プロスタグランジンF
2α(PGF
2α),馬絨毛性性腺刺激ホルモン及びヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)投与による排卵同期化法を用いた豚の定時人工授精(AI)技術の確立を目的とし,排卵同期化処置を施した豚の生殖内分泌動態,排卵時期及びAI適期を検討した.排卵後12日から排卵同期化処置を施した豚の血中プロジェステロン濃度は,PGF
2α投与の翌日には有意に低下した.排卵前に起こる黄体形成ホルモンサージのピークは,hCG投与後26.0±1.2時間に認められ,排卵はhCG投与後44.8±2.3時間に観察された.発情終了後から処置を開始し,hCG投与後24時間あるいは36時間に1回のみAIを行った場合,すべての豚から正常な形態を示す胚盤胞が回収された.また,hCG投与後24時間あるいは36時間に1回のみAIを行った豚の繁殖成績は,自然発情中に複数回AIを行った豚と同等であることが明らかとなった.
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