岩手県内の1養豚場で9日間に生産された8腹由来の哺乳豚85頭中29頭が4~19日齢時に死亡あるいは予後不良により淘汰された.発熱,震戦及び後弓反張を示した病豚3頭(15,18,19日齢)を検索した.主要病変は髄膜,脈絡叢,脳室壁における線維素化膿性炎であり,病変の程度は髄膜と脈絡叢で重篤であった.同炎症は四肢諸関節の滑膜や,腹膜,胸膜及び心外膜にもみられ,大腸菌O166抗原が前述の病巣内に観察された.3頭の脳,関節腔液及び体腔内臓器から大腸菌O166が分離され,同菌株は
fimA,
iucD,
iroN,
iss遺伝子を保有し,下痢に関連する病原遺伝子を保有していなかった.病豚とそれらの母豚の血清から分離菌株に対する抗体が検出された.病豚3頭の血清IgG濃度は,日齢の若い順に7.1,2.1及び5.0mg/m
l であった.本病終息後に生産された4腹由来の哺乳豚46頭(4~5日齢)の同濃度は1.1~20.3mg/m
lの範囲で,同腹の哺乳豚間で6.4~17.2mg/m
lの差がみられた.得られた成績から,検索例は腸管外病原性大腸菌O166による原発性敗血症の後に髄膜炎に罹患したことが示唆された.
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