重曹含有食塩ブロック剤の舐食給与が濃厚飼料多給牛の第一胃液pH及び揮発性脂肪酸(VFA)濃度に及ぼす影響を検討した.第一胃フィステルを装着した5カ月齢ホルスタイン種去勢牛(4頭)に試験前1週から第一胃アシドーシス誘発飼料を給与し,本ブロック剤を舐食給与(舐食群)あるいは朝夕の給餌直後に舐食群と同量の重曹粉末を経口給与(経口群)した.その結果,第一胃液pHの1日平均値は,舐食群で経口群に比べて高値で推移し,給与開始日から3日後まで有意(
P<0.05)な高値を示した.第一胃液VFAとアンモニア態窒素は,群間に差異がみられなかった.このことから,濃厚飼料多給牛に対する重曹含有食塩ブロック剤の舐食給与は,第一胃液pHの低下を軽減する作用のあることが明らかになった.作用機序として本ブロック剤舐食による重曹のpH緩衝作用と食塩の唾液分泌促進が推察された.
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