日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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68 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
小動物臨床関連部門
  • 篠田 麻子, 水越 崇博, 船山 麻理菜, 水野 壮司, 水野 祐, 藤原 めぐみ, 上地 正実
    原稿種別: 原著
    2015 年68 巻1 号 p. 49-54
    発行日: 2015/01/20
    公開日: 2015/02/20
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,二尖弁の弁付導管を作成し肺動脈弁位に置換後の可動性,石灰化,抗血栓性を評価することである.供試犬は4頭の健常犬とした.弁付導管は,新鮮生体膜総鞘膜,デナコール処理済み生体膜あるいはePTFEパッチをトリミングして作製した.置換後の心臓超音波検査では弁の良好な可動性が確認できた.置換6カ月後の病理学的所見では血栓形成や顕著な石灰化は認められなかった.導管の内壁及び弁縫合周囲において線維芽細胞を含む内皮形成が認められた.今後,弁付導管置換後の機能についてより長期にわたり検討する必要が残るが,本研究の結果から,重度肺動脈狭窄症の犬に対する治療法として弁付導管による肺動脈弁置換術の有効性が示唆された.
  • 印牧 信行, 市川 陽一朗, 川原井 晋平, 落合 秀治
    原稿種別: 原著
    2015 年68 巻1 号 p. 55-58
    発行日: 2015/01/20
    公開日: 2015/02/20
    ジャーナル フリー
    麻布大学眼科に来院した犬の緑内障症例の発生状況と随伴症について調べた.1994年4月から2011年12月までに麻布大学附属動物病院眼科に来院した犬2,981頭を対象とした.柴犬の緑内障罹患率は,来院数の上位21犬種のうちで,最も高かった(84頭/196頭=42.9%).柴犬の緑内障眼121眼において,角膜混濁57眼(47.1%),眼球拡張102眼(84.3%),網膜視神経乳頭の萎縮及び陥凹66眼(54.5%),水晶体脱臼50眼(41.3%)が認められた.眼球拡張,視神経乳頭萎縮,水晶体脱臼を示す緑内障眼は高眼圧値を示した.水晶体脱臼を示す緑内障眼の90%は水晶体亜脱臼であった.
  • 木村 唯, 嶋田 恵理子, 宮本 忠, 鳩谷 晋吾
    原稿種別: 原著
    2015 年68 巻1 号 p. 59-63
    発行日: 2015/01/20
    公開日: 2015/02/20
    ジャーナル フリー
    2006~2013年にみやもと動物病院に来院した犬と猫からAcinetobacter lwoffiiが27株,A. baumanniiが14株,その他のアシネトバクター属菌が5株分離された.A. lwoffiiはセフェピムに11.1%,アミノグリコシド系薬に7.4%,フルオロキノロン系薬に14.8%,イミペネムに11.1%が耐性であった.A. baumanniiはゲンタマイシンに7.1%,フルオロキノロン系薬に21.4%が耐性であったが,セフェピムとイミペネム耐性株は認められなかった.犬や猫においても,薬剤耐性アシネトバクター属菌が分離され,多剤耐性アシネトバクター属菌の出現動向に注意を払う必要があると考えられた.
  • 一二三 達郎, 真下 忠久, 原崎 裕介, 阿野 直子, 野村 耕二, 安田 準, 川口 博明, 三好 宣彰
    原稿種別: 短報
    2015 年68 巻1 号 p. 64-67
    発行日: 2015/01/20
    公開日: 2015/02/20
    ジャーナル フリー
    症例は重度の発咳がみられた7歳齢の雌犬(ポメラニアン)で,X線検査において右肺後葉付近に長軸径約5cmの単発性の類円形腫瘤がみられ,造影X線CT検査における静脈相では腫瘤は横隔膜に接して右胸腔内に存在し,肝臓実質と同様の造影所見を呈し,さらに腫瘤には肝臓と連絡する静脈が描出された.横隔膜ヘルニアを示唆する画像所見は認められなかった.手術時に腫瘤は後大静脈や横隔膜と癒着していたが,横隔膜ヘルニアは確認されず,腹腔内の肝臓との連続性も肉眼的には確認されなかった.腫瘤は組織学的に肝細胞,小葉間胆管と小葉間動脈と小葉間静脈がみられる門脈域,そして中心静脈で構成されていた.肉眼的及び組織学的所見により胸腔内異所性肝と診断した.
  • 西飯 直仁, 髙島 諭, 松原 達也, 小島 正章, 星野 恵美, 蜂巣 達之, 北川 均
    原稿種別: 短報
    2015 年68 巻1 号 p. 68-72
    発行日: 2015/01/20
    公開日: 2015/02/20
    ジャーナル フリー
    犬の血漿N末端プロ心房性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proANP)濃度測定ELISAキットの測定精度を評価するとともに,正常犬23頭,僧帽弁閉鎖不全症(MR)の犬30頭,フィラリア症の犬4頭において血漿NT-proANP濃度を測定した.同時再現性及び日差再現性試験における変動係数はそれぞれ2.0~2.5%及び0.4~2.6%であり,添加回収試験での回収率は98~103%であった.希釈により良好な直線性が得られた.血漿NT-proANP濃度は,MRの犬(426.9±225.7pg/ml)及びフィラリア症の犬(753.3±321.7pg/ml)では,正常犬(73.9±22.4pg/ml)と比べて有意に高値であった.本NT-proANP濃度測定系は犬の心疾患の診断に有用である可能性がある.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 星野 稔, 福島 恵美子, 大村 和代, 阿部 博美, 星野 勇矢
    原稿種別: 短報
    2015 年68 巻1 号 p. 73-76
    発行日: 2015/01/20
    公開日: 2015/02/20
    ジャーナル フリー
    Lawsonia intracellularis(LI)による豚の肉芽腫性腸炎には,豚サーコウイルス2型(PCV2)の関与が示唆されてきた.今回,肉眼的に小腸炎が認められた肥育豚(6カ月齢)23頭の小腸及び腸間膜リンパ節を病理組織学的に検索した.上皮過形成及び杯細胞減数を主たる特徴とする増殖性腸炎(PPE)と同様の組織病変と,さらに固有層及びパイエル板における肉芽腫性炎が,空腸から回腸にかけて観察された.PPE様病変は小腸上部に顕著である一方,肉芽腫性病変は小腸下部で優位であった.さらに,小腸上部の上皮細胞内にはしばしば鍍銀陽性桿菌が観察された.肉芽腫性炎は腸間膜リンパ節でも観察された.PCR検索では23検体中21検体の腸管で,また,リンパ節では9検体に,LIの存在が示された.しかしながら,PCV2は免疫染色ではいずれの検体でも検出されなかった.今回の小腸炎はLIを原因とすることが示唆されたが,肉芽腫性病変おけるPCV2の関与は証明されなかった.
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