日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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67 巻, 10 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 木口 陽介, 小嶋 暢, 遠藤 千春, 齋藤 友佳, 楠本 正博
    原稿種別: 原著
    2014 年67 巻10 号 p. 739-746
    発行日: 2014/10/20
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
    ブロイラーの大腸菌症由来26株について病原性に関する特徴,βラクタマーゼ産生性,血清型及び分子疫学的性状(マルチローカスシークエンスタイピング解析(MLST),系統発生群(Phylogenetic groups))について調査した.分離株の性状は26株中O2:H-(シークエンスタイプ(以下ST)ST95,系統発生群B2群)4株,O25:H4(ST131,B2群)4株であり,最も割合が高かった.βラクタマーゼ遺伝子の陽性率は58%(15/26)であり,遺伝子型はblaCMY-2 9株,blaTEM-1 7株,blaCTX-M-15 1株,blaCTX-M-2 2株,blaSHV-2 1株認めた.βラクタマーゼ遺伝子保有株では,本遺伝子非保有株と比較してissiucDpapCの病原性関連遺伝子の陽性率が有意に高く(P<0.05),その他5遺伝子(astAirp2tshvatcva/cvi)でも高い傾向であった.以上の結果から鶏大腸菌症由来大腸菌では,理由は不明だが,βラクタマーゼ遺伝子と病原性関連遺伝子の双方が同時に保存される傾向があることが示唆された.また,人の患者由来大腸菌と同じ性状(O25:H4(ST131,B2群))を示す株や,blaCTX-M-15blaCTX-M-2blaSHV-2等の基質特異性拡張型βラクタマーゼを保有している株を認めたことから,鶏由来大腸菌の拡散状況を注視する必要がある.
  • 木崎 あゆみ, 高橋 真紀, 昆野 雄介, 熊谷 芳浩, 昆野 勝, 佐藤 裕夫
    原稿種別: 原著
    2014 年67 巻10 号 p. 747-753
    発行日: 2014/10/20
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
    岩手県内の1養豚場で9日間に生産された8腹由来の哺乳豚85頭中29頭が4~19日齢時に死亡あるいは予後不良により淘汰された.発熱,震戦及び後弓反張を示した病豚3頭(15,18,19日齢)を検索した.主要病変は髄膜,脈絡叢,脳室壁における線維素化膿性炎であり,病変の程度は髄膜と脈絡叢で重篤であった.同炎症は四肢諸関節の滑膜や,腹膜,胸膜及び心外膜にもみられ,大腸菌O166抗原が前述の病巣内に観察された.3頭の脳,関節腔液及び体腔内臓器から大腸菌O166が分離され,同菌株はfimAiucDiroNiss遺伝子を保有し,下痢に関連する病原遺伝子を保有していなかった.病豚とそれらの母豚の血清から分離菌株に対する抗体が検出された.病豚3頭の血清IgG濃度は,日齢の若い順に7.1,2.1及び5.0mg/ml であった.本病終息後に生産された4腹由来の哺乳豚46頭(4~5日齢)の同濃度は1.1~20.3mg/mlの範囲で,同腹の哺乳豚間で6.4~17.2mg/mlの差がみられた.得られた成績から,検索例は腸管外病原性大腸菌O166による原発性敗血症の後に髄膜炎に罹患したことが示唆された.
  • 播谷 亮, 萩原 妙子, 矢口 裕司, 竹馬 工, 篠川 有理, 村山 修吾, 別府 成, 平野 晃司, 松本 英子, 荒木 美穂, 藤野 ...
    原稿種別: 資料
    2014 年67 巻10 号 p. 754-760
    発行日: 2014/10/20
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
小動物臨床関連部門
  • 木村 唯, 嶋田 恵理子, 宮本 忠, 鳩谷 晋吾
    原稿種別: 短報
    2014 年67 巻10 号 p. 761-766
    発行日: 2014/10/20
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
    2006年から2013年に1動物病院に来院した伴侶動物からPasteurella multocidaが24株,P. canisが1株及びP. pneumotropicaが1株分離された.これらのパスツレラ属菌はおもに皮下膿瘍から分離された.分離菌は試験したほとんどすべての抗菌薬に感受性であった.パスツレラ感染症の治療には感受性を示したセファロスポリン系薬とフルオロキノロン系薬がおもに用いられた.しかしながら,これら治療にもかかわらず,26例中3例は死の転帰をとった.伴侶動物においても,パスツレラ属菌は感染症を引き起こし,時に重症化する可能性があると考えられた.
  • 近澤 征史朗, 畑井 仁, 後藤 晃伸
    原稿種別: 短報
    2014 年67 巻10 号 p. 767-772
    発行日: 2014/10/20
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
    7歳齢,雌のミニチュア・ダックスフンドが血便を伴う進行性の貧血を主訴に来院した.内視鏡検査にて下行結腸から上行結腸にかけて粘膜血管の拡張や充出血が認められた.抗生物質,免疫抑制剤による治療を行うも症状の明らかな改善は認められず,頻回の輸血処置を要した.内視鏡下生検による病理組織学的検索では大腸粘膜における軽度の血管拡張が示唆されたため,大腸血管拡張症(colonic vascular ectasia : CVE)を強く疑い,estrogen-progesteron(EP)療法(エチニルエストラジオール,ノルエチステロン)及びベナゼプリルの投与を行った.その後症状は鎮静化し,輸血を行うことなく自宅管理が可能となった.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 瀧 麻香, 芝原 友幸, 三上 修, 川嶌 健司, 金森 健太, 亀山 衛, 加茂前 優花, 渡邊 理
    原稿種別: 短報
    2014 年67 巻10 号 p. 773-777
    発行日: 2014/10/20
    公開日: 2014/11/20
    ジャーナル フリー
    動物園で飼育していたコアラ成獣1頭が,8カ月間の呼吸器症状を示して死亡した.剖検では,肺の両葉が全体に灰白色,水腫状を呈し,気管及び気管支腔内に泡沫状の液体の貯留がみられた.組織学的に,肺に著しい間質性の線維化,肺胞中隔の肥厚,肺胞構造の崩壊及びリンパ球の浸潤が斑状(heterogeneous appearance)に認められた.アザン染色では,間質の線維化部分に一致して膠原線維の増生を認め,線維化巣では蜂巣状病変,Ⅱ型肺胞上皮細胞の過形成,筋線維芽細胞の増生がみられた.肺では病原体の関与を疑う変化はみられなかった.細菌学的検査では,主要臓器から病原性細菌は分離されなかった.これらの所見は,人や猫の特発性肺線維症(IPF)の特徴と類似していた.
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