日本獣医師会雑誌
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67 巻, 5 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 会田 恒彦, 馬上 斉, 村山 和範, 大竹 聡, 田中 健介, 篠川 有理, 福留 静, 樋口 良平
    原稿種別: 原著
    2014 年67 巻5 号 p. 323-327
    発行日: 2014/05/20
    公開日: 2014/06/20
    ジャーナル フリー
    新潟県内の14養豚場において,2~8カ月齢の豚群50群から血清及び口腔液を採取し,豚繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)の抗体検出を間接蛍光抗体法(IFAT)及びELISAにより,遺伝子検出をRT-nested PCR法によりそれぞれ行った.IFATとELISAはいずれも血清が陽性40群,陰性10群,口腔液が陽性38群,陰性12群と判定された(一致率96%).PRRSV遺伝子の検出は血清が陽性18群,陰性32群,口腔液が陽性15群,陰性35群であった(一致率90%).口腔液を用いることで豚群のPRRSVサーベイランスが効率的かつ低コストで実施できると考えられた.
  • 伊澤 智宏, 田中 健一郎, 柿沼 清市, 杉山 由夏, 松田 敬一, 小比類巻 正幸, 今内 覚, 大塚 浩通
    原稿種別: 原著
    2014 年67 巻5 号 p. 328-332
    発行日: 2014/05/20
    公開日: 2014/06/20
    ジャーナル フリー
    牛白血病ウイルス(BLV)に感染した黒毛和種雌牛における免疫状態を明らかにするため末梢血白血球ポピュレーションと単核球のサイトカイン並びに免疫関連因子を解析した.供試牛は黒毛和種成牛32頭で,BLV抗体陽性で地方病性牛白血病(EBL)を発症した発症群(N=9),BLV抗体陽性であるが臨床上異常の認められなかった保因群(N=13)とBLV抗体陰性で臨床的に健康であった非保因群(N=10)である.供試牛の末梢血を採取し,白血球表面抗原を解析するとともに,サイトカイン並びにT細胞の細胞傷害因子であるパーフォリン(perforin : Pf)及びグラニュライシン(granulysin : Gl)並びに抗ウイルス物質MX-1とMX-2のmRNA発現量を解析した.発症群のWC1-N1T細胞数は非保因群に比べ有意に低く,CD14細胞数並びにMHC class-IICD14細胞は有意に高値であった.また発症群のPf並びにMX-2 mRNA発現量は非保因群と比べて有意な低値を示した.このことから,EBLであった黒毛和種牛ではγδT細胞の減少と細胞傷害及び抗ウイルス因子の遺伝子発現が低下していることが示唆された.
小動物臨床関連部門
  • 桑原 康人, 石野 明美, 桑原 典枝, 河崎 哲也, 西飯 直仁, 北川 均
    原稿種別: 原著
    2014 年67 巻5 号 p. 333-339
    発行日: 2014/05/20
    公開日: 2014/06/20
    ジャーナル フリー
    腎盂拡張に加えて,腎盂拡張側の尿管に結石が認められた16例の猫と,結石を認めなかったが高クレアチニン血症が認められた10例の猫に,開腹下,尿管ステント留置術を実施した.全26例の尿管にステント挿入に障害となる狭窄部位が存在したが,ステントを挿入することができた.ステント挿入後,全例で腎盂拡張が改善した.術後に6例が死亡したが,他の20例では窒素血症は改善されたか,あるいは改善されなくても腎不全の急性増悪を認めていない.尿管ステント留置術は,腎盂拡張に加えて,腎盂拡張側尿管に結石を認めるか,高クレアチニン血症を示す症例に対する一手技として考慮できる.
  • 渡邊 一弘, 加藤 由隆, 平山 美緒子, 柴田 早苗, 神志那 弘明, 酒井 洋樹, 山添 和明
    原稿種別: 短報
    2014 年67 巻5 号 p. 340-344
    発行日: 2014/05/20
    公開日: 2014/06/20
    ジャーナル フリー
    ボーダーコリー(9歳5カ月齢,雄)に左眼窩下腫脹と左上顎第4前臼歯の重度歯石沈着が認められた.口腔内検査では左上顎第4前臼歯の歯肉の腫脹と遠心根の根尖に位置する頬側歯肉からの排膿があった.X線検査では左上顎の第3前臼歯遠心根と第4前臼歯の近心・遠心側の歯根根尖周囲に骨吸収を認め,第4前臼歯の遠心根が変形しているようにみられた.以上より本症例を根尖周囲病巣による内歯瘻と診断し,左上顎第3・4前臼歯の抜歯を行った.第4前臼歯は歯根が4本ある過剰根で歯冠には裂溝がみられた.病理組織学的検査では歯肉に炎症性細胞が浸潤し,第4前臼歯の歯髄は壊死して細菌塊が認められた.過剰根は歯冠裂溝があり,これが歯周ポケットからの感染を根尖まで波及させる経路となるため,過剰根や歯冠裂溝などの形態異常は根尖周囲病巣発症の要因となり得ると考えられた.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 堀内 基広
    原稿種別: 総説
    2014 年67 巻5 号 p. 345-353
    発行日: 2014/05/20
    公開日: 2014/06/20
    ジャーナル フリー
  • 小野 一晃
    原稿種別: 原著
    2014 年67 巻5 号 p. 354-359
    発行日: 2014/05/20
    公開日: 2014/06/20
    ジャーナル フリー
    冷凍保存した食品検体からのコレラ菌分離法について検討した.コレラ菌の数は,-20℃で1週間冷凍保存した生理食塩水中で1/100から1/10,000に減少した.免疫磁気ビーズ法を用いることで,冷凍保存した食品検体から本菌の分離が可能であったが,検出感度を高めるためには増菌培養を繰り返す必要があった.103cfu/mlのコレラ(血清型O139)菌液を0.5ml接種し,-80℃で1年間冷凍保存したエビからは,増菌培養を3回繰り返すことで,接種菌の分離が可能であった.さらに,1%量のピルビン酸ナトリウムとカタラーゼ(2,000U/plate)を添加した改良培地がコレラ菌の分離に有効であった.本研究により,増菌培養(場合によっては数回繰り返す)後の試料に免疫磁気ビーズ法と改良培地を用いることが,冷凍保存した食品検体からのコレラ菌分離に有効であることが示唆された.
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