4.7カ月,淘汰牛の割合は経産牛頭数の2.1~9.5%であった.大規模牛群では発生期間の延長と経過中における多数の新規感染が認められたが,感染牛の隔離により発生の長期化を防ぎ得ることが明らかとなった.
  • 村上 高志, 内田 嗣夫, 加藤 肇, 木村 和也, 佐久間 元希, 羽生 明正, 中尾 茂
    原稿種別: 原著
    2014 年67 巻1 号 p. 49-53
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2014/02/20
    ジャーナル フリー
    乳牛における子宮捻転整復後の産科処置の違いが生存率及び繁殖成績に及ぼす影響を調査した.子宮捻転整復に成功したホルスタイン種乳牛112頭を,胎子娩出状況別に無処置・軽度牽引群(48頭),中・重度牽引群(48頭),帝王切開群(16頭)の3群に分けて成績を比較した.その結果,無処置・軽度牽引群は母牛生存率(1カ月後)97.9%,最終受胎率(1年後)89.4%であった.中・重度牽引群は無処置・軽度牽引群と比較して最終受胎率が67.4%と有意に低下していた.また,帝王切開群は母牛生存率75.0%と有意な低下がみられたが繁殖成績に差は認められなかった.以上より,子宮捻転整復後に重度牽引や産道損傷を伴うことは,その後の繁殖成績を低下させるため,捻転整復後の産科処置の選択が重要である.
  • 緒方 良彦, 斯琴 図雅, 森友 靖生, 大場 恵典, 国枝 哲夫, 北川 均
    原稿種別: 短報
    2014 年67 巻1 号 p. 54-58
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2014/02/20
    ジャーナル フリー
    黒毛和種繁殖牛において,XI因子欠乏症を含む内因系血液凝固異常と原因不明の流死産(いわゆる胎子死)の関連性について調査した.繁殖牛群129 頭を調査したところ,XI因子欠乏症の既知変異遺伝子の遺伝子頻度は26.4%であった.変異アレルのホモ接合個体(変異ホモ)群とヘテロ接合個体(ヘテロ)群,変異アレルを持たない正常ホモ接合個体(正常ホモ)群間で,プロトロンビン時間(PT)に有意差はなく,活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)では,変異ホモ群,ヘテロ群,正常ホモ群の順に有意に延長していた.各群間の胎子死頻度比較は,変異ホモ群がヘテロ群,正常ホモ群に対して有意に高く,正常ホモ群と変異ホモ群の胎子死頻度のオッズ比は2.72(95%信頼区間:1.08~6.84)であった.XI因子以外の内因系因子と胎子死の関連を調査する目的で,正常ホモ群71頭をAPTTの中央値から20秒以上延長している個体(延長)群と非延長群の2群に分け,PT及び胎子死頻度を比較した.2群間でAPTTには有意差が存在するがPTに有意差はなく,胎子死頻度で有意な差があった.延長群と非延長群との胎子死頻度のオッズ比は3.49(95%信頼区間:1.29~9.40)であった.また,非延長群と変異ホモ群との胎子死頻度のオッズ比は3.77(95%信頼区間:1.39~10.18)であった.これらの結果は,XI因子欠乏症を含む内因系血液凝固因子異常が胎子死の発生に関連している可能性を示した.
  • 生澤 充隆, 矢彦沢 小百合, 入部 忠, 東 智子, 矢島 佳世, 平野 晃司, 橋田 明彦, 高野 儀之
    原稿種別: 資料
    2014 年67 巻1 号 p. 59-62
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2014/02/20
    ジャーナル フリー
小動物臨床関連部門
  • 中原 和人, 村上 麻美, 酒井 洋樹, 柳井 徳磨
    原稿種別: 短報
    2014 年67 巻1 号 p. 63-66
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2014/02/20
    ジャーナル フリー
    眼瞼痙攣を主訴に来院した秋田犬を,原因不明の遷延化した両側性汎ぶどう膜炎と診断し,治療を開始した.治療に反応し,良化が見られたが,治療は継続されなかった.視覚消失を主訴に再来院した時には,胞状網膜剝離を発症していた.治療により良化したものの,再度治療は中断された.その後,飼い主が安楽死を希望して来院した時点では,続発性の緑内障を発症していた.安死術後,剖検によりぶどう膜皮膚症候群と診断された.眼球病変部の免疫染色により,虹彩,毛様体及び脈絡膜に浸潤するリンパ球はCD3陽性のT細胞が主体をなしており,これはB細胞の浸潤が主体をなす過去の報告と異なっていた.
  • 各務 佐紀, 福島 潮, 村松 勇一郎, 小野 憲一郎, 小川 博之
    原稿種別: 短報
    2014 年67 巻1 号 p. 67-71
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2014/02/20
    ジャーナル フリー
    火災遭遇後,角膜全域の傷害に加えて右眼に角膜深部潰瘍,左眼に角膜穿孔を認めた10カ月齢のボストンテリアに対し,眼瞼縫合及び内科療法を実施した.第14病日,両眼ともに角膜厚の改善がみられ,左眼には角膜径の縮小及び角膜曲率の低下(平坦化)がみられた.第28病日,両眼の角膜厚はさらに改善し,左眼の角膜径と曲率にも回復がみられた.第301病日,両眼ともに角膜厚はほぼ回復し,虹彩が透見可能となるまでに角膜の透明性が改善した.火災遭遇後に角膜全域の傷害に加えて角膜深部潰瘍と角膜穿孔がみられた本例に対して,眼瞼縫合及び感染の制圧・炎症の制御・角膜の保湿などの適切な内科療法は,角膜の形状回復と視覚の保持に有用な治療であったと考えられた.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 亀山 光博, 矢端 順子, 野村 恭晴, 富永 潔, 冨田 正章
    原稿種別: 原著
    2014 年67 巻1 号 p. 73-78
    発行日: 2014/01/20
    公開日: 2014/02/20
    ジャーナル フリー
    2006~2009年に,山口県内A農場で飼養される子牛の口腔内における志賀毒素産生性大腸菌(STEC)の保有状況を検討した.186頭のうち24頭(12.9%)から27株のSTECが分離され,O群型は,O26が13株と最も多く,次いで型別不能株(OUT:5株),O8(4株),O111(3株),O119(2株)であった.12薬剤による薬剤感受性試験の結果,24株(89%)が供試した1剤以上に耐性を示し,O8の4株とO111の1株はシプロフロキサシンに,O26の1 株はホスホマイシンに耐性を示した.O26及びO111分離株のパルスフィールドゲル電気泳動解析の結果,各血清型の中で同一あるいは非常に類似したパターンを示す株がみられたことから,農場内で由来の同じ株が個体間で水平伝搬した可能性が示唆された.
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